☆面白い・・・。
やっぱ、私は、オリバー・ストーン監督の作劇術が性に合っている。
私と思想は違えど、そのパワーにグイグイ引っ張られる点においては、島田荘司の小説と似ている。
ゲッコーの復活劇は、スタローン的に燃える。
だが、オリバー・ストーンは、更に、ゲッコーのその先・・・、「人間は変われる(変わる)」と言う結末を用意してくれていた(・・・いや、変われずとも、別の属性を付加できると言えばいいのか)。
・・・もしかして、見る人が見れば使い古されたテクニックなのかも知れないが、前作(クリック!)の「強欲のカリスマ」ゴードン・ゲッコーが、若く有望なるウォール街の証券マン・ジェイクと親密になっていく過程の、落ちぶれたゲッコーが地下鉄に乗っての移動にもすっかり慣れ、その中でジェイクと会話する中で、地下鉄ゆえに、対向列車とすれ違うときの雑音に会話を中断させる・・・、だが、その繰り返される中断こそが、二人の思惑を増大させると言う手法などに、私はえらく感心してしまうのだ。
画面の二分割や、妙にスタイリッシュなエンドクレジットなども行なっていて、このオリバー・ストーンの冒険心はなんやねん^^ とも思った。
映像は、ドキュメント的に乾いた感じもあり、『ゴッド・ファーザー』でも見るかのような、昔ながらの重みが感じられた。
前作から二十年以上経っての続編であり、そういった情緒もあるのだろう。
『ゴッドファーザー』なども、『PART3』などでは、物語がバチカンをも巻き込んだスケールの大きな物語になったが、今回の『ウォール・ストリート』も、ややパターンの狭かった前作に比べ、世界金融危機を背景にした中での大きな物語となっている。
◇
ジェイクは、誠実な男で、何者かの手によって買収に至る結果に陥れられて自殺に追い込まれた、自分を拾ってくれた会社の社長に報いるために、復讐を心に秘め、知恵と知識を求め、ゴードンに近づく。
ジェイクを演じるのは、シャイア・ラブーフで、ゲッコー役のマイケル・ダグラスに比べると、圧倒的に線が細いので、マネー勝負の中では文字通り「役者の違い」を見せつけられるが、ゲッコーの娘との恋のパートにおいては、かなりいい。
◇
やはり、このシリーズは、ゴードン・ゲッコーのカリスマに支配されている・・・。
ゲッコーは、物語の1/4が過ぎた頃からじゃないと活躍しないのだが、画面に出てくると、途端に面白くなる。
なんちゅうか、セレブから元セレブへ、かつてのお騒がせ有名人と堕してしまったゲッコーの「空威張り」具合はたまらなく良かった。
いかにも、険悪な関係にある娘との和解を、心から求めつつも、時折、かつての傲慢なる姿を随所で見せてくれる。
人間は、どうしても、その性根は変えられないのか・・・?
だが、この作品、終幕で粋なハッピーエンドを迎える。
それは、あたかも、『クリスマス・キャロル』の結末のようだ。
・・・いや、私は、先に『クリスマス・キャロル』の感想(クリック!)の中で、ディケンズの原作に難癖をつけたのだが、この作品では、私の要望通りの展開になっていたのは嬉しかった。
◇
しかし、まさかのバド・フォックス(前作の主役、チャーリー・シーン)とゲッコーの対面には驚いた。
すっごいエピソードをを盛り込んだものだね^^;
すっかり俗物と化したバドに対して、不遜に振舞いつつものゲッコーの複雑な表情が秀逸でした。
・・・見事な続編だったと思います。
◇
おっと、それから、ゲッコーがジェイクに「お前もハスラーだな」とか言うのはいいね。
自分はポール・ニューマンで、ジェイクはトム・クルーズですかね^^
(2011/02/04)
やっぱ、私は、オリバー・ストーン監督の作劇術が性に合っている。
私と思想は違えど、そのパワーにグイグイ引っ張られる点においては、島田荘司の小説と似ている。
ゲッコーの復活劇は、スタローン的に燃える。
だが、オリバー・ストーンは、更に、ゲッコーのその先・・・、「人間は変われる(変わる)」と言う結末を用意してくれていた(・・・いや、変われずとも、別の属性を付加できると言えばいいのか)。
・・・もしかして、見る人が見れば使い古されたテクニックなのかも知れないが、前作(クリック!)の「強欲のカリスマ」ゴードン・ゲッコーが、若く有望なるウォール街の証券マン・ジェイクと親密になっていく過程の、落ちぶれたゲッコーが地下鉄に乗っての移動にもすっかり慣れ、その中でジェイクと会話する中で、地下鉄ゆえに、対向列車とすれ違うときの雑音に会話を中断させる・・・、だが、その繰り返される中断こそが、二人の思惑を増大させると言う手法などに、私はえらく感心してしまうのだ。
画面の二分割や、妙にスタイリッシュなエンドクレジットなども行なっていて、このオリバー・ストーンの冒険心はなんやねん^^ とも思った。
映像は、ドキュメント的に乾いた感じもあり、『ゴッド・ファーザー』でも見るかのような、昔ながらの重みが感じられた。
前作から二十年以上経っての続編であり、そういった情緒もあるのだろう。
『ゴッドファーザー』なども、『PART3』などでは、物語がバチカンをも巻き込んだスケールの大きな物語になったが、今回の『ウォール・ストリート』も、ややパターンの狭かった前作に比べ、世界金融危機を背景にした中での大きな物語となっている。
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◇
ジェイクは、誠実な男で、何者かの手によって買収に至る結果に陥れられて自殺に追い込まれた、自分を拾ってくれた会社の社長に報いるために、復讐を心に秘め、知恵と知識を求め、ゴードンに近づく。
ジェイクを演じるのは、シャイア・ラブーフで、ゲッコー役のマイケル・ダグラスに比べると、圧倒的に線が細いので、マネー勝負の中では文字通り「役者の違い」を見せつけられるが、ゲッコーの娘との恋のパートにおいては、かなりいい。
◇
やはり、このシリーズは、ゴードン・ゲッコーのカリスマに支配されている・・・。
ゲッコーは、物語の1/4が過ぎた頃からじゃないと活躍しないのだが、画面に出てくると、途端に面白くなる。
なんちゅうか、セレブから元セレブへ、かつてのお騒がせ有名人と堕してしまったゲッコーの「空威張り」具合はたまらなく良かった。
いかにも、険悪な関係にある娘との和解を、心から求めつつも、時折、かつての傲慢なる姿を随所で見せてくれる。
人間は、どうしても、その性根は変えられないのか・・・?
だが、この作品、終幕で粋なハッピーエンドを迎える。
それは、あたかも、『クリスマス・キャロル』の結末のようだ。
・・・いや、私は、先に『クリスマス・キャロル』の感想(クリック!)の中で、ディケンズの原作に難癖をつけたのだが、この作品では、私の要望通りの展開になっていたのは嬉しかった。
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◇
しかし、まさかのバド・フォックス(前作の主役、チャーリー・シーン)とゲッコーの対面には驚いた。
すっごいエピソードをを盛り込んだものだね^^;
すっかり俗物と化したバドに対して、不遜に振舞いつつものゲッコーの複雑な表情が秀逸でした。
・・・見事な続編だったと思います。
◇
おっと、それから、ゲッコーがジェイクに「お前もハスラーだな」とか言うのはいいね。
自分はポール・ニューマンで、ジェイクはトム・クルーズですかね^^
(2011/02/04)
彼は確かに刑務所に入って変わったというより、別の属性を付加されたという言い方があってると思います。
つまり金融業界天才としてのあのゴードンと、「大切なのは時間だ」に象徴されるアンチゴードンとしてのゴードン。
確かに彼は歳をとって丸くなった部分もあるのだけれど、それは言い換えれば武術の達人の如く円熟味を増したとも言えるわけで、結果として彼は己の欲するものを全て手にしている訳ですよ。
監督の訴えたいことは、現代のマネーゲームに対する警鐘であるのは、前作から変わらないのだと思いますが、その中にこのゴードンと言う魅力的な存在をキッチリ織り交ぜて来ているのが上手いところです。^^
同じ事を繰り返して素晴らしい作品もありますが、
同じ事を繰り返したら芸じゃない作品もあり、
ゴードンが20年前と同じ事を繰り返したら、この作品を作る意味がなかったです。
傲岸不遜なままのゴードンで、でも、甘い結末は素晴らしい。
もう続編は出来ないでしょうが、正攻法でも成功できる彼が、ビシバシと中国投資家と戦う「最後の戦場」篇も見たいものです。
それから、私、ジュリーおじさんの、口元で手をひらひらさせて口笛を吹く仕草が気に入りまして、甥っ子をからかう時に使わせていただきます^^
ですか。
単に年取ったでは、簡単すぎましたかね。
ゲッコー、監督ともに、年を重ね、彼らが持っていた剃刀みたいな危うさが、いろんなもので包まれて行った・・・ように感じました。
ゲッコー@マイケルがいなければ成り立たない!ですよね。
ぜひ、ガンを完全克服して、もうちっとがんばっていただきたいです。おやっさんは、まだまだ元気ですもん。
ちょっと小難しく表現したかったのです^^;
私、この映画を『ゴッド・ファーザー』を引き合いに出したら、マイケル・ダグラスがマーロン・ブランドに見えてきてしまいました。
だから、ビトー・コルレオーネみたいに、ゲッコーも孫には弱いのでした、とさ^^