どこまでだって歩いていけるさ

2012年1月22日 それまでの日記を引き連れてOCN Cafeから移住。
新しい扉の向こうには何があるのだろうか。

重要文化財の認定で思い出した「北前船主の館・右近家」

2016年10月24日 | 日記
友人から敦賀の旧大和田銀行が重要文化財になったときいて 思い出した

私が北陸から琵琶湖周辺の旅をしたのは 2010年のこと

幾つか期待していたものがある中でも一番見たかったのは 敦賀湾の海岸沿いにある「北前船主の館・右近家」の建物だった

敦賀泊の予定ではあったが翌日は早くに出発しなければならず またバスの時間などもあり 初日は敦賀の町を先に見てから行くことにした

その時にこの銀行も見たのだった


近代建築の銀行はその大きさに関係無く いかにも銀行といったたたずまいを見せてくれるが 私の中では少々面白さに欠けるものではある

私邸のような個性も 商業ビルならではの意匠も レンガ倉庫や土蔵のような生きる力強さのようなものも無く 行儀のよい優等生の顔をしている

これぞ 金融業の顔


見たかった「右近家」へは 「武生」駅から出発し「王子保」という駅を経由するバスで行く

バスの本数はとても少なく 無人駅であった「王子保」から乗ることにした私は 駅前のあまりに何も無いことに驚き 冷房も無い待合室でひたすらバスを待った

だがこの「右近家」は とても素晴らしかった

帰りのバスも相当待つことになり ほとんどこれを見るためにだけ一日を費やした感じだったが 少しも後悔は無かった

バスを待つ間 すぐ近くの町の小さな図書館でこの町の歴史を知り あとあとどこでも見かけることになったが かつては 財を成した人がどれだけ地域に貢献してきたかということもわかった

この家もいわば近江商人の商法でもあった「お助け普請」であったといわれている


先に書いた銀行が重要文化財になったことは 喜ばしい

それを否定するつもりは無いが 現在資料館となっているこの「右近家」にも是非何らかの認定をして欲しいと思う

もっとも町に寄託とあり 所有者が(それが誰かも知らないが管理者は町になっている)それを望んでいるのかどうかはまた別の話ではあるが あれほどアクセスの悪い場所にもかかわらず 私がもう一度訪ねたいと思う数少ない建物でもある

一説にはヴォーリズの設計ではないかといわれてるが それは定かでは無く 玄関や家の内部はともかく 外観に関しては少し違和感を覚える

この立地を生かし 自然を受け入れた設計は素晴らしく 海とともに生きた人がこの窓から見る風景は 時に美しく また時には畏怖も感じたことだろうと思う

江戸時代に始めた海運業から出発し 明治時代には「日本海上火災保険会社」を設立


あの頃は写真を別の場所にリンクしていたこともあったが 色気の無い日記に花を添えようと思う

選んでいたら本当にどれも好きなものばかりなので さあどうするか

明日に持ち越すかな

正面入り口 和館しか見えず 洋館は上にある

階段を上がっていくと 洋館が見えてくる

入口から階段を見下ろしたところ

下に見えるサークル状の花壇

洋館の上にある散策路

平坦な場所には休憩用の椅子も

洋館の屋根が綺麗です

海が一望できます

明日は家を中心に

コメント (6)
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