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Vol.1 特集2 テストケース設計術 虎の巻より
湯本さんは、テスト要件が決まると次にテストマトリクスを作ることを奨めています。縦軸をテスト要件にして、横軸をテストレベルやテストカテゴリにします。
記事では、横軸の階層がこのようになっています。
┌───────────────────→ │テストレベル ├─────────┬─────────→ │テストタイプ │テストタイプ ├─┬─┬─┬─┬─┼─────────→ │テ│テ│テ│テ│ │ │ス│ス│ス│ス│ │ │ト│ト│ト│ト│ │ │カ│カ│カ│カ│ │ │テ│テ│テ│テ│ │ │ゴ│ゴ│ゴ│ゴ│ │ │リ│リ│リ│リ│ │ └─┴─┴─┴─┴─┘
テストレベルの例は、単体、結合、システム
テストタイプの例は、機能、シナリオ、構成、パフォーマンス
テストカテゴリの例は、入力表示、ボタン、処理条件
となっています。
単なる用語の問題ですが、私は湯本さんがテストタイプと言っているものをテストカテゴリと言っています。テストカテゴリと言っているものをテスト項目と言っています。あ~、ややこしい。
さて、この横軸と先ほどの縦軸をぶつけると
┌────────────┬─────────────┬──────→ │ │ 単体 │ 結合 │ ├─────────────┴──────→ │ │ 機能 │ ├─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬────→ │ │入│ボ│帳│C│ロ│複│エ│排│ │ │力│タ│票│R│ジ│雑│ラ│他│ │ │表│ン│出│U│ッ│な│ー│制│ │ │示│・│力│D│ク│検│処│御│ │ │ │遷│ │ │ │索│理│ │ │ │ │移│ │ │ │ │ │ │ ├────────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │機能 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ 認証 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ─────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ ログイン画面 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ─────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ パスワード入力│ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ 業務プロセス系 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ─────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ 受注画面 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ───────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ 担当者入力 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ───────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ 顧客選択 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ───────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ ・・・・ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ─────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ 受注明細画面 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ───────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ 受注商品入力 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ───────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ 受注数 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ───────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ ・・・・ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ─────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ 受注内容確認画面 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ─────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ ・・・・ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ マスターメンテナンス系│ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ─────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ 商品メンテ画面 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ─────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ 顧客メンテ画面 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ─────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ ・・・・・ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ バッチ系 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ─────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ 受注日次帳票作成 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ─────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ 商品別受注帳票作成│ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ─────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────→ │ ・・・・・ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ├────────────┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴────→
こんな感じになります。
湯本さんは、このテストマトリクスを作ることのメリットを次のように述べています。
このようなテストマトリクスを作ることにより、テスト設計、もしくはテスト実施するのはどのくらいなのかが一目で見えるようになります。つまりテストの全体像です
確かに全体像を見ることができます。考え方はよく分かります。一覧で見られると安心感があります。しかし、エンタープライズの基幹系(数百人月)の場合は、例えば画面数だけでも200枚を超えます。このようなケースでもこのマトリクスを作るとなると、少し躊躇していまいます。ふ~む。
念のために書きますが、このテストマトリクスはテストケースではありません。このマトリクスを作成した後で、テストケースとテスト仕様書を作ることになります。
さて、湯本流テストケースの作り方は翌日に書くことにしましょう。