mickey3のパラオ便り

わたしの経験した米国研修から12年、第二の人生はJICAシニア海外ボランティア。太平洋の楽園パラオからお便り送ります。

ワンストップサービスOne Stop Service

2011-12-13 09:46:53 | わたしの経験した米国研修 それから
自動車を保有するために必要な手続きは検査、登録、保管場所証明、自動車諸税等があるが、それぞれ対象となる行政機関が異なる。これは申請者にとって大きな負担であるが、これをオンラインすなわちインターネットの力を借りて一括しておこなうことができるように国を挙げて検討中だという、自動車保有関係手続きの「ワンストップサービス」one stop serviceと呼称する。具体的には、登録は旧の運輸省支局等、今は国土交通省となる。保管場所証明は警察署、諸税は都道府県の税事務所であるが、インターネットの力を借りて国民の負担の軽減と利便性の向上を図ろうというものだ。数年前のことである。

全国あちこちの自治体で市役所の総合窓口が流行っている。これは、戸籍の届出、印鑑登録、住民票交付、保険年金、税の証明や納付などいくつかの課を回って手続きを済ませていた仕組みを止め、一括して取り組むものである。市民の視点にたった窓口業務の充実と便利で快適なサービスを提供し、住民に直結する身近な窓口を目指すもので住民は大歓迎である。

窓口を1箇所にしたものでワンストップ窓口あるいは総合窓口と称する。

近江八幡市では市民サービスの向上を目的にそれまで複数課にまたがっていた各種申請、交付証明業務を一箇所の窓口でおこなうワンストップサービスを2003年9月より開始した。市民サービスの事例であるが、利便性も向上しすこぶる評判が良い。このとき全国での先例は十ほどの自治体があったと記憶している。

コンビニは狭い商圏の便利店である。冷蔵庫代わりと言われ牛乳はもちろんジュース類やミネラルウォーター、傘から、おにぎり、お茶、乾電池や新聞・雑誌など本当に身近で便利なものが狭い空間のお店に並べられている。これは品質管理がしっかりしているからできる。そして何より顧客すなわち消費者の商品ニーズが把握されていて大きなビジネスチャンスにつながっている。

コンビニエンスストアConvenience store 直訳すると、便利なお店ということになろう。これも形を変えた顧客の視点に立った利便性の向上の結果生まれたニュービジネス、形を変えたワンストップサービスといえるのではないだろうか。

建築や土木の分野におけるコンサルタント業者は、その総合戦略にCM(Construction Manegement)から維持管理までを見据えた総合企業を模索中である。いわゆるワンストップサービスである。
施工分野における各種の会社は、元請工事の拡大のため施工、保守メンテナンス、リニューアル、ファシリティサービスなどワンストップサービスを提供することでバリューチェーンを広げ実現したいと意欲を示す。

ここグランドラピッズ市は許認可のワンストップサービスを具現化した。開発行為の許可を得るのにいくつもの関係部署を回って許可を得ることはない。その場で完結するからである。許認可を得るのに必要な関係の各部署から派遣された職員に権限が委譲されている。そしてあちこち回されることなくスピーディに許可が得られる。どのようにしてできたのか。それが私の研修目的であった。


独立記念日に見られた感激の大リーグ観戦

2011-12-13 09:40:35 | わたしの経験した米国研修 それから
大リーグ野球観戦のその日は偶然にも米国の独立記念日7月4日であった。
 
米国での研修も終わりミシガンから一路シアトルまで足を運んだ。インターネットでの購入が間に合わず、入場券は球場前のチケットブースで購入することとなった。チケットは外野の立見席からバックネット裏まで千差万別である。料金は6ドルから40ドルまであったが、一番安い6ドルで十分だったが、売り切れで結局16ドルのチケットを購入した。内野アルプス席の座席指定だった。
 
1964年の東京オリンピックの感動は日本人がこれまで味わった多くの思い出の中で特筆すべきものとして全国民間で人気が高い。沸き返るような熱気と感動的な数々の名場面は今も鮮やかによみがえってくる。オリンピックの開催そのものが敗戦からの復興を世界にアピールする証のようだった。
私には、軍隊の閲兵式だと揶揄された日本チームの入場行進に対比して、烏合の衆がぞろぞろとだらしなく貴賓席の前を通過していくアメリカチームの入場行進が印象的だった。
そんな光景を脳裏に浮かべていたこともあって、大きな国旗を持ち整然とした閲兵隊の入場行進はとても印象深い。規律と厳格さ、調和、一糸乱れぬそのさまは米国のオリンピックでのあの図抜けた実力を思い知らされる根拠となる。

開会行事は米国独立記念日のためか入場から始まった。著名な歌手による国歌斉唱につづいて3時40分に試合が始まった。相手はミネソタツインズで試合はマリナーズが押され気味で最初に得点を入れられた。その後同点に追いつき逆転した。9回には1アウトをとった後、佐々木を投入してマリナーズが逃げ切った。当時佐々木は大魔神Daimajinのニックネームで、登場を告げられると会場は大きく沸きあがった。イチローは5回廻った打席いずれも凡退だった。
 
バッターのイチローは常時出場で見られると思っていたが投手の佐々木が見られて大いに感激した。あれからもう5年以上経った。2004年のシーズンにイチローはとてつもない記録を打ち立てた。84年ぶりとなる一シーズンの安打記録を更新し大リーグの歴史を変えた。私はことのほか嬉しい。イチロー大記録達成おめでとう。


少ない議員数を補うボランティアの委員

2011-12-13 09:34:42 | わたしの経験した米国研修 それから
議会は市の最高の意思決定機関である。すべては議会での議決事項となっている。すべて議会で決めるにはあまりにも時間がない。従って、委員会が設けられている。各委員会で審議され承認されていく仕組みである。そして議会の委員会で承認されたことをそれぞれの委員長が議会で報告し、議員の賛同を得る。議会の議決を得ないで市長の権限で決める場合には専決処分と称している。どういった案件が市長の専決で処分できるのか事細かな決まりごとがある。さらに、その内容によって市長の下位の職責で決められる。これを決裁という。

さて、グランドラピッズGrand Rapids市ではどうなっているか。市議会はシティ・コミションcity commission略してCCと称する。市議会の下位に位置づけられているコミッティcommitteeあるいはボードboardと称している委員会がある。これは原則として各種のボランティアの市民によって構成されており原則無報酬である。数は全部で33ある。この機関が委員会にあたる役割を担っているように思う。
少ない市会議員の下にある各種の委員会は実質的な市の最高の意思決定権を持っている。市会議員はわずか6名、しかも半数改選であることは触れたが、市会議員が委員会に所属しているというものではない。全く別の人間が委員会の構成員となり委員会を運営していくのである。そしてその委員会は33あった。それぞれの委員は当然市民である。また、いくつもの委員会を兼ねているというものではない。詳しくは数えていないがおのおの9名で構成されていたとすると297名もの市民が行政の意思決定機関に参画しているということになる。
誰でも委員になれるのかというとそうでもないらしい。彼らDC(Development Center)の職員も居住地の市や町では各種の委員であるという事例は多かった。
少ない議員では市民の声が届かなくなるのではないかということが懸念される。そんな少ない議員を委員会が補っているのである。もっと異なる言い方をすると300名近い市民が行政をチェックし、市の行政に参画しているということになるのである。少し極端かもしれないが300名もの市会議員がいるともいえるのではないだろうか。
さらに、驚いたのは、高校生や大学生がオブザーバーとして参画しているのである。将来を展望した仕組みが粛々と実行されているのである。若者の選挙への関心が薄い、あるいは、投票率が低いのは若者の政治離れがその一因と嘆く前に対応策を考える必要がある。そんな悩みに米国がヒントをくれそうだ。


グランドラピッズGrand Rapids市の囲碁事情

2011-12-13 09:30:14 | わたしの経験した米国研修 それから
私の研修にあたっては受け入れ先のグランドラピッズ市は大変好意的であった。担当者に私の個人情報が行き渡っていた関係もあってすべてにおいて的確に対応してくれた。おかげで研修の成果は大変密度も濃く、充実したものとなった。

行く先々で絶えず訪問相手に説明させられた。ミキオは私どもの姉妹都市から研修に来ている。ワンストップパミッティングOne Stop Permittingの仕組みを学びに来ている、と。私は、その都度私自身の言葉で繰り返し繰り返し答える。ちょうどオームのように、おかげで英語は随分と上達した。

もう一つ私の事を照会した履歴書のようなものが相手に渡っていた。世話係のジェームズJamesが見せてくれてわかったものである。
私の趣味の欄に、私は囲碁Igoと書いておいた。もちろん囲碁が大好きであることもさることながら日本文化の一つの象徴である囲碁にも向うで触れたかったのである。残念ながら囲碁との出会いを期待していなかったが、思いがけずその機会が訪れた。とある本屋を訪問して偶然見つけたのである。
中心市街地からは随分と遠いが、郊外にある大型書店の中にあった。本屋Barnes&Nobleは不思議だ。本屋の中にコーヒーショップがある。そしてその一角に、というよりちょうど正面入り口から見通せる真正面の誰もが気付く場所を占めている。20㎡位の空間で、階段一段分高くなっているステージのようである。
本屋に来て本を購入した人は、あるいは飲み物等を頼んでいく人は必ず気付くようになっているのである。囲碁のあるときは、机と椅子そして碁盤がセットされる。また入り口には囲碁をしていますという案内看板が配備される。もっとも、囲碁に興味を示して覗き込んだり、話しかけたりする人はまれである。

私が訪れたのは全くの偶然だった。広大な駐車場があった。ちょうど囲碁教室の開催日であったようである。四名ほどが楽しんでいた。ほとんどが級位者である。私が二度目に訪れた時対局した人は弐段であった。私は初段ということで対局した。彼は、中国からやってきて大学の教官としてここグランドラピッズ市に住んでいる。
人口二十万人の米国の都市にもあったということが驚きでもあり嬉しさでもある。そして東洋文化との遭遇、すべてが想定外の出来事だった。そして嬉しい限りだった。

その後わたしは何度か時間を割いては通うことになったが、ちと遅きに失した。もう帰国の日が近づいていたのである。次回行くときには是非訪問したい。また宿題が残った。


通年議会

2011-12-13 09:24:55 | わたしの経験した米国研修 それから
一般に日本では本会議というのがある。定期的に年に四回行われるもので、六月、九月、十二月、三月である。そして近江八幡市にあっては四月のいわゆる年度始めにおこなわれる臨時議会がある。委員会の構成と議長、副議長の選任等が主なものである。四年毎の市議会議員選挙後に行われる臨時議会は議員の顔ぶれも新たでまた格別である。そのほかに突発的におこなわれる臨時議会もあるがごくまれである。
そして定期的におこなわれる定例議会の日程はその都度決められるが概ね開会日に始まり、本会議での質疑応答、各種委員会での協議、そして最終閉会日まではほぼ2週間内外で組まれる。

一年中開会する通年議会を検討している自治体があるという。白馬村村議会である。審議が継続される。実際常任委員会にしても特別委員会にしても閉会中の継続審査をしており、通年議会のようなものである。継続審査は手続きを踏まなければならない、それならいっそのこと、一年中開会する「通年議会」にしたらどうかという提案である。議題には切れ目はないのである。
そして賛成論反対論が列挙されていた。賛成論は、突発的に審議が必要な問題が出てきたときにもすぐに対応できる。反対意見は、緊張感がなくなるといけない。執行部による専決処分はなくなる。そして、通年議会を村民がどのように受け止めるかわからない。という内容のものであった。

さて、私が滞在したグランドラピッズGrand Rapids市では通年議会という概念すらないのである。毎週開かれる議会は、さも旧来からのようである。毎週火曜日の午後に開かれる。議場の入口におかれた議会のレジメを手に誰もが参加できるそんな議会であった。そして意見を言う。傍聴ではなく議会に参画しているのである。
平日では仕事等があって市民が参加して、意見がいえないからと最近には夕方に開かれるようになった。そんなことが大変目新しい議会の改革であった。市民ニーズに呼応して夕方七時から開かれる日がきめられたのである。
当然、毎週というとバカンスと称する長期休暇もきちんと取得する国民性と出張などがあって欠席する議員も出るだろう。議員は少ないのである。特に議長が欠席しようものなら顰蹙(ヒンシュク)この上ないというのが日本の文化だろう。 
私は、偶然にもグランドラピッズ市滞在中に議長が欠席した議会の翌週の議会に参加した。いつもより大勢の参加者で議場はあふれんばかりだった。3対3で持ち越され、議長の採決で賛成多数となり可決された案件があった。大変緊張感のある議会が印象深かった。