インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

アルフィーの福井ライヴを改めて振り返って(1)

2016-12-19 15:42:28 | 私の作品(短編・エッセイ)
年内にデータ送信しなければならない原稿を片付けてひと息。ネットの接続状況が芳しくない中、11月13日の福井フェニックスプラザにおけるアルコン(アルフィーコンサート)関連写真もなかなかアップできないが、今これはワードに下書き保存する形で書いている。つながったとき、コピーペーストでアップするブログ記事だ。

さて、すでにコンサートの初印象は簡略ながら福井から送ったのだが、すでにひと月以上がたって記憶もやや不鮮明になりつつあるので、薄れる前に今一度丹念に振り返ってみたい。
会場は福井市田原町にあるフェニックスプラザ、二年前にもアルフィーがコンサートを催し大盛況だったという場所で、チケットの購入代理を頼んだ旧友に車で連れて行ってもらったのだが、なかなか立派な威容の四階建ての建物であった(開場時刻午後四時半より一時間半前に着いてしまったが、周辺の撮影や物販店での購入などで待ち時間が少しも長く感ぜられなかった)。

ベージュの外壁の中央はガラス張り仕様になっており、モダン、前庭には「リズムの広場」と銘打たれた児童鼓笛隊の銅像があって、少し離れた奥の横手にも中国杭州市との友好記念の鳳凰をかたどった銅像があった。すでにコンサート目当ての客がちらほら広場に群れだしていた。赤に金字でフェニックスプラザと銘打たれた正面玄関を潜ると、中は広々とした吹き抜けになっており、天井からプラネットや雪の結晶、花・鳥のデザインの四枚の細長い布が垂れていた。ホールは既に、アルフィーファンと思われる少なくない男女で賑わっていた。グッズ販売目当ての行列が既にできていたが、ツアートラックを撮影していなかったことにはたと気づいて、あわててまた外に出て、敷地の脇にあった駐車場に向かった。

あった、あった、銀色と黒と緑の十輪、三台、車体には雲の浮かんだ薄青い空をバックにBEST HIT ALFEE 2016と白抜きの横文字、脇に赤地に白抜きで斜めに「秋フェス」とあり、アルフィーの三メンバーの似顔絵キャラクター、左から桜井賢のサングラスをかけてベースを抱えたひげ面の赤耳・白毛の招き猫、次に眼鏡をかけてアコギを持った坂崎幸之助、一番右がリーダーの高見沢俊彦で、王冠をかぶってエレキ(フライングV)を抱えた白い招き猫だった。

それぞれ首輪の真ん中に提げた小判に、桜、坂、高と名札がかかり、右手でギターを持って、左手を頭上に掲げ手招きしている。
私は猫派で(ホテル繁盛にあやかって何匹もの猫を飼ってもいる)、招き猫も大好きなため、縁起のいいキャラに大喜び。ファンが何名か既に群がって写真を撮っているのに混じって、私も嬉々と撮影した。

銀と黒のトラックの間に石川ナンバーの車がはさまっていたが、関係者の乗ってきた車だったろうか。お三人さんが乗られるにしては、普通の車で、石川ナンバーなので、首をかしげた。石川県の小松空港に着いてレンタカーで来たとも考えられる。
ツアートラックは会場によっては見つからなくて撮れないこともあるらしいので、うまいことキャッチできてラッキーだった。二年前この同じフェニックスプラザの駐車場で撮影したツアートラックをネットにアップしていたファンがいたので、撮れるはずだと信じて疑わなかったが、期待は裏切られなかった。

ほくほくして中に戻ると、列がかなり長く伸びていたので、ざっと周辺を撮影した後、並んだ。顔ぶれは四十代中心、女性の比率が多いが男性も思ったより多く、夫婦ものもちらほら。子連れは六歳くらいの少女が一人、お客さんは地元中心だから、黒っぽい防寒着に身を包んだ野暮臭い男女が多い(よきに言えば、地味でまじめなファンが多い。アルフィーがある意味ダサいグループなので、ファンもそれを反映しているといえる。かくいう私自身も土臭い田舎っぺ、だから不器用で真摯な高見沢さん率いるこのバンドが大好きである)。自分のことを棚に上げてなんだが、おしゃれな都会風ファッションは見当たらない。
ちなみに、私はこの日のために気張ってきて、紫色のカーディガンにエスニック模様の白いパンツ、ジャケットも紫だった。パンフレット(3000円)と、「碧空の記憶」と銘打たれた雲の浮いた碧空に虹の絵の鮮やかなパッケージのショコラパイ(1000円)を買って、開場前にトイレに行っておこうと駆け込むと、地元の女性から声をかけられ、アルフィーのコンサートに参加できる特権をうらやましがられた。

四時半開場、チケットを手にいそいそと列に並ぶ。中に入り、シートナンバーを確かめつつ着席。前から14列目だったが、2000名収容の会場なので近く感ぜられ、わくわくした。武道館でいえば、アリーナだ、わーい、ラッキー!
しかし、椅子はお粗末で、座り心地は決してよくない。ふと、10月末に行った大津のびわ湖ホールを思い出した。京都・奈良・大阪観光ついでに京都から電車で十分の大津も周遊、ついでにチケットの取れなかったびわ湖ホール、湖に面した風光明媚かつ超モダンなホールを見学してきたのである(この美しい会場でのコンサートは11月5日の土曜に行われたが、ネットでの販売開始と同時に友人にトライしてもらったものの、秒速完売で入手不可だった。土曜だったし、京阪方面からのファンもどっと詰め掛けたせいだと思う。びわ湖に臨む美しくモダンなホールというのも、人気の一因だったかしれない。もし、ここが初のアルコンデビューになっていたら、印象はだいぶ違っていたはずだ)。座り心地が悪いといっても、まあ、コンサートが始まったら、どうせ立ちっぱなしだろう。背後を振り返ると、二階席の最後の二、三列は空きが目立った。日曜ということもあるのだろう。二年前満席で盛況を博したのは土曜だったせいに違いない。日曜だと、県外からの参加者は格段に減るだろう。

グッズがかさばるので、いったん外に出て、再度物販店でお三方の招き猫似顔絵入り紺の布バッグを収納用に購入、ついでに、やはり招き猫キャラの載ったギターピック500円も買い求め、全部、大きな袋に納めて戻った。ハードカバー装丁の高見沢さん原作の漫画の掲載されたパンフレットをぱらぱらやるうちに、周囲から手拍子が上がりはじめ、急いで私もフォロー、開幕とともにお三方が登場した。

オープニングソングが始まると共に、いっせいに観客が立ち上がり、右手を宙に掲げて熱狂的に応えだした。私もヨガで傷めた右肩でなく、左腕をあげて応えた。一部で印象に残った曲は、高見沢さんソロの「終わりなきメッセージ」と、坂崎・桜井さんの「Girl」、桜井さんのおなじみのヒット曲「メリーアン」、ラストの「君に逢ったのはいつだろう」。とくに最後の曲は生でやってくれるとはまったく期待していなかったので、胸が震えるほど感激した。その前にNHKのラジオFM「終わらない夢」で二度聞いていたが(本放送と再放送)、ライヴで聞けるとは予想だにしなかったのである。
高見沢さんはおなじみフェミニンスタイル、ウエーブがかった栗色の長髪、サングラスをはずした顔を少し苦しそうにゆがめて情感のこもった歌いっぷり、スリムな肢体を目の覚めるようなターコイズブルー地に白い鶴が全体に舞う華麗なロングコートに包み、左肩から提げたエンジェルギターの天使の羽が最新鋭のドットライトによる満点の星空を背景に、LEDライト点灯によって赤と青と緑に縁取られる神秘さ(後刻、これが噂の600万円のUltimate Angelと判明)、感動のあまり胸が詰まって、この一曲だけで充分来た甲斐があったと思った。

ふとネットで誰か(男性)が、コンサートで初めて高見沢さんを見て哀しそうだったと書いていたのを思い出し、改めて反芻してみると、彫りの深い美顔が苦しげにゆがんでいたことを思い起こし、孤高のアーティストというイメージに重なった。華やかな世界に生きているだけに、ステージを降りて独りに戻ったときのギャップが大きく、孤独感は並みのものでないと推測した。みな、人は孤独なのだけど、こういう虚業に生きている人の孤独感はひときわ深いと思った。昇り詰めた者の孤独、成功者の孤独である。頂点に立ってしまうと、周りには誰もいない、改めてはっと独りっきりだと気づいて、寂しさを覚える。「道化師の楽屋裏」というエッセイを書いていたのは、なかにし礼。ジュリーも、所詮見世物商売ですからと、言っていたっけ。舞台の上で道化師(MCでは笑わせることも役目、長い巻き毛も派手な衣装も客を意識しての見世物)を演じ、独りになると悲愁に包まれる。ただ、悪い意味ではない、大物ミュージシャンにのし上がったことで代償を払った底なしの孤独だ。孤愁の漂う高見沢さんの苦しげな美顔は素敵だった。

さて、歌の途中の坂崎さんのMCで初めての人はと訊かれ、威勢よく手を挙げた私だったが、見回すと、数えるばかりの少なさで、大多数が再訪者か常連、どおりでコンサート流儀に通じているわけだと納得。私の右隣三席は空席で拳を突き上げたり体をゆすったりするに充分な空間があり、重宝したが、周りの客はみな手拍子とか、右腕の突き上げとかアンコールコールコールまで、物慣れていた。私はおなじみの曲が披露されると、一緒に口ずさんでいたのだけど、少なくとも私の周りで合唱している人は一人もいなかった。

一部が終わって休憩時間にトイレに行こうとしたら、アンコールコールが突如起こってびっくり。えーっ、これでもう終わりなの。だったら、トイレに行けない、我慢して見なきゃ。
しかし、幕は上がらず、おかしいなと思いつつ、とりあえずトイレに立って大急ぎで戻ったら、二部が始まっていた。普通、アンコールというのは一番最後にやるものじゃないだろうか。混乱と困惑のビギナーの私であった(後刻、三十年来のアルフィーファン、Yさんに確かめたところ、一部が本編、二部以下は、アンコールになるとのこと、2の末尾にセットリストを付けたので、ご確認いただきたい)。
2に続く
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