佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

諌干 開門不履行 謝罪無し!

2013-12-21 | 有明海・諫早干拓

 

今朝の新聞一面、大見出しの記事です。

昨日、2013年12月20日は、それほど歴史的な日でした。

 

ギロチンと呼ばれた諫早湾潮受け堤防の排水門が閉じられて以降、

漁業不振に苦しんでいた漁民と、市民、弁護団によるの粘り強い裁判闘争の末、

やっと勝ち取った開門命令が確定したのが3年前。

 

開門命令を受け入れた国は、その実現に3年の準備期間が必要だとして、

福岡高裁が示したタイムリミットが昨日でした。

海苔の不作、タイラギの不漁、追いつめられていた漁民にとっては、

どんなに長い3年だったことでしょう。

その待ち焦がれた日は、何事もなく、門は閉じられたまま過ぎてしまいました。

 

あまりにもひどい。

国が確定判決を守らないという前代未聞の事態に、

今日、漁民と弁護団を中心に、抗議集会が諫早市で開かれました。

はじめにマイクを持った馬奈木弁護団長は、強い口調で農水省官僚を追及しました。

なぜ林農水大臣はここに出てこないのか?

なぜ開門できなかったのか、その理由は何か?

これからどうしようと考えているのか?

開門するのか、しないのか?

大臣の代わりに出席した吉村馨九州農政局長や農水省の瀧戸淑章農地資源課長ら

農水省官僚は、神妙に聴きながらも、一切謝罪はなく

開門を禁じた11月の長崎地裁の仮処分決定を楯に、

開門するともしないとも言えない」と繰り返すばかりでした。

 

佐賀県太良町のタイラギ漁師、Hさんは「悔しくてたまらない。憤りはこれ以上ないくらいだ。

私たちは国に騙され、欺かれ、失望感でいっぱいだ。しかし、海が元気になる可能性がある

かぎり、これからも開門を求めていきたい」と述べ、会場は大きな拍手に包まれました。

 

今日、この集会に参加してわかったことが3つあります。

 

1.国は2010年の確定判決の主文(開門命令)は受け入れたが、

  判決内容(諫早湾干拓事業による漁業被害や、有明海への影響)は認めていなかった。

 

2.だから、地元の合意が得られないことを口実に、開門へ向けた準備をさぼってきた。

 

3.2010年福岡高裁判決(開門確定)と2013年長崎地裁判決(開門阻止仮処分)は

  矛盾するものではない

 

特に3については、理解できない方が多いと思いますので、詳しく説明しますと、

 

長崎地裁が、開門阻止の仮処分判決を示したのは、開門による被害が予測できるから。

今のままでは農業用水の確保ができないとか、塩害や防災問題など。

しかし、これらの問題を解決できる方法はある。

その準備のために3年間の時間を下さいと国は言ったのだ。

しかし、実際には国は何もせず、無為無策で時間を浪費した。

その結果、今の状態で開門しては農業に被害が起きることが予測されるので、

長崎地裁は待ったをかけた、というだけのこと。

国がちゃんと確定判決を守る意思を固め、本気で、

農業被害が起きないような対策を施せば、解決する問題なのです。

少しも矛盾しないのです。

 

そういうことを、私も今日初めて知りました。

テレビニュースなどを見ているかぎり、

司法が相反する2つの判決を示した結果、

国は板挟みで、どうしようもない事態に陥っている、

解決方法はあるんだろうか?

司法の一貫性の無さが原因で、国はまるでその被害者であるかのような、

そんな印象を受けている人は多いのではないかな~

 

しかし、よくよく意識を持って見ていると、そうではないことが、

新聞にもたまに書かれている。

今日見つけたのですが、朝日新聞11月26日にこんな記事が…

(記者有論)諫早開門と司法 ねじれているのは国だ 岡田将平

2013年11月26日05時00分

国は、確定判決が認定した漁業被害を今も認めていない。だから、長崎地裁での仮処分の審理でも、漁業被害を軽減するために開門が必要だ、とは主張しなかった。そのため、地裁は今回、漁業被害は「考慮できない」とし、開門による農業被害を認めて、差し止めを命じた。

 ルールだから、確定判決には従う。だが、自ら進めた大型公共事業に問題があったとは認めたくない――。国の姿勢にはそんな本音が透けて見える。矛盾する司法判断は、国の一貫性を欠いた態度がもたらした結果だ。

 

漁民と農民、同じ国民を対立させ、両者に経済的被害と心の傷を負わせ…

それで公共事業と言えるのでしょうか?

そんな公共事業は、まっぴらゴメンです。

そして、一番被害を受けているのは、有明の海。

今日の長崎新聞『水や空』には、こう書かれています。

 

太古の昔から恵みを与え続けてくれたわれらの海の苦境を見ながら放置して、

無駄に時を過ごしているのが人間である。恩知らずとは、このことだ。

▲人間にひどい仕打ちを受けた自然は黙って去ってはくれない。必ず、しっぺ

返しが来る。そこで後悔しても、時すでに遅しである。

 

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二つの裁判所の判断は (大島弘三)
2013-12-29 22:02:13
3年前福岡高裁が5年間の開門を決めた。3年後の今年長崎地裁は開門したら干拓地の畑に被害が出る、と反対した。
その結論になる理由が地裁の判決文に書いてあります。
「今開けたら海水が入り、準備工事が出来ていないので被害が出る。農業用水の準備も出来ていない。有明海の漁業被害が出ているのか、国は証拠を出さなかったので判断出来ない。」
準備工事をしなかったのは誰でしょうか。地元の住民を煽って工事の反対をし、話し合いにも応じないと駄々をこねているのは誰でしょうか。
すべて、農水省と長崎県知事の談合による芝居です。
干拓工事がムダだったと証明されるのがイヤなのです。
開門に反対している人は、工事によってなんらかの恩恵を受けているのだと思います。

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