偽装の彼らの

偽装の彼らの

しなやかな太い

2017-07-12 10:43:28 | 日記


 のおこなった同様の読書や調査が、擬似記憶の恐ろしい構造すべての源泉になっているのだという、心慰む確信をもつことができた。
 わたしが夢に見たのは、明らかに、古生代から中生代に移ろうとする、一億五千万年まえよりやや新しい時代だった。〈大いなる種族〉が占有していた体は、地球上の進化の系統樹に残っているものではないし、科学上も知られてはいないが、動物よりは植物の段階に近い、同質の組織が高度に分化した特異な有機体だった。
 細胞活動は特異なもので、疲労するということがほとんどなく、睡眠する必要はまったくなかった。肢《リム》の一本についている、漏斗《じょうご》形の赤い付属器官で同化される滋養物は、多くの点で、現存するどんな生物の食物からもかけ離れた、半流動体のものに限られていた。
〈大いなる種族〉はわれわれが知覚する感覚のうち、二つだけ――視覚と聴覚――をもっていた。頭部の上にある灰色の肉茎についた花のような付属器官で、音を聴くことができる。しかし、その体に宿る異質な捕われの精神にはうまく利用することのできない、不可解な感覚を多数備えていた。三つの眼は、普通以上に広い視野が得られるように位置していた。血液は、いわば、深緑色をしたきわめて濃密な膿漿《のうしょう》だった。
 性行為はしなかったが、基部で房をなし、水中でのみ成長できる、種子とも胞子ともつかないもので繁殖した。巨大な浅い水槽が、仔《こ》の成育のために使われた。しかし、きわめて長命なため――平均寿命は四千年ないし五千年だった――仔はごくわずかしか育てなかった。
 著しい欠陥のあるものは、欠陥のあることが知られるや、速やかに処分された。病気や死期のせまっていることは、触覚や肉体の苦痛がないため、純粋に視覚的な徴候によって気づかれた。
 死んだものは、荘重な儀式のもとに火葬にされた。先に記したように、ときとして、鋭敏な精神を未来へ投影して死を免れるものもいたが、そんな例は少なかった。それが稀におこると、未来から転移された捕われの精神は、馴染のない肉体が死ぬまで、ごく丁重にあつかわれた。
〈大いなる種族〉は四つの明確な部族にわかれているとはいえ、主要な制度を等しくする、寛闊《かんかつ》に結びつく単一の国家もしくは同盟を形成していたらしい。各部族の政治及び経済体制は、主要物資が合理的に配分される一種の全体主義的な社会主義で、その権威は、特定の教育及び心理の試験に合格したもの全員が投票して選ぶ、小規模の統治委員会に委任されていた。家族構成は強調されすぎることはないものの、血統を同じくするものの繋りは認められ、通常、仔は親によって育てられた。
 人間の慣習や態度との類似点は、もちろ

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« まもなくウィル | トップ |   
最近の画像もっと見る

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。