リトル・トーキョー。
リトルとはいえ東京はないだろうというほど、そこは寂しげな雰囲気が漂う地域だ。
行ったことのある人なら分かるかもしれない。わたしはここに来るたびに哀愁を感じてしまう。アメリカらしい派手な広告や賑やかなお店もなく、ひと気もなく、地味な建物やお店が並ぶ街。日本語の看板などが立ち並んではいるものの、ホッとするというよりは何だかここに住んでいる人たちはどんな事を思いながらこの町で生きているんだろうか、というようなことを考え込んでしまうのだ。
今からもう十年ほど前のお正月にここを訪れた時、ひと気が全くなくなったこの町で、由紀さおりと安田祥子のリサイタルのチラシが、閉まった店のウィンドウにはためいているのを見た時に感じた強烈な哀愁と切なさを今でも忘れない。
そんなリトル・トーキョーを歩いていると、「KOBAN(交番)」の文字が目に入った。
交番というからには、この町でホテル求めてさまようわたしを助けてくれるだろう。
中に入ってみると、パンフレットや雑誌らしきものがたくさんテーブルの上に並べられている。カウンターの向こうには日本人のお兄さんがいる。いや、ここはリトル・トーキョーで移民の街であるから日系人なのかもしれない。
「すみませ〜ん、こんにちは」
と言ってわたしが入っていくと、彼はニコリとしてこちらへ来てくれた。彼が話すのは日本語。ここはリトル・トーキョーの観光案内所のようなものだろう。ガイドによれば交番は、この地域の独自の治安管理も行っているらしい。
日本語が通じるので、気軽にアレコレと質問することができる。
わたしはとりあえず、このリトル東京で安いホテルを紹介してもらうことにした。
お兄さんはファイルにはさまれたさまざまな宿のチラシをめくり、リトルトーキョーホテルという安宿を紹介してくれた。一泊40ドル。ここらでは一番安いようだ。中身より値段なので、そこにしますというと、お兄さんは早速ホテルに電話を入れておいてくれた。何て有難いサービス。ありがとう親切な日本の青年よ。生真面目で働き者の日本人よ。サービスを面倒を思わない日本の労働者、万歳!(心から)
日本食禁断症状が進んでいるわたしは、ついでにお兄さんにこの辺りで美味しい日本食のお店を聞いてみた。ホテルのすぐ近くにある定食屋がおいしいらしい。
うふふ、楽しみ〜。
この交番には日本の新聞も置いてある。定期的に新しい新聞が入ってくるらしく、何曜日には新しいのが入るから、取りに来ていいよとお兄さんが言う。
交番から出るとわたしはまず、リトルトーキョーホテルへと向かった。
ここ九日間でナンバーワンの安さを誇るホテルはどんなもんかと思って、お兄さんが印をうってくれた交番の手作り地図を持って歩いていくと、おお、ここ、ここ。ここがそのリトルトーキョーホテ…うわぁあああ。

すごいなぁ、何か。そうか、これが一番安いホテルか。雰囲気が出てるなぁ。
何というか、この場末っぽさ…でもちょっと楽しみだったりして。
ペンキでごてごてしていており、歩くたびペタッペタッと音を立てるような階段を上がっていくと、昔の町医者の受付みたいなフロントがあった。その小部屋の扉が開いていて、中にはやっぱりお医者さんみたいなデスクとその前に座る、何だかちょっと変わったファッションセンスの女性(年齢不詳)が。
部屋に中に招き入れられ、そのお姉さん(年齢不詳の為、仮)の前の丸イスに座ると、やっぱり病院で診療でも受けているような気分だ。
お姉さん(仮)に話を聞いてみると、ここはおもに長期滞在者が泊まるホテルであるらしく、トイレとお風呂は共同。ランドリールーム、キッチン有。部屋数も少なく40室はなさそうだ。
長期滞在者というか、馴染みすぎてそこに住んでいるとしか思えないおじちゃんおばちゃんたちがキッチンで料理しながら話していたり、廊下をムームーを来たおばちゃんがドスドス歩いているところを見ると、とてもホテルっぽさは感じられない。アパートか寮のようでもある。滞在している人はほとんど日本人のようである。何というか、このホテルの中でいろんな人たちが暮らしているという息吹をありありと感じられる人情ホテルのようなところである。
診療所のようなフロントでお姉さん(仮)と少し話しているだけでも、ホテルの外から突然中東系の風貌の青年が入ってきて「○○ちゃんいる? ねぇいるでしょ?」などと尋ねてくる。フロントのお姉さんがうざったそうに、いないと冷たく追っ払う。このホテルに滞在している女の子にちょっかいを出している、ちょっと厄介者の青年とみた。
フロントで部屋の鍵の保証金として5ドル払うと、部屋に行く。
部屋の中を見たとたん、なるほどこれは40ドルの部屋だなぁと納得した。
薄っぺらいベニヤ板でできているんじゃないかと思うようなベッド、カバーはしんみりとした薄い水色の花模様の、ガーゼ地のようなシーツ。同じくベニヤっぽく、ちょっとでもけつまずいたらバリッといって穴が空いてしまいそうなサイドテーブル。その上に載っている丸い小さなランプも、そこらの激安ショップで見つけてきたかのようなものだ。一応書き物机がある。テレビはない。天井からは甘ったるいバニラの匂いの、ツリー型の芳香剤がぶら下がっている。
部屋全体が安っぽいものの、それはそれでまた面白い。
部屋にテレビがないのが唯一困るといえば困るが、今までとはまた全然別の表情を持つホテルに泊まることができるということがわたしには嬉しかった。
とりあえず荷物置いてそこに落ち着く。
駅に着いたばかりの時は疲れたから一刻も早く休みたいわと思っていても、こうしてホテルも決まって部屋に一旦落ち着いてしまうと、疲れが吹き飛び、今度はお腹がすいてくる。そこで、交番のお兄さんが紹介してくれた定食屋「すえひろ」に行ってみることにした。
ようやく日本食らしい日本食が食べられるとあって、足取りも軽かった。










部屋の写真も見たいわー。是非アップヨロスク!
「リトル東京ホテル」はmichaelちゃん的にはお気に召したようでいろんな意味で○かな?私の場合は度胸もないので、何か不具合が起きるのでは無いかとびびっちゃうかも(笑)
「すえひろ」でどんな日本食にありつけるのか楽しみにしてます〜。
リトル東京ホテルの部屋の写真、あるんだけどご本人がしっかり写り込んでいるので恥ずかすぃです。0932ちゃんに直接お送りいたします。お待ちあれ!
リトル東京ホテルのようなホテルも面白いよ!周りは日本語話せる人も多いし、ちーちゃん一人でもきっと泊まれる!しかしテレビがないので夜することがないです。それが辛いといえば辛いです
そこに泊まっている人たちも....何もかも独特の雰囲気があるようで行って話してみたくなってしまいます。
「すえひろ」でマイケルさんは何を食べたのかなぁ?
たびっとは向こうでよく「すき焼き」や「鯖定食」をたべますぅ(^-^ゞ
でも要注意! とんでもなく厚い肉が入っていたり、でっかい鯖が半分もってことも(笑)
この前行ったサンフランシスコでは初めて「ジャパンタウン」に行ってきました。
そこにあった陶器屋でいい色の器が安かったのですが『何でアメリカで和陶器を』と、ちょっと悔しく買わなかったのですが現在ちょっとだけ後悔中です(^-^ゞ
「すき焼き」「さば定」いいですねぇ〜。でっかい鯖半分ってとこがまた、アメリカらしいというか
旅先で見つけた欲しいものって、買わないと後悔するんですよね…わたしも幾度となくあります。思い出すだけで「なんであの時」って後悔が押し寄せる〜