「遠い山から吹いてくる、小寒い風に揺れながら、気高く清くにおう花、
きれいな野菊薄紫よ」野辺の薄紫の野菊は、一番秋を感じる花です。
西湖いやしの里根場で様々な秋の花に出会いました。
桑、薊、紫式部、秋の花には紫色が多いような。
でも、色鮮やかなコスモスも。ダリアやアスタチウムなど夏の花も
まだ咲いていました。
純白の秀明菊が澄み渡った秋の野辺で揺れていました。
枕草子にも出てくる女郎花や薄も夕日に輝いていました。清少納言は
「秋の野のおしなべたるをかしさは、薄にこそあれ」と言い、次に秋の
花がすっかり散り、さらに冬の終わりになり、頭が真っ白になってい
るのも知らず、風に揺られて立っている、人間と同じだ、なんて言って
殊の外薄に肩入れしています。もののあはれですねえ。
山は暮れて野は黄昏の薄かな 与謝蕪村