超小型ドローンで偵察飛行へ 1000機予定
2017年1月10日 15:37
【ワシントン会川晴之】米国防総省は9日、全長約16センチの超小型ドローン(無人機)を開発し、103機で編隊飛行する実験に成功したと発表した。低空での偵察飛行などに投入する計画で、カーター国防長官は「敵に一歩先んじる最先端の技術革新だ」と高く評価した。今年中に1000機を製造し、次世代機の開発にも取り組む予定だ。
実験は昨年10月、カリフォルニア州で実施された。3機のFA18戦闘攻撃機が103機のドローンを投下、ドローンが編隊を組み飛行することに成功した。
人工知能(AI)などを活用した新型ハイテク兵器を開発するため2012年に発足した戦略能力研究室(SCO)と空軍が、マサチューセッツ工科大学が13年に開発したドローンをもとに共同開発した。全長約16センチ、翼幅約30センチ、重量は290グラムで、最高速度は時速111キロに達する。航空機から投下するだけではなく、海上艦船や地上からの離陸も可能という。
オペレーターが指示した目的地に向け飛行するが、経路はドローン自身が最適の解答を見つけて判断する。またドローン同士が相互に連絡を取り合う能力もあり、編隊飛行ができる。
【ことば】ドローン
無線などの遠隔操作で飛ぶ小型無人機の通称。米軍が冷戦終了後に安価な軍事手段として開発を強化し、現在は農業や測量、警備など民間の幅広い分野でも活用が進む。「drone(ドローン)」は英語で雄のハチや、ハチが「ブーン」と鳴らす羽音を意味する。
(毎日新聞)