箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

1学期の終わりにあたって

2017年07月20日 12時07分42秒 | 教育・子育てあれこれ



本日1学期終業式を迎えました。

1限の授業のあと、2限は大掃除。
ふだんはなかなか行き届かないところを掃除しました。

また、教室の床を必要に応じて、ワックスがけもしました。

その後、体育館で終業式をしました。






1学期の締めくくりとして、次の話を全校生徒にしました。

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「人の生き方に目をむける」

「宇宙から見る地球には、どこにも線はひっぱっていない。ぼくの子ども、孫の時代には国境はなくなっているかなと、しみじみ思います。」

この言葉は日本人で初めて宇宙に飛んだ、秋山豊寛さんがいったもので す。1990年の頃です。彼はもとTBSのディレクターでした。

宇宙から 美しい 地球を眺めて、このように言ったのでした。 実際にはどこにも引かれていない国境線をめぐって、地球上ではこれまで 数々の戦争や争いが行われてきました。

さて、みなさんは夏休みに平和作文を書きます。そのときに、このような 作文を書いても、私たちの平和の願いは本当に届くのだろうか、と思うこと があるかもしれません。

なぜなら、世界各地では戦争や紛争が今も起きています。近くの国ではミ サイルを何度も発射しています。テロを起こす 民族もあるからです。

世界的に見ても、平和とはかけ離れた争いやいさかいがある、とんでもな い国があるじゃないかと思ってしまいます。

しかし、私は、みなさんに言いたいのです。国 や民族は人ではありません。逆に人は国や民族に属するかもしれませんが、 人は国や民族を代表するものではありません。

国際情勢が悪くなるとすぐに、どこどこの国とかなになにの民族ってけし からん。このように排除して いきます。

そこで、私は国や民族で見るのではなく、「人の生き方」に目を向けるべ きだと思います。一つの国、一つの民族にも多様なさまざまな人がいます。

まじめに、一生懸命生活している人がいます。ほかの人のしあわせを願って 生きている人はたくさんいます。どこどこの国だからとかなになにの民族だ からという見方をするのは、偏見を生みます。排除を生みます。

このように して、人と人のつながりが途切れてしまうのです。

みなさんの学校生活も考えてください。 私たちはすぐ人をグループ にあて はめて考えます。

たとえば、女性というグループ、男 性というグループに 分 け、それにあてはまらないような人は、理解できない人、あるいは、からか いの対象にしがちです。そして 、排除してしまいます。

また、生徒はみんな誰かといつもいっしょにいて、いっしょに行動するの が当たり前。友だちと話さず読書をしたり、一人でいる人を、変わった人と 見てしまうことがあります。

しかし、人間の価値はそんなことでは決まらないのです。その人が一生懸 命生きていてほかの友だちのしあわせを願って生きている人であるなら、ど のような人でも同等に尊重される価値があります。

「あの空」に出てくる、私がいちばん心を打たれるフレーズがあります。

「あんな雲はなければいい。何気なく言ったきみのひとことで、傷ついてい る誰かがいる 教室の片隅で」

1学期をふりかえって私からみなさんに伝えたいこと。 それは、他者の生き方に目をむけ、心の傷つきに対して、敏感に思いを馳せる人になってくださ い、ということです。

どうかみなさん、1学期の締めくくりとして、「あの空」をしっかりと全校合唱してください。

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このあと、全校生徒で「あの空」を合唱しました。
「あの空」をクリックしてください。動画を見ることができます。



最後に給食委員会からの報告がありました。

なかでも、提起した給食の食べ残しの問題は、全校生徒が真剣に考えるべき課題です。

一方で、よく食べた2クラスが、学年ごとに表彰されました。