三河湾流域圏を学ぶ

 三河湾流域圏を学んでいきます。
 

豊かな海の保全・再生

2017-05-06 11:10:00 | 人々の行動 AE
 我が国の環境の保全(豊かな海の保全)の基本理念(ビジョン)は、「環境の保全(豊かな海の保全)は、環境を健全で恵み豊かなものとして維持することが人間の健康で文化的な生活に欠くことのできないものであること及び生態系が微妙な均衡を保つことによって成り立っており 人類の存続の基盤である限りある環境が、人間の活動による環境への負荷によって損なわれるおそれが生じてきていることにかんがみ、現在及び将来の世代の人間が健全で恵み豊かな環境(豊かな海)の恵沢を享受するとともに人類の存続の基盤である環境が将来にわたって維持されるように適切に行われなければならない。」、「環境の保全(豊かな海の保全)は、社会経済活動その他の活動による環境への負荷をできる限り低減することその他の環境の保全に関する行動がすべての者の公平な役割分担の下に自主的かつ積極的に行われるようになることによって、健全で恵み豊かな環境(豊かな海)を維持しつつ、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会が構築されることを旨とし、及び科学的知見の充実の下に環境の保全(豊かな海の保全)上の支障が未然に防がれることを旨として、行われなければならない。」、「地球環境保全(豊かな海保全)が人類共通の課題であるとともに国民の健康で文化的な生活を将来にわたって確保する上での課題であること及び我が国の経済社会が国際的な密接な相互依存関係の中で営まれていることにかんがみ、地球環境保全(豊かな海保全)は、我が国の能力を生かして、及び国際社会において我が国の占める地位に応じて、国際的協調の下に積極的に推進されなければならない。」となっています。

 人類存続に不可欠な生物資源の損失への危機感から生物全般の保全に関する国際的包括的な枠組みを設けるための生物多様性条約第6条により、締約国は、生物の多様性の保全および持続可能な利用を目的とする国家戦略を作成し、「地球上の生物の多様性の保全」、「生物多様性の構成要素の持続可能な利用」、「遺伝資源の利用から生ずる利益の公正で衡平な配分」が行われています。
 生物多様性基本法での生物の多様性の保全および持続可能な利用についての基本原則 第3条では、
「1 生物の多様性の保全は、健全で恵み豊かな自然の維持が生物の多様性の保全に欠くことのできないものであることにかんがみ、野生生物の種の保存等が図られるとともに、多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて保全されることを旨として行われなければならない。」、
「2 生物の多様性の利用は、社会経済活動の変化に伴い生物の多様性が損なわれてきたこと及び自然資源の利用により国内外の生物の多様性に影響を及ぼすおそれがあることを踏まえ、生物の多様性に及ぼす影響が回避され又は最小となるよう、国土及び自然資源を持続可能な方法で利用することを旨として行われなければならない。」、
「3 生物の多様性の保全及び持続可能な利用は、生物の多様性が微妙な均衡を保つことによって成り立っており、科学的に解明されていない事象が多いこと及び一度損なわれた生物の多様性を再生することが困難であることにかんがみ、科学的知見の充実に努めつつ生物の多様性を保全する予防的な取組方法及び事業等の着手後においても生物の多様性の状況を監視し、その監視の結果に科学的な評価を加え、これを当該事業等に反映させる順応的な取組方法により対応することを旨として行われなければならない。」、
「4 生物の多様性の保全及び持続可能な利用は、生物の多様性から長期的かつ継続的に多くの利益がもたらされることにかんがみ、長期的な観点から生態系等の保全及び再生に努めることを旨として行われなければならない。」、
第4条では、「国は、前条(第3条)に定める生物の多様性の保全及び持続可能な利用についての基本原則にのっとり、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。」され、
第5条では、「地方公共団体は、基本原則にのっとり、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関し、国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。」
 第21条では、「国は、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する政策形成に民意を反映し、その過程の公正性及び透明性を確保するため、事業者、民間の団体、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関し専門的な知識を有する者等の多様な主体の意見を求め、これを十分考慮した上で政策形成を行う仕組みの活用等を図るものとする。」
とされています。

 このために、
生物多様性国家戦略2012-2020(豊かな自然共生社会の実現に向けたロードマップ あらためて人と自然との豊かな関係を再構築していく。将来世代に豊かな生物多様性を引き継いでいきます。科学的で広域的な認識を持って、いろいろな人々と連携・協働して、地域社会経済における生物多様性の主流化をめざして、統合的・予防的・順応的な管理(沿岸域総合的管理・集水域管理・エコシステムアプローチなど)により、地域に即した水循環の保全・持続的利用と生物多様性の保全・持続的利用を行っていきます。国民・国家・地方自治体などへの生物多様性の主流化(意思決定に、生物多様性を統合する)が推進されています。 基本戦略は、「生物多様性を社会に浸透させます。」、「地域における人と自然の関係を見直し、再構築します。」、「森・里・川・海のつながりを確保します。」、「地球規模の視野を持って行動します。」、「科学的基盤を強化し、政策に結びつけます。」となっています。 現存する干潟・塩性湿地・藻場・サンゴ礁などを含む浅海域や自然海岸の保全を優先するものとし、さらに多様な生物の生息・生育環境の再生・創出により、人が近づき楽しむことのできる海辺を復活する。適切な資源管理に基づく持続可能な漁業を進める。愛知目標の達成に向けたロードマップ D-1-3 生物多様性および生態系サービスと人間の福利の向上を図る取組であるSATOYAMA イニシアティブ(社会生態学的生産ランドスケープ維持・再構築)・SATOUMIイニシアティブ(社会生態学的生産シースケープ維持・再構築)を国内外において推進します。など。)と、
海洋生物多様性保全戦略(沿岸域では、豊かな生物生産が起きる健全な生態系ネットワークを取り戻す。里海の恵み(海の生態系サービス)を持続可能なかたちで利用していく。国際的な協調の動きを踏まえて広域に移動・回遊する動物を保全する。海洋保護区の適切な設定と管理の充実を進める。など。)と、
農林水産省生物多様性戦略(里海・海洋の保全や森・川・海を通じた保全など生物多様性保全をより重視した農林水産業を通じた地球環境の保全への貢献などを方針とする。)が策定されています。

SATOYAMAイニシアティブ(里山ランドスケープ再生)・SATOUMIイニシアティブ(里海シースケープ再生)を行います。生物多様性と人間の福利のための二次的自然環境での生物多様性の維持・向上および持続可能な自然資源利用を促進します。より持続可能な形で土地および自然資源の利用と管理が行われる里海・里山の維持・再構築をめざします。このイニシアティブは、世界的なレベルで進行する生物多様性の損失を減速させることに貢献します。長期的に、自然のプロセスに沿った農林水産業を含む社会経済活動の維持発展を通じた自然共生社会の実現を図っていきます。地域の伝統・文化の価値と重要性を認識し、人間の福利の向上をもたらす多様な生態系のサービスと価値を理解していき、その価値の確保のための知恵を結集します。里海・里山の価値を世界で広く再認識し、早急かつ効果的な対策を講じていきます。自然資源を、環境容量・自然復元力の範囲内で利用し、循環利用もしていきます。この利用により、貧困削減、食料安全保障、生計維持、地域コミュニティのエンパワーメントを含む持続可能な社会・経済への貢献をしていきます。伝統的な地域の土地所有・管理形態を尊重したうえでの、従来の土地所有者や地域住民のみならず、生態系サービスを受けている多様な主体も参加する新たな共同管理をすすめます。多様な生態系のサービスと価値の確保のための知恵の結集や持続可能社会・自然共生社会をつくるための伝統的知識と近代科学の融合を図り、多様な主体の参加と協働による自然資源と生態系サービスの持続可能で多機能な管理をおこないます。SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップは、持続可能な社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープの価値を世界で広く認識してもらうことによって、その保全と再生を促進する取り組みを進めています。生物資源を持続可能な形で利用・管理し、生物多様性を適切に保全することにより、人間は様々な自然の恵みを将来にわたって安定的に享受できるようになります。

 自然再生推進法は、地域の多様な主体の参加により、河川、湿原、干潟、藻場、里山、里地、森林、サンゴ礁などの自然環境を保全、過去に損なわれたものの再生、創出、または維持管理することを目的(豊かな海の保全・再生・創出・維持管理につながります。)とし、自然再生に関する施策を総合的に推進するための基本方針「自然再生基本方針」が決まっています。

 国際的調和のもと、海洋の総合的管理・沿岸域の総合的管理により、科学的知見の充実を図り、開発・利用と海洋環境保全との調和をとり、海洋の安全を確保し、海洋産業の健全発展をめざす海洋基本法では、海洋施策の基本的方針、海洋に関する総合的かつ計画的に講ずべき施策などが海洋基本計画で策定されて実施されます。海洋基本計画には、沿岸域の総合的管理(豊かな海・里海の総合的管理)があります。
 沿岸の海域の諸問題がその陸域の諸活動などに起因し、沿岸の海域について施策を講ずることのみでは、沿岸の海域の資源、自然環境などがもたらす恵沢を将来にわたり享受できるようにすることが困難であることにかんがみ、自然的社会的条件からみて一体的に施策が講ぜられることが相当と認められる沿岸の海域および陸域について、その諸活動に対する規制その他の措置が総合的に講ぜられることにより適切に管理されるよう必要な措置が講ぜられます。この措置を講ずるに当たっては、沿岸の海域及び陸域のうち特に海岸が、厳しい自然条件の下にあるとともに、多様な生物が生息し、生育する場であり、かつ、独特の景観を有していること等にかんがみ、津波、高潮、波浪その他海水又は地盤の変動による被害からの海岸の防護、海岸環境の整備及び保全並びに海岸の適正な利用の確保に十分留意がされます。(海洋基本法 沿岸域の総合的管理 第二十五条)
沿岸域の総合的管理の内容としては、
・地域の実情も踏まえた沿岸域管理のあり方を明確化、施策の推進
・海域を持続可能な利用が図られるよう適切な状態に保つこと
・海域の開発・利用の可能性を明らかにするとともにその促進を図ること
・地方公共団体を主体とする関係機関の情報共有・連携体制づくり
・沿岸域における関係者の連携体制の構築
・海面利用のルールづくりの推進等適正な利用関係の構築
・海域・陸域総合的一体となった施策(総合的な土砂管理の取組の推進 栄養塩類及び汚濁負荷の適正管理と循環の回復・促進 ゴミ投棄抑制の取組 自然に優しく利用しやすい川・海岸づくり)
などがあります。

水が人類共通の財産であることを再認識し、水が健全に循環し、そのもたらす恵沢(豊かな海など)を将来にわたり享受できるよう、流域の健全な水循環を維持しまたは回復するための施策は、水循環基本計画により、包括的に推進されています。
 
ジャンル:
環境
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