ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

アウト・オブ・ザ・ブルー (Out Of The Blue)

2007年11月07日 | 名盤

 
 今日はとってもよく晴れた、気分のよい一日でした。
 秋の青空を見上げると吸い込まれそうになるくらい気持ちが良いですよね。
 そういえば「ブルー・スカイ」という曲がありました。
 ひとつはジャズのスタンダード、もうひとつはチューリップのヒット曲、そしてエレクトリック・ライト・オーケストラ(以下E.L.O.)の「ミスター・ブルー・スカイ」です。
 その「ミスター・ブルー・スカイ」が収録されているのが、E.L.O.の7作目(ベスト・アルバムを除く)のアルバム、「アウト・オブ・ザ・ブルー」です。


     


 「アウト・オブ・ザ・ブルー」はロックやポップスのエッセンスとストリングスが見事に融合した傑作だと思います。
 このアルバムは予約だけで400万セットを超え、全米チャート、全英チャートとも4位を記録したE.L.O.最大のヒット作です。この中から「ターン・トゥ・ストーン」(全米13位、全英18位)、「スウィート・トーキン・ウーマン」(全米17位、全英6位)、「ミスター・ブルー・スカイ」(全米35位、全英6位)、哀愁の果て(全米75位)、ワイルド・ウェスト・ヒーロー(全英6位)の5曲のヒットを生み出しています。


     

     
 
 
 とても親しみやすいメロディ、ぬくもりのあるストリングス・アンサンブル、効果的に使われるキーボード群、幾重にも折り重なった分厚いファルセット・コーラス、躍動感のあるリズムなどがサウンドの特徴で、その壮大な音楽性は、レコードの帯にもある通りまさに「スペース・ロック・ドリーム」です。
 長岡秀星の作である宇宙船のイラスト・ジャケットもそのイメージを作り出すことに貢献しているかもしれません。しかし、それは無機質な冷たいものではなく、人間の体温が感じられるやわらかくて優しいものだと言えるでしょう。
 このアルバムをE.L.O.の最高傑作に推す声も多いです。


   


 1曲目に収録されている「ターン・トゥ・ストーン」は、心地よくはじけたこのアルバム最高の曲だと思います。「スウィート・トーキン・ウーマン」はノスタルジックな雰囲気のポップスです。今日の天気そのものの歌詞を持つ「ミスター・ブルー・スカイ」の軽快さも楽しい。
 以下、派手なソロこそありませんが、やや哀愁を帯びた甘くて絶妙なメロディーが目白押しです。とくに「雨の日のコンチェルト」と題されたコンセプト・サイド(10~13曲目)の出来栄えは、かのビートルズの「アビイ・ロード」B面に匹敵する、という評価もあるほどです。


     
     E.L.O.のメロディー・メイカー、ジェフ・リン


 前作「オーロラの救世主」あたりから、次作の「ディスカヴァリー」までがE.L.O.の全盛期でしょう。リーダーであるジェフ・リンのポップ・センスが全開です。そのうえアレンジャー、プロデューサーとしての才能も花開いた感があります。
 ジェフが見せてくれるE.L.O.ワールドは1曲1曲がとてもポップで、思わず口ずさみたくなるようなメロディーのオン・パレード。楽しさ満点のラインナップです。このアルバムは「E.L.O.スタイルの音楽がたどり着いた最高到達点」で、まさに「スーパー・ポップ・ミュージック」だと言えるでしょう。
 


◆アウト・オブ・ザ・ブルー/Out Of The Blue
  ■リリース
    1977年10月3日 (日本=1977年11月)
  ■歌・演奏
    エレクトリック・ライト・オーケストラ/Electric Light Orchestra
  ■プロデュース
    ジェフ・リン/Jeff Lynne
  ■録音メンバー
   【エレクトリック・ライト・オーケストラ/Electric Light Orchestra】
    ジェフ・リン/Jeff Lynne (vocals, guitars, electric-piano, synthesizer, percussion)
    リチャード・タンディ/Richard Tandy (acoustic-piano, electric-piano, synthesizers, mellotron, clavinet, guitar)
    ケリー・グロウカット/Kelly Groucutt (bass, percussion, vocals)
    ベヴ・ベヴァン/Bev Bevan (drums, precussions, vocals)
    ミック・カミンスキー/Mik Kaminski (violin)
    メルヴィン・ゲイル/Melvyn Gale (cello)
    ヒュー・マクドウェル/Hugh McDowell (cello)
  ■収録曲
   A01 ターン・トゥ・ストーン/Turn to Stone ☆
    02 哀愁の果て/It's Over ☆
    03 スウィート・トーキン・ウーマン/Sweet Talkin' Woman ☆
    04 国境の彼方/Across The Border
    05 ナイト・イン・ザ・シティ/Night in The City
   B06 スターライト/Starlight
    07 ジャングル/Jungle
    08 ビリーヴ・ミー・ナウ/Believe Me Now
    09 ステッピン・アウト/Steppin' Out  
   C  -雨の日のコンチェルト-/ -Concerto for a Rainy Day-
    10 雨にうたれて/Standin' in The Rain
    11 ビッグ・ウィールズ/Big Wheels
    12 サマー・アンド・ライトニング/Summer And Lightning
    13 ミスター・ブルー・スカイ/Mr. Blue Sky ☆
   D14 スウィート・イズ・ザ・ナイト/Sweet Is The Night
    15 ザ・ホエール/The Whale
    16 バーミンガム・ブルース/Birmingham Blues
    17 ワイルド・ウェスト・ヒーロー/Wild West Hero ☆
    ※全作詞作曲 ジェフ・リン/Jeff Lynne   ☆=シングル・カット
  ■チャート最高位
    1978年週間チャート  アメリカ(ビルボード)4位、イギリス4位、日本(オリコン)32位
    1978年年間チャート  アメリカ(ビルボード)18位、イギリス7位




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2 コメント

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おはようござんす♪ (Nob)
2007-11-08 11:46:14
そうでした。ELOのアルバムを聴きたかったんです。
今、思い出した(笑)
私は 「シャイン・ラブ」のシングルしか持っていないんですよ。
前に記事にした時、このアルバム「アウト・オブ・ザ・ブルー」とか、「ミッドナイトブルー」とういう曲とかをオススメ戴いたんです。
この中に「ミスター・ブルー・スカイ」が入っているんですね。
そんなにブルーな人たちなんですか?(笑)
MINAGIさんの一押しはこのアルバムなんですね♪
Nobさん (MINAGI)
2007-11-08 16:21:24
こんにちはでござんす♪
そうです、「アウト・オブ・ザ・ブルー」の中に「ミスター・ブルー・スカイ」が入っております~
E.L.O.はかなりポップですよ~。彼らはどうやらブルーな気分とは無縁みたいでございます(^^)。

>一押し
 そうですね、このアルバムもいいし、この作品の前後に出している「オーロラの救世主」と「ディカヴァリー」もいいですよ~。ぼくはこの3枚全部好きなんですけど、一押しとなると、うーん、「オーロラ~」か「アウト~」でしょうか。迷ってしまうくらい、どちらも好きなんですよ(^^)。

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