ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」・・・ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ライヴ・アルバム/グランド・ファンク・レイルロード

2017年04月23日 | 自分的名盤名曲
【Live Information】


 ロック・ミュージックの黄金期だった1960~70年代。
 その60年代末期から70年代前半のシーンを席巻したのが、グランド・ファンク・レイルロードです。
 編成はバンドとしては最小単位のトリオでしたが、そのスケールの大きさは桁外れで、しばしば話題をさらいました。


 ・1969年7月、アトランタ・ポップ・フェスティバルでデビュー。オープニング・アクトとして登場し、12万5千人もの大観衆を熱狂させた。
 ・1969年10月、地元デトロイトのオリンピア・スタジアムでレッド・ツェッペリンの前座として出演したが、演奏が終わっても大歓声がやまず、アンコールに次ぐアンコールが要求されて、ツェッペリンの出演時間が大幅にずれ込む。
 ・1970年7月、ニューヨークのタイムズ・スクエアに、掲示料金2ヵ月10万ドル、大きさ30m×80mのグランド・ファンク・レイルロードの大看板が登場。
 ・1970年11月、ロサンゼルスでのコンサートでパトカー350台が出動。また、マジソン・スクエア・ガーデンでのチケット2万席分が、わずか4時間でソールド・アウト。
 ・1970年の1年間だけで、デビュー・アルバム「On Time」から4枚目のアルバム「Live Album」までがRIAA公認のゴールド・ディスクを獲得。この年だけで1000万枚以上のレコードを売り上げた。


 


 グランド・ファンク・レイルロードは、豪快かつ野性味あふれるパフォーマンスと大音量がいわば看板で、ライブ・バンドの性格が強いアメリカン・ハード・ロック・バンドです。当時の彼らは、テクニック的にはあまり評価されなかったようですが、いま聴いてみると三人ともそんなにひどい演奏でもないと思います。むしろ、粒立ちがよく、くっきりとしたメル・サッチャーのベースはとてもグルーブしていますし、ドン・ブリューワーのドラムは安定感と重量感が際立っています。フロントのマーク・ファーナーこそ、超絶なテクニックを駆使するギタリストが増えた現在からするとやや技術的には物足らないと思う人もいるかもしれませんが、それでもその演奏はとにかく熱く、強烈な存在感にあふれています。


 そんなGFRの魅力をあますところなくパッケージしたのが、彼らの4枚目のアルバム「ライヴ・アルバム」です。


 


 ◆ライヴ・アルバム(Live Album)
 ◆グランド・ファンク・レイルロード(Grand Funk Railroad)
   マーク・ファーナー(guitar, vocal, mouth-harp, keyboard)
   メル・サッチャー(bass)
   ドン・ブリューワー(drums, vocal)
  [リリース] 1970年
  [チャート] ビルボード全米5位


 このアルバムは、1970年7月の、フロリダでのライブが収められています。
 ジャケット写真からしてカッコいいですね。これは、1970年7月に出演した「アトランタ・インターナショナル。ポップ・フェスティヴァル」の演奏シーンです。生々しさがとても伝わってきます。
 

 開演直前の客席の様子から収録されていますが、「Here's the group you're been waiting to see, Grand Funk Railroad!」のアナウンスが臨場感をさらに高めています。「サンダーバード」のオープニングもそうだけど、感情のこもった英語のアナウンスって、カッコイイというか、雰囲気が一気に盛り上がりますね~
 そして始まる「Are You Ready」。いきなりトップ・ギアに入った感じ。飛ばします。
 「Are You Ready」にしろ、「Paranoid」にしろ、ベースが弾いているリフがタイトで、とてもカッコいいです。ヘヴィーなサウンドの中にもキャッチーな感じがするのは、このリフが生きているためでしょう。


 


 「In Need」と「Inside Looking Out(孤独の叫び)」は、10分を超える長尺。
 痛快な8ビートの「In Need」は、いったん中間部でクライマックスを迎え、一転シャッフルで重厚なリズムを叩き出します。エンディングでの、マーク・ファーナーのブレイク・ソロは聴きもの。
 「Inside Looking Out」は、元はアニマルズの曲ですが、本家よりも格段にヘヴィーなサウンドとなっています。徐々に攻撃的になり、高まりを見せるバンドのサウンド。途中で聴衆を煽るマークの声もエキサイティング。


 


 一方で、GFRの曲には、分かりやすいメロディをもったものが多いのですが、「Heartbreaker」や「MeanMistreater」などはその部類に入る曲でしょう。マイナーなメロディが、米国南部の夏の暑さをさらに重苦しく、そしてヒートアップさせているようにも聴こえます。
 そして「Mark Say's Alright」から「T.N.U.C」への畳み掛けるような流れは、まさに「暴走列車」。
 「Into the Sun」は、アルバムのラストを飾るにふさわしい、「これぞハード・ロック」なナンバーです。


 レッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、ユーライア・ヒープ、ブラック・サバスなどのバンドを擁するイギリスに、ハード・ロックの領域では後れをとっていたアメリカのポピュラー音楽界ですが、GFRが旗手となってアメリカン・ハード・ロックが巻き返しにかかった、と言ってもいいのではないでしょうか。


 サウンドもカッコいいGFRですが、そのバンド名もとてもカッコいいです。
 ちなみにグランド・ファンク・レイルロードというバンド名は、アメリカの鉄道会社「Grand Trunk Western Railroad 」をもじったものだそうです。


 


 このライヴ・アルバムがリリースされた翌年の1971年、GFRは初来日を果たしました。この時の豪雨の後楽園球場で行われたライブは今や伝説と化しており、折にふれては語られています。





人気blogランキングへ←クリックして下さいね
『音楽』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« おたがいさま | トップ | 2017年5月のライブ情報 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

自分的名盤名曲」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL