バックアップ（３）

究極の３Dプリンターができたら、
自分のコピーを作ることが出きる。
でもそれはあくまでコピー人間だ。過去にさかのぼることはできない。
そこで究極のバックアップ。
それは人間の情報を、過去の記憶や感情や知識までもすべてデジタル化してバックアップできたら、
そしてその情報をもとに再生することができたら、
人は過去の人間に戻ることができる。
死んだ後も再び若くなって生きることができる。
もう教育なんていらない。
学校を出たての人間のバックアップを取って、
その人が死んだらそれで再生することができるのだから。
それならいっそ老いの苦しみから安楽死という手段で解放させて、
若い時代に戻してやったらいい。
その時遺書代わりに書き物を残して置いたら、
過去に起こした同じような失敗はしなくてよくなるかもしれない。
病気の時ももう延命医療なんてする必要はない。
本人が望めばいつでも若い時代に帰ることができるのだから。
事故で死んでも、テロで死んでもいつでも生き返ることができる。
もう学校もいらない、医療費も介護ももっと少なくてすむ。
もちろんこうして再生された人間は浦島太郎。
ほんのしばらくは現在に合わせるべく教育は必要だろうけどすぐに慣れる。
少子化対策なんて必要もなくなる。
凶悪犯などの再生は認めない。
こうして人を選別していくことができる。

ちょっぴり怖い話ではある。