福田の雑記帖

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北朝鮮2017(6) ミサイル5発東京に向かっている!!!  書評:松本清張「神と野獣の日々」(1) 昭和38年 角川文庫

2017年05月02日 18時35分35秒 | 政治・経済 国際関係
 本稿で紹介する松本清張氏の作品「神と野獣の日々」は、氏の唯一といわれているSF小説である。

 1963年(昭和38年)、キューバ危機が勃発し、ケネディとフルシチョフ間の駆け引きで米ソ水爆戦争の危機がギリギリで回避された。その翌年に書かれた作品。清澄氏はこの国際的な緊迫感をなんとか作品に仕上げようとしたのであろう。素晴らしい作品ができあがった。
 
 この作品は新潟大学の寮で読んだ。遠い昔のことであるが、当時、私は清澄をはじめ社会派といわれる作家の作品を貪り読んでいた。

 最近、北朝鮮の金正恩と米国トランプの間でキューバ危機と似た様な切羽詰まった関係が取りざたされ、もし、両国間が戦争状態に陥れば我が国にもミサイルが撃ち込まれる可能性は否定できない状況にある。
 政府は先日、ミサイル攻撃を受けた際に国民がとるべき行動を明らかにした。実際に核弾頭搭載のミサイルが撃ち込まれたらどうしようもない。
 また、ミサイル発射情報が入った際には東京のメトロなどでは10分間運転を止める措置などをとっている。いかに可能性の少ない警報のレベルとはいえ、戦後、このような事態に陥ったことは一度もない。それだけ米国・北朝鮮関係は緊迫しつつある。

 米国・北朝鮮関係を考えているうちに、突然、松本清澄氏のこの「神と野獣の日々」という作品を思い出した。読んでから半世紀近く経ったが私の記憶に残っていたということは、それだけインパクトの強い作品だったといえよう。
 そう長編でないので、連休に入ってから書庫の奥から埃にまみれた本を取り出して懐かしさとともに再読している。

 読み返してみて、再度感嘆した。今再読しても十分に面白い。面白いどころか、もしも、現実にこういう事態が起きたならば我々は、私は具体的にどう行動すべきなのか??考えなくてはなるまい。

 自分の命が、わずか1時間ほどしか残っていないと知った時に、人はどんな選択をし、どう行動するのか。現実に起きる可能性はゼロではない以上、自分だったらどうするのだろうか考えておくのもいい。

 あらすじはそれほどない。
 ある日、我が国の友好国であるZ国から5基の核ミサイルが東京に向けて誤射された。一つ一つは広島の原爆の500倍の威力。誤射された時に作動するミサイルの自爆装置は作動しなかったとのこと。また、わが国の防衛システムでは全弾を迎撃することは不可能とのこと。ミサイル到着まで1時間もない。政府はその情報を公表し、総理周辺は無政府状態を避けるという名目でヘリで退避した。

 死を目前にすると人間ってどんな行動をとるのだろうか?
 清澄氏はその辺のことを、置かれた立場や環境による違い、群衆心理などを勘案し、地下街に逃げ込んだり、暴力的になる国民を、また、悟りを開きじっと死を待つ人間等を詳細に描いてみせる。
 命をかけて、「神と野獣」化する人間の実態を描いている。
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