福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

2015年の医療環境はどうなるか(8) こうなる(1)

2015年05月25日 06時01分54秒 | 医療、医学
 国民医療費は13年度2.2%増で39兆3千億円になった。介護費用を含む保健医療費を見ると、国内総生産(GDP)の10.3%となり初めて1割を超えた。先進国の平均(9.3%)や英国(9.3%)を上回り、ドイツやフランスに迫る。
 我が国の医療費には課題が山積みである。

 (1)医療費増の主因は高齢化。
 75歳以上の1人あたり医療費は92万7千円で、74歳以下の4.5倍近くになる。75歳以上の人口は13年で1560万人。10年前の約1.5倍になっている。医療費増が止まらない所以である。団塊の世代の高齢化で25年に2179万人まで増える見込み。医療費の膨張が経済成長を上回るペースで進む公算が大きい。

 (2)医療レベル、技術の高度化。
 医療費の単価にあたる1日あたりの国民医療費は1万5213円で、前年度比3.1%増えた。抗がん剤などの新薬、新型の医療機器や手術が増え、医療費の膨張につながっている。

 (3)医療に無駄がないか??
 私は無駄な医療が多くなされていると思う。個々の患者に、病態にふさわしい医療が効率よく提供されているだろうか?私は疑問に思っている。
 かつて民主党が政権を取った時に政策の無駄をあぶり出す作業が公開で行われた。一時改革が実行されたかに見えたがほとんどが途中で頓挫し、実益はほとんどなかった。しかし、国民の前で無駄の検討を進めた企画は民主党政権最大の功績であった。蓮舫氏の「スパコンの能力はなんで世界一でなくてはならないのか・・」は迷言で忘れられない。学問、科学界の考え方と政治家の考え方の乖離が面白かった。
 不遜な提言だが、医療を対象にこんな企画をやってみてはどうだろうか。医療関係者にも国民にも、患者にとっても得るところは大きいだろう。

 われわれ医療関係者もコスト意識を持ち自浄していくことを同時に行いながら医療の発展を追求しなければ、いずれは政治が強力に介入してくる。むかし、「医師の裁量権」というような言葉があったが、もう死語になって医療はすっかり自由度を失ってしまった。私にはそう思える。
 このままでは、今後、フリーアクセスの制限、混合診療の導入、高額医療の保険外し策などの、国民皆保険の根幹に関わるも政策も視野に入ってくるだろう。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2015年の医療環境はどうなる... | トップ | 2015年の医療環境はどうなる... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

医療、医学」カテゴリの最新記事