福田の雑記帖

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在宅死と死亡診断書(2) 医師からの投稿 「自宅でみとり 検視」は誤解から

2010年02月26日 19時58分38秒 | 医療、医学
 昨日の在宅死と死亡診断書〔1〕の朝日新聞の投書は2月2日の掲載であった。私は気が付かなかったのであるが、2月10日の同欄に以下の如くの投書が載った事を本日の県医師会理事会で知った。

 投稿者は横浜在住の47歳医師とのことである。
 『自宅でみとりなぜ検視なのか』を読みました。その主治医が在宅でかかわっていた揚合には、残念ながら主治医の誤解に基づくものと推察されます。通常、医師が継続診療している方が亡くなられた時は、医師は「死亡診断」をすることが可能です。診療中の病気と異なる疾患で死亡したと診断できれは、医師は「死体検案」を行います。いずれも、死因が異状と判断されなければ警察介入はありません。生前24時間以内に診察していないと死亡診断が出来ないと医師が誤解している向きがあります。正しくは継続診察中に亡くなられた場合、受診後24時間以内なら死後診察をせずに死亡診断書を交付できるという意味です。法律の難解な文言が招いた誤解ですが、在宅医療が普及し、自宅での看取りが普通のことになれば消えていくと期特しています。投稿の方たちにご心痛を与えたこと、医師の一人として申し訳なく思います。』

 私はこの文章を読んでこれを投稿された方はとても暖かい方だとの印象を持った。「投稿の方たちにご心痛を与えたこと、医師の一人として申し訳なく思います。」は素晴らしい表現である。私は2日の投稿を読んだ時点ではこんな医師もいたのか・・とは思ったものの特別のアクションを取ろうとしなかったのであるが、この方はご家族の心痛を思い、黙ってはいられなかったらしい。ただ、誤りではないが、内容的には誤解され易い表現になっている。これは短く制約された文章の中で一部の主語や述語が省略されたからかもしれない。

 この方の文章に沿って私の考えをコメントすると、■継続診療中の患者の死亡では主治医は死亡診断書を発行できるが、この場合は、最終診察から24時間以内の場合である。■24時間以上経過していた場合、他の疾患で死亡した場合には検案書の発行になる。■どちらの場合でも、異状死体でなければ警察への届け出は不要である。■死亡確認は医師しかできない。他の医師が死亡確認をした場合でも主治医が24時間以内に診察していれば死亡診断書を発行できる。■そうは言えども、可能であれば主治医が死亡確認と死後診察をすべきである。

 ところが、旧厚生省は昭和24年に医発第385号として更に現場を混乱させるような文章を各都道府県知事宛に発行している。多少表現を変えた。
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 医師法第20条但し書に関する件に関し若干誤解の向きもあるようであるが、以下の通り解すべきものであるので、御諒承の上貴管内の医師に対し周知徹底方特に御配意願いたい。  
1 死亡診断書は、診療中の患者が死亡した場合に交付されるものであるから、苟しくもその者が診療中の患者であった場合は、死亡の際に立ち会っていなかった場合でもこれを交付することができる。但し、この場合においては法第20条の本文の規定により、原則として死亡後改めて診察をしなければならない。  
 法第20条但し書は、右の原則に対する例外として、診療中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合に限り、改めて死後診察しなくても死亡診断書を交付し得ることを認めたものである。  
2 診療中の患者であっても、それが他の全然別個の原因例えば交通事故等により死亡した場合は、死体検案書を交付すべきである。  
3 死体検案書は、診療中の患者以外の者が死亡した場合に、死後その死体を検案して交付されるものである。
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 この文章を拠り所に継続診療中の患者であれば主治医は24時間以上経過していても死後診察さえすれば「死亡診断書」を発行できると解釈する意見もあるが、賛同できない。その意見では、例えば2ヶ月前に診察した患者が死亡したとき、死後診察すれば「死亡診断書」を発行できるという事になる。半年前の患者ならどうなる??もう主治医の判断が及ぶ範囲でない。
 だから24時間以上なら主治医であっても「検案書」発行で統一、でいいのだ。
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死亡診断書 死体検案書 都道府県知事
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