福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

子供の貧困(2) 児童手当の増額など行われるが不十分 

2016年02月07日 04時33分44秒 | 時事問題 社会問題
 日本政府は国民の貧困率、子供の貧困率に目を向けてこなかった。
 子供の貧困は私的活動団体等の活動が実って近年社会問題化し、かつ最近、子供の貧困率が国際的にも厳しい状況にあると指摘されたこともあり、政府は、重い腰を上げ、貧困家庭で暮らす子どもの生活を支援する取り組みを強化することとなった。

 厚生労働省の全国母子世帯等調査(2011年)によると、母子家庭は推計約124万世帯。1983年の約72万世帯から1.7倍に増えた。母子世帯では母親の8割が働いている。母子家庭になった理由は8割が離婚。児童扶養手当や養育費などを含む平均年収は235万円(2013年)で、父子家庭の380万円(2010年)を大きく下回る。全世帯平均(約529万円)の半分程度。このことが「子供の貧困」の背景である。こんな状況の中では子供がのびのびと成長できない。

 本年度の補正予算案や来年度の予算案に「子供の貧困」対策を盛りんだ。
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 その内容は以下の二つが主となっている。
@ 児童扶養手当の増額
@ 保護者が安定した職業に就くために資格取得の支援

児童扶養手当の引き上げ
 2人以上子どもがいる母子世帯などひとり親世帯対象
1人目の42.000円は据え置き
2人目の子どもの加算を月額5.000円から最大10.000万円に
3人目以降を同3.000円から6.000円に

 また所得が少ない世帯を対象に保育所などの保育料の負担を減らす。

就業支援については
 ひとり親が専門学校などに通う際、月額最大10万円を支給する制度の期間を2年から3年に延長。入学金などとして50万円、資格取得後の就職準備金として20万円貸与、5年働けば返済を免除。
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 上記の対応で、就業支援のコースに乗れる状況にあるひとり親は少ないと考えられる。この間の生活の維持をどうするのだろうか?さらに、児童手当が増額されるというが、この程度では食費の一部の充足にも不足であろう。
 児童扶養手当の支給は18歳に達すれば打ち切られる。子供が高校卒業で就労可能になるからとの理由であろう。

 政府は本年度の補正予算案で所得が低い年金受給者に1人当たり3万円を給付するために約3600億円を計上した。一方、児童扶養手当の増額に必要な来年度の予算は83億円でしかない。
 子供の貧困対策に尽力している民間団体は、社会の未来を担う子どものためにより多くの予算を振り向けるべきだと訴えているが、私もそう思う。

 所得が低い年金受給者に臨時給付金を給付することも、一時的な効果はあるだろうが、場当たり的なバラマキ政策であり、夏の参議院選挙に向けて選挙対策ではないかとの視点もある。私は高齢者に手厚いわが国の社会保障対策は子育て世代、社会の未来を担う子供たちに厚くしていく必要があると思っている。
 だから、今回の臨時一時金政策、「子供の貧困」対策は疑問である。
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