福田の雑記帖

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高齢化社会の医療・福祉は2014(3) 高齢者は、「すがらず、頼らず、強く生きる」

2014年11月12日 08時12分42秒 | 医療、医学
 この度、後期高齢者医療制度で、保険料軽減措置を段階的になくす方針を厚労省が打ち出した。
 負担増になる高齢者は約865万人、加入者の半数以上が影響を受ける。発足直後は政府の人気取りの材料として、高齢者に比較的厚い保護があるように見せかけていた後期高齢者医療制度は、徐々に矛盾が明らかになって運用が困難になってきた。

 後期高齢者医療制度の保険料は2年ごとに引き上げを繰り返している。現在でも、年金が少なく天引き徴収の対象にならない高齢者で保険料を滞納した人は約25万人にのぼり、2.3万人が短期保険証を交付されている。
 年金は減る、消費税負担が増える、医療・介護などの負担は一層膨らんでいく。こんな中、更なる保険料の引き上げは厳しい。

 年々厳しくなる高齢者の医療福祉。では、高齢者はどうすればいいのか。私は、自活できる間は、「すがらず、頼らず、強く生きる」こと、と思う。

 世界的に見て、ほぼすべての国が高齢化対策が必要となってきている。各国とも大変な経済的問題点、負担を抱えることになる。
 他の先進国の高齢化は100年以上もかかって緩徐に進行してきた。だから、その対策もじっくり準備出来た。わが国の高齢化ははわずかに30年ほどで急速に進行し、瞬く間に世界一の高齢国になってしまった。高齢化としては超先進国で、健康寿命、平均寿命も世界一である。高齢者制度、医療制度も充実している。今までの日本の高齢化対策の充実・成功を世界は驚嘆の目で見てきた。今後は、厳しくなりつつある経済的情勢の中で、日本がどうやって高齢化問題を乗り切るのか、世界の目はそちらの方向に視点を変えて日本を見ている。

 日本人は勤勉な国民である。先々の不安に対しては「備えあれば憂いなし」と蓄財に励んできた。国は個人の蓄財を借り上げて維持している。
 しかしながら、「備えあれば憂いなし」が通用しなくなる時代が到来した。今となっては夢物語である。独居率は現在23%だが、急速に上昇しつつある。高齢者は独居生活のためのノウハウを身に付けなければならない。

 高齢者の方々は、この急速な変化に自らの意識が追いついていない。まだ親方日の丸的考えで、年金、互助・共助、国のサポートがまだ右肩上がりにが良くなっていくと思っている。政治家は耳に心地よい言葉を並べて票を集める。現実には、在宅で老老介護などで悲惨な生活をしている老夫婦は少なくない。

 一方、最近還暦や高齢に最近達した方々は、国のサポートは右肩下がりになる事を感じ取り、不安に思っている。どうやって生きていくのか模索している。 そのキーワードは、「限界に達するまでは、すがらず、頼らず、強く、自分中心に生きる」である。限界に達した後は、社会資源に頼らざるを得ない。その時は「私心を捨て、身を委ねる」しかなくなるが、その時に自分の「その先の姿」が見えてくるだろう。人生の集大成として人生観、死生観が問われることになる。
 高齢者が迎える現実は厳しい。
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