福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

朝日新聞記事取り消し問題(2)慰安婦記事取り消し後の動き 自ずから傷を開いていく

2014年09月12日 04時54分14秒 | 時事問題 社会問題
 朝日新聞は1980年から90年代にかけて従軍慰安婦強制連行を示唆する記事を10数回にわたって掲載していた。日韓の関係悪化に朝日新聞の記事が悪しき影響をもたらした事は明らかであろう。
 朝日新聞は今年8月8日に慰安婦問題を特集し、記事の記載内の一部が虚偽であった事を認め、臆面も無く取り消した。紙上で2行の記載のみで取り消し、それだけと言う姿勢は許しがたい。メディアとしての責任放棄である。また、この事についての世論も比較的静かなのも理解しがたい。(参照:朝日新聞記事取り消し問題(1)8月19日徒然日記)

 この問題について、
 ■朝日新聞は8月29日「慰安婦問題核心は変らず」、「河野談話、吉田証言に依存せず」との見出しの記事を掲載し、朝日新聞は記事を取り消したが、吉田証言は韓国内でそれほど知られておらず、河野談話作成の調査でも取り上げられていないので、朝日が報道し取り消した吉田証言は事の本質ではない。自社の責任を回避する、報道機関としての資質が問われる記事を掲載した。

 ■一方、同日掲載予定であった池上彰氏の連載記事の「新聞ななめ読み」は同社ににとって不都合な表現が含まれているとして掲載しないことにした。同連載記事は大きなスペースを割いているがその欠損を埋めるために上記の記事を挿入したものと考えられる。池上氏は朝日に対し「信頼関係が崩れたので連載も中止・・」と申し入れた。これに関しては外部から「論評を封殺」した、などとの批判を受け、簡単な経緯を含むコメントと共に9月4日同記事を掲載した。池上氏の記事はソフトな指摘であり「不掲載」とすべき理由は私には分からない。朝日新聞はまともな判断力を欠いている。

 ■朝日新聞は9月6日、「池上彰さんの連載記事見合わせ 読者の皆様におわびし、説明します」を掲載。この記事は経時的に池上氏とのやり取りを説明しただけで、「不掲載」と判断したことの核心は何ら説明していない。言い訳記事であった。

 ■朝日新聞は9月11日、社長自ら記者会見に臨み、「原発事故吉田調書に関する誤報記事を取り消す」と謝罪し、ついでに「慰安婦問題の誤報記事取り消し」についても初めて謝罪した。

 ■朝日新聞は9月12日、木村伊量社長の謝罪文を掲載した。吉田調書と慰安婦問題にふれ、「信頼回復と再生のための委員会」を立ち上げ、朝日新聞の第三者機関である「報道と人権委員会」に審理を申し立てたこと、関連した社内のスタッフの処分と自らの進退についても言及した。

 朝日新聞は「慰安婦問題の誤報記事取り消し」に関連して社長自らの謝罪することが無く、そのこと自体も問題視されていた、今回の「原発事故吉田調書に関する誤報」が明らかになって併せて謝罪したことになるが、何をやるにも後手後手で、記事が掲載される度に傷口が開いていく。
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