福田の雑記帖

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「患者申出療養(仮称)」(2)日医の見解は消極的賛同か

2014年07月19日 16時24分09秒 | 医療、医学
 7月5日の日医ニュースによると、横倉会長は6月13日、日本歯科医師会長、日本薬剤師会長と共に会合同記者会見を行い,「患者申出療養(仮称)」は「最低限のことは担保されている」とし、注視していく意向を示した。注視していく、と言うことは賛成と言うことだろう。

 今回、安倍総理が「患者申出療養(仮称)」を創設し,「安全性や有効性が確立すれば,最終的には国民皆保険の下,保険の適用を行っていく」と表明したことを受けて行われた。
 会長は,以下の様に語った(分かり難いために私が改変した。原文参照のこと)。
■1:患者がその治療を望んだとしても,高度かつ先進的な医療であれば,内容を理解することは非常に難しく,医師と患者の間には情報の非対称性が存在する。
■2:医療行為は本質的に不確実性を伴い,たとえ医師が十分な説明をしたとしても,患者の自己責任に委ねられることになる。
■3:患者がその治療を望み,医師が真剣に取り組んだにもかかわらず,結果として不幸な事態になってしまう場合もある。
■4:それゆえに、安全性と有効性の確保のためには,現行の評価療養と同様,プロトコルの確認等,一定水準の安全性・有効性の確認が必須になる。

■5:「患者申出療養(仮称)」については,「将来的に保険収載を目指す」とした点で最低限の担保はなされている。
■6:国民の幸福の原点は健康であり,私たちの願いは必要な医療が過不足なく受けられる社会づくりに尽きる。
■7:医療に関する規制は,国民の生命と健康を守るためにある。行き過ぎた規制緩和で患者の生命と健康が危険にさらされることのない様に,注視していきたい。
■8:「患者申出療養(仮称)」に対する三師会の考えは一致している。

 上記の中で、■1-4、■7は総論的説明。
 ■5がポイントであろう。
 日医としては、「保険外併用療養費制度」と同様に、「将来的に保険収載を目指す」とした点で「最低限の担保はなされている」、としているが、私は疑問である。大差ないのであれば「患者申出療養(仮称)」の新設は不要である。今ある制度に含めてしまえば良い。新制度は「保険外併用療養費制度」より遥かにルーズな適応で、「患者申出」に対応出来なければ新設の意味が無い。

 結果的に「患者申出療養(仮称)」では対象疾患、対象治療は多岐に渡るから、その効果を検討して有用であれば「保険収載を目指す」のは無理であろう。と、言うことは混合診療そのものの容認に等しい、と思う。

■6:「・・・私たちの願いは必要な医療が過不足なく受けられる社会づくりに尽きる。」とある。日医は国民皆保険制度堅持をうたって居るし、そのためには混合診療は受入れられないとして来た。現医療保険制度はその患者の願いに十分に対応出来ていない、と言うことと、混合診療の導入を認めたことに等しい、と私は思う。
■8:歯科医師会、薬剤師会は日医に追従した様に感じられる。その真意はこの記事からは受け取ることは出来ない。

 日医は苦しいだろうと思う。「患者申出療養(仮称)」には消極的賛同に思える。何で苦しい賛同なのか?今春の診療報酬のプラス改訂と関係があるのではないか?? 私は勘ぐってしまった。
コメント
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