銅版画制作の日々

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瞳の奥の秘密(2009)

2010-09-28 | 映画:ミニシアター

 EL SECRETO DE SUS OJOS

9月25日から、京都でも公開開始されました。数々の賞に輝いた「瞳の奥の秘密」を先日鑑賞して参りました。
本国アルゼンチンで封切られた本作は歴史的な大ヒットを記録。34週にわたってロングラン上映されたらしいです。もちろん本国のアルゼンチンアカデミー賞でも主要な部門を含む17部門でノミネート、何と13部門で独占受賞という快挙。

もちろん世界参加となる。そしてあのアカデミーで外国映画賞、カンヌ国際映画祭も制するんですね。
あのミヒャエル・ハネケ監督の「白いリボン」も抑えての受賞とは本当に凄いですよね!

さて感想です。前半は正直だるかったです(笑)サスペンスですが、単にサスペンスではありません。登場する人物たちの心の変化やしがらみなどが複雑に映し出されていきます。重い作風という感じですね。

リリアナという女性が夫との朝食での幸せなひとときが映し出された思いきや、突然自宅にて何者かに暴行され、殺されるというショッキングな場面に変わります。
これは主人公ベンハミン・エスポシトが回想しているんでしょうね。25年前の事件への複雑な思いであるという事でしょうね。

そしてベンハミンの現在へと繋がっていきます。彼は定年となり裁判所を退職していました。退職した彼には仕事はもちろん、家族もなく孤独な時間を過ごしていたわけです。そんな彼は残りの人生であの忌まわしい25年前の殺人事件を題材に小説を書こうと決意していたのです。

久しぶりに当時の職場を訪ね、元上司でかっての判事補、イレーネ・メネンデス・ヘイスティングスに出迎えを受ける。


イレーネ ソレダ・ビジャミル
1969年、アルゼンチン・ブェノスアイレス生まれ。2000年にリカルト・ダリンと共演した作品で主演女優賞に輝き、アルゼンチン屈指の演技派女優としての地位を確立している。


主人公ベンハミン リカルド・ダリン
1957年、アルゼンチン・ブェノスアイレス生まれ。アルゼンチンを代表する俳優の一人。10歳の時に俳優である両親と共演した舞台でデビュー。本作で、アルゼンチン・アカデミー賞最優秀男優を受賞。最新作は2010年カンヌ国際映画祭<ある視点>部門に出品された「Caranho」

ベンハミンはイレーネに想いを寄せていた。だが今は彼女は検事に昇格してその上2人の子供の母親だった。

お話は25年前から始まります。

さて忘れられない1974年の凄惨事件。


銀行員の夫リカルド・モラレスと幸せな新婚生活を送っていた23歳の女性教師リリアナ・コロトが自宅で暴行され殺害される。同僚ロマーノに担当を押し付けられて、渋々現場に向かったベンハミンは無惨な遺体を見て衝撃を受ける。彼が事件に取り組もうとした矢先、テラスの修理をしていた2人の職人が逮捕される。ロマーノが手柄を立てるために警察に手をまわした。拷問し嘘の自白をさせたようである。結局ベンハミンの告発で2人は釈放となる。


ロマーノの言いぐさが頭にくる!君は高卒だ、彼女は大学卒。

モラレスを訪ね、リリアナのアルバムを見せてもらう。リリアナのかっての故郷チビルコイに住んでいた時に撮影された写真の男に注目するベンハミン。男の名はイシドロ・ゴメス、リリアナの幼馴染。男は彼女を見つめていた。その瞳は暗い情熱が宿っていた。
モラレスがゴメスの母に居場所を確かめる電話をしたことから、ゴメスは勤務先の現場から、姿を消してしまう。ゴメスの実家の捜査を提案するも、面倒を避けたい判事に一蹴される。諦められないベンハミンは部下で友人のパブロ・サンドバルと不法侵入を決行、ゴメスが母に宛てた手紙を持ちだすも判事にばれてしまう。
越権行為はイレーネの働きで不問にされるが事件は未解決のまま葬られる。


パブロ・サンドバル ギレルモ・フランセーヤ
1955年、アルゼンチン・ブェノスアイレス生まれ。ガエル君の映画、「ルド&クルシ」に出演、あの兄弟をスカウトした役で登場している。本作でアルゼンチン・アカデミー賞最優秀助演男優賞に輝いた。

さて事件から1年が経った頃、ベンハミンは駅で偶然、モラレスと再会。彼は毎日、曜日ごとに駅を変えて、ゴメスが現れるのを見張っていた。


モラレス パブロ・ラゴ
1972年、アルゼンチン・ブェノスアイレス生まれ。1979年子役としてTVシリーズでデビュー、それ以来数多くの作品に出演している。あの「今夜、列車は走る」にも出演。本作ではアルゼンチン・アカデミー賞助演男優賞にノミネートされている。
ガエル君似?違う

モラレスの深い愛情に揺さぶられたベンハミンは「彼の瞳を見るべきだ。あれこそが真の愛だ」とイレーネに捜査の再開を嘆願する。封印した事件の書類を引っ張り出すことに、、、、。ところが肝心の手紙がない?!どうも相棒パブロの仕業。

手紙にはサッカーチーム“ラシン”の選手の名前が出てくる事に気づく。これこそ重要な事実。。。。。

スタジアムにて張り込み。ゴメスはついに現れる。取り押さえることに成功!
しかしゴメスは否認し続ける。やはり彼ではないのか?
ところがイレーネの尋問の凄さで何と彼は自白することに。これは凄かった。侮辱を駆り立て彼の自白を上手く引き出すとは!!

ところがこの後意外な展開に・・・・・。
ゴメスは終身刑を宣告されて万事上手くいったように見えたが、、、、。モラレスの連絡でびっくり!テレビにゴメスが映っていた。しかも大統領のSPとして付き添っているのだ。ゴメスはゲリラの情報提供を協力することを条件に釈放されていたのだ。
何と酷い話である。正義は死んでしまうのか!


エレベーターでゴメスと遭遇、銃を取りだすゴメス。緊張するシーンでした(汗)

そしてまもなくパブロが、ベンハミン宅で撃ち殺される。ベンハミンの身が危ないことが分かる。結局ベンハミンはイレーネの計らいで地方の地に身を隠すことになる。


駅で別れをする際、ベンハミンはイレーネに告白できたのに、、、、、。
勇気がなかった。さて25年後、彼は失われた歳月を取り戻すことが出来るのか?

長い物語を見せてもらった。前半はこのペースについていけず、少々しんどかったけど、、、、、後半は展開が色々あって、身を乗り出し鑑賞していました。

解説(allcinemaより拝借)

 2009年に本国アルゼンチンで公開されるや歴史的な大ヒットとなり、みごとアカデミー外国語映画賞にも輝いたサスペンス・ドラマ。25年前の未解決殺人事件を題材に小説を書き始めた孤独な主人公が、葬られた事件の真相と改めて対峙していくなかで、次第に封印していたはずの愛も甦らせていくさまを巧みな脚本と演出で描き出していく。主演はリカルド・ダリン、共演にソレダ・ビジャミル。監督は人気TVシリーズの演出などでハリウッドでも活躍するアルゼンチンの俊英フアン・ホセ・カンパネラ

メディア 映画
上映時間 129分
製作国 スペイン/アルゼンチン
公開情報 劇場公開(ロングライド)
初公開年月 2010/08/14
ジャンル ドラマ/犯罪/サスペンス
映倫 PG12

ブエノスアイレスを震撼させた殺人事件から25年──
未解決の謎を小説にする男に、封印された愛が甦る。

オフィシャル・サイト
http://www.hitomi-himitsu.jp/
 
 

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13 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
これは傑作! (sakurai)
2010-11-05 08:10:41
いろいろと感じ方もあるんですね!
あたしはこれは最高でした。
今年、1,2を争うくらい。
いやーー素晴らしかったです。
あのパブロの存在がまたよかった。
かれの男気に(ベンハミンの想像にすぎないかもしれませんが・・)やられました。
秀作 (にゃむばなな)
2010-10-04 20:23:17
改めて思うのが、こういう上質な映画がアカデミーで外国語映画賞受賞だけに終わるのは本当にもったいないですよ。
作品賞候補が10作品に増えたのなら、こういう映画もノミネートしてほしかったと思えるほど、素晴らしい映画でした。
アイマックさん☆★ (mezzotint)
2010-10-01 23:43:49
パブロ役の方、そうらしいです。
でもあんまり結びつかなくて(笑)
エレベーターのシーンは本当にどきどき
ものでした。突っ込みどころが多い、、、。
確かにそうですね。
BCさんへ♪ (mezzotint)
2010-10-01 23:41:01
おぉ~やはり似ていますか?
この人の出演していた「今夜、列車が走る」
もなかなか良かったです。
前半はあまりにも話の進み方が遅くて
ちょっとだめでしたが、、、、。
後半の展開が良かったので、
じんわり良かったということで(笑)
ひろちゃんへ (mezzotint)
2010-10-01 23:15:25
やはりそうでしたか、、、。
好みな作品といえばう~ん微妙ですね。
前半はどうしょうもなくだめでした(笑)
何とか後半の展開が良かったので。
じんわり良かったかな。
おはようございます。 (アイマック)
2010-10-01 08:58:01
パブロの人は「ルド&クルシ」に出てるのね。
エレベーターのシーンはドキドキしましたよ。
ただ、突っ込みどころもあってその辺が気になりました。
駅のところは不覚にも泣いてしまったけどね^^;
ドラマチックな展開。 (BC)
2010-10-01 04:57:44
mezzotintさん、おはようです。

確かに、モラレス役のパブロ・ラゴはガエルくんに似ていますね。^^
ガエルくんをもっとニヒルにした感じかな。

後半はドラマチックな展開でしたね。
こんばんは^^ (ひろちゃん)
2010-10-01 01:13:43
自分のブログには、割合、いい評価にしましたが、実は思ったほどの作品でもなくて(笑)
質も高いし、いい作品だとは思うのですが
ベンハミンとイレーネの25年に渡る純愛に、ちょっと乗り切れなくて(^^;

冒頭は好きな感じでしたが、前半確かに
タルイところもありましたよねσ(^◇^;)
私も後半の展開から、グイグイと言う感じ
でした(^_-)-☆
kiraさん☆ (mezzotint)
2010-09-30 23:41:37
期待しすぎて、ダメでしたか、、、、。
私も前半のあのだるくてゆっくりモード
に耐えられなくて。思わずzzzzに
なりそうになりましたが、後半何とか
展開にメリハリがついて持ち直したという
状況で。もしかして後半も同じなら、
きっとkiraさん同様辛口になっていたと
思います。
こんにちは~☆ (kira)
2010-09-30 10:48:42
凄惨な事件の幕開けは期待が走りましたが、
それ以降のぬるい展開、
あり得ない出来すぎ(サッカー場)家宅侵入等々、
段々引いてしまったんですよね(笑)
評判がすこぶるヨカッタし、かなり期待しすぎだったのかも

ベンハミンの、特に男に対する態度が好きになれなくて、(爆)
見たいです ()
2010-09-30 06:25:35
この映画、見たいです。
身を乗り出してしまうなんて、面白そうではないですか!
京都は、良質な映画が多く上映されるので、羨ましい限りですよ。

ところで、お願いがあるのですが、相互リンクを貼っていただけないでしょうか。
大丈夫なようでしたら、是非、お願いいたします。
いいですね。 (きさ)
2010-09-29 05:35:53
これは良い映画でした。
「インセプション」と並んで今の所今年後半の洋画ベストかも。
朝日新聞の沢木耕太郎の映画評「銀の街から」で取り上げられていました。
http://doraku.asahi.com/entertainment/movie/review/100818_2.html
Unknown (KLY)
2010-09-29 00:11:03
20年越しの事件と恋愛の両方を実に上手く融合した脚本でした。オマケに両方ともにキチンと結末に対する伏線があるんですよね。でもそれをそれと気付かせないという…。事件の結末はもちろんですが、タイプライターのAの秘密なんて実にうまいよなぁ・・・。^^

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