METALTEACHER Blog

メタル好きの高校教師がいろいろ書いております。

『24時間テレビ』

2016-08-30 23:02:40 | 日記
今年も「勇気と感動をありがとう!」モードだったみたいで、妻と子供達は結構熱心に観ていた様子。
ちなみに私は裏番組の方を熱心に観ていた。
ひとつは土曜日の夕方(まだ『24時間テレビ』は始まっていない時間だが)にTBSで放映していた『報道特集』。この日のテーマのひとつは相模原事件。戦後の日本において犠牲者が最多の事件、とか言われており、犯人の異常性や残虐性とともに、障害者に対する差別や偏見など、深く議論すべき問題がたくさんあったはずだが、どうも世間からはすっかり忘れ去られてしまった感じがする。テレビ欄を見ても、『24時間テレビ』の中では今回の事件にはあまり触れていないんじゃないか。俺らは本気で障害者と「共生」していく気があるのか。むしろ見たくないものを見ないようにしているのではないか。
日曜日の夜は、林家たい平のマラソンもクライマックスを迎えていたが、そんな時、私が観ていたのはNHK Eテレの『バリバラ』。障害者をテーマにしたバラエティ番組・情報番組なのだが、この日のタイトルは何と「笑いは地球を救う」。制作スタッフは否定したそうだが、これ完全にぶつけてきたな。だって、番組始まっていきなり黄色い画面に「24」の文字。出演者はみんな黄色いTシャツを着ているし、大橋グレース(ボランティア団体運営、多発性硬化症)なんか、まんま『24時間テレビ』のTシャツ着とるやんけ! つーか君、表の『24時間テレビ』に出てたでしょ? この大橋グレースが出演する架空のコーナー「感動ドキュメンタリー 難病になんか負けない!」にぶっ飛んだ。困難に負けずひたむきに生きる障害者のさわやかさをどう演出するかについて、まさに本家とそっくりのコーナーの中で、ミもフタもないツッコミが入る形で解説がなされるのだ。これを知ってしまうと、今後、その手の番組には素直に感動できない? あと、障害者の多くは「障害者の感動的な番組」が嫌いというアンケート結果にも唸った。今週木曜深夜に再放送があります。必見!
確かに『24時間テレビ』がなければ、ただでさえ少ない障害者を知る機会がますます限られてしまうのかもしれないが、今の番組内容のままだと、障害者が健常者に感動を与えるための存在として、都合良く使われる一方ではないか。もっと本質的な議論や、当事者からの視点が必要だと思う。 

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