柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

性善

2018-01-10 08:21:47 | Weblog
カヌー選手の不祥事いかがですか。自分が出たいからライバルの足を引っ張る。こんなことはどこにでもあることでしょうがフェアじゃない、スポーツマンシップに悖る、スポーツマンは清く正しく美しくあらねばならぬの大合唱を呼ぶわけです。でも現場は当然生々しくて、為末さんがインタビューに答えてましたが、他人から勧められる食べ物飲み物摂るな、ペットボトルは栓がきちっとしまっているモノを飲めとか常識なんだそうです。すっかりエライさんになってる室伏さんも言うてました、選手は口に入れる物に対しては責任があるのだと。つまり日本の選手は甘いと。でしょうね、まさしく性善説です。スポーツマンは斯くあるべし思想が強くて、それが自然に「皆そう分かっているだろう」という思い込みに繋がってるんでしょうね。まことに日本人らしいことで。で、こんな事件が起こるとびっくりする。こんな奴がいた?という驚きでしょう。禁止薬物を飲ませる、毒を盛るんじゃなくてドーピングで潰そうなんてのもずるい、卑怯だ、潔くないとの感情を湧かすわけですが、なんてことはお上は想定してなかった。もっと大きく且つ抽象的に、日本人はそんなことしないという思い込みですね。だからショックは大きいでしょうが、非難する方は簡単ですね。新聞は大叩きです即に。飲料管理選手任せ、と読売が打ってます。こんなことはどこまでも個人の行為ですわ、こんなことやる奴なんですよ。こう言うと、事故は個人の資質ではなく組織やシステム不備によるのだという現代の失敗学説に反することでしょうが、自分の力が届かぬなら相手の足を引っ張れは普通に考えることですからね。やるかやらぬかの壁が高いわけですが、こういう輩もいる。そういう想定は要っただろう、なのですが、それも無理ですよねぇ遡っても。違いますかね。
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