千葉県の戦争遺跡

千葉県内の旧陸海軍の軍事施設など戦争に関わる遺跡の紹介
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松戸市の戦争遺跡3(千駄堀の塹壕ほか)

2007-06-09 | 松戸市の戦争遺跡
1.千駄堀の塹壕群

松戸の戦争遺跡を追加調査するために、八柱から千駄堀をたずねた。八柱には陸軍の境界標石がたくさんあり、以前写真を撮りにきたことがあるし、松戸市立博物館には何度か寄せてもらっているので、場所はすぐに分かった。千駄堀は、戦争末期に塹壕や防空壕などがさかんに掘られた場所であり、その場所は、現在「二十世紀の森と広場」になっていて、おおかた公園として整備されている。

塹壕は旧陸軍が1945年(昭和20年)2月から終戦にいたるまで千駄堀のあちこちに掘ったもので、当時松戸には現松戸高校の松戸高等女学校には野戦重砲兵第十九連隊、松戸農業専門学校には独立工兵第六十二大隊が配備されており、第九十三師団司令部、とそれに師団に属する通信隊、輜重第九十三連隊なども駐屯していた。そのどの部隊が、塹壕を掘ったかも定かではないが、千駄堀の山林を弾薬や食糧などの隠し場所として目をつけた陸軍が、この地にいくつかの塹壕を掘り、食糧弾薬等を保管しようとした。

<塹壕跡がところどころに残る>


戦後60年以上たっているために、自然崩落や木の枝や木の葉の堆積によって、塹壕跡はかなり分かり難くなっている。その痕跡は「二十世紀の森と広場」の「つどいの広場」から「みどりの里」に向かう台地斜面にあり、西が出入り口で東に向かって掘ったとされる。
今見てみると、穴状ではなく全体的に草木に覆われているが、斜面に削られたような露出部分があることで、かろうじて人工的なものと分かる程度である。
塹壕だけでなく、防空壕もあったそうであるが、そちらのほうは分からなかった。公園ではなく、住宅となっている部分にあったものか。

<草に覆われた塹壕跡~歩いている人の後ろ、斜面の削れたような部分>


公園の管理事務所にも、聞いてみたが、「軍が塹壕を掘ったとか、弾薬庫があったとかいうが、確証がない。場所も特定できない。」という返事であった。公園の管理をしている人といえども、役人には違いないのであろう、いかにも役人的な答えである。「『不明』とか言っていないで、すぐ近くなんだから調査したらいいじゃないか」と、いつものように言いそうになったが、この人たちは学芸員でもなければ、市の要職にある人たちでもないので、言うのはやめた。
まあ、こういうことはしょっちゅうあるので、さほど気が滅入るというほどではないが。

それはともかく、この塹壕については『千葉県の戦争遺跡をあるく』(千葉歴史教育者協議会)によれば、掘っている際に、土砂が崩れ二人の兵士が生き埋めにされて、なくなったそうである。その名前や階級も分からないという。戦時下の痛ましい事故であるが、そのような例は全国各地にある。
こういう軍隊の作業中での事故死や、軍需工場での事故死などは、余り触れられないが、意外に多かったのである。

2.「二十世紀の森と広場」内の「平和の像」

同じ公園の敷地内に、開園間もない1991年(平成3年)に建てられた「平和の像」(「乙女の像」とも言われる)がある。これは、松戸市の市制50周年記念として建てられた。制作者は、彫刻家の雨宮敬子で、正式には「光風」というタイトルになっている。像の脇の地面には小さなプレートがあり、「私たちの愛する街“松戸” 緑あふれ、文化の香り高いこの地に全ての市民と共に世界の“生きとし生けるもの”の恒久平和と豊かな未来を念願しここに、その象徴として『平和の像』を建立する。 平成3年3月 松戸市長 宮間 満寿雄」と書かれている。この地に「平和の像」が建立されたのも、戦時中の塹壕の事故が一つの理由になっているそうだ。


<公園内の「平和の像」>


なお、公園内にある松戸市立博物館には、1944年(昭和19年)年末の空襲で焼けた二十世紀梨の原木が展示されている。5月の連休中、博物館の許可を得て、この原木の写真も撮ったが、インターネットで公開するにはさらに届出が必要で、担当の学芸員に後日連絡させるとのことであった。博物館の学芸員さんから留守電が入っていたのだが、原木の写真掲載は、まあ急ぐ必要もあるまいと思い、今回掲載しない。また松戸に行くことがあれば、直接聞いてみようと思う。
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