memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

マダラ漁獲枠を増枠か   アイスランド

2011-01-27 07:29:36 | 水産・海洋
アイスランドはマダラを含む主要魚種の漁獲枠を今後5年間にかけて増枠する準備をすすめている(1月14日FUD)
報道によれば、同国の漁業大臣Jon Bjarnasonは追加漁獲枠の確保のため議会向けの法案を準備中という。彼の計画はその増枠によりさらに1500万ポンドの売り上げ増加が見込めるという。この金額は欧州にとっては巨額ではないが人口32万人のアイスランドにとっては多額な収入となる。

アイスランドの新聞報道によれば、この法案はいまだ議会に提案されてはいないが、その理由は反対意見が政府内にもあるためという。過去には既存漁獲枠を保有している会社(トロール漁業会社)が漁獲枠の削減により被害をこうむったこともあり、再度の増枠によって潤った。
漁業大臣は独立心の強い政治家であり、彼の立場は海洋調査研究所の科学者による新しいデータによっては強化される。科学者らは最近の調査結果を解析中であり好まし結論を得るものとみられる。科学者らはマダラについて2009年対比で20%高い水準がみられ、このことは過去14年間で最高という。

2008および2009年級群は長期間の平均値よりも好調という。研究所のJohann Sigurjonsson理事はマダラ漁獲枠を直ちに引き上げることは不可能だが、新しい強固な年級群が参入すれば数年のうちには増枠もありうるであろうと。

世界規模天候不順の原因はふたつの現象

2011-01-27 07:28:57 | 水産・海洋
壊滅的な気象被害が地球を覆っている。ブラジルと豪州では洪水、米国東部では豪雪である。(1月14日CNNほか)

コロンビア大学の国際気象および社会調査研究所の気象予報主任のTony Barnstonによればラニーニャと北大西洋振動の二つがこれらの原因になっているという。ラニーニャにあってはつねに状態が変化する、これは東部および中部熱帯域太平洋の水温低下によって定義される。これは7月に出現し翌春におわる。ラニーニャ現象の間は熱帯太平洋の降雨量は減少、暖水域が北太平洋、東南アジア沿岸、インドネシア周辺海域、豪州などに形成される。
こうした場合は「地球全体でバランスをとる形となる」のでラニーニャが個々の気象に与える影響について決定することは難しいことではないとBransonはいう。東南アジアと豪州は典型的に暖かい海洋となり降雨が増加する。この影響はさらに西側まで達し今年の場合スリランカやインドまで及ぶという。そこでは大規模な救出活どぷが行われ、スリランカではすでに13人の犠牲者が出ているし、フィリッピンでは洪水による犠牲者が40人、豪州では報道によれば洪水の範囲はドイツとフランスを合わせた面積にも匹敵するという。ラニーニャの東側では南米の北岸が豪雨に襲われ、数百人が死亡、ブラジルでは洪水と地滑りが発生している。
ラニーニャ発生により米国では気温が上昇、とくに南東部でそうなるのだが、今年の場合北大西洋振動がそれを圧倒している。11月以降北大西洋振動の負の位相の時期にあるとBRANSTONはいう。つまり米国東部と欧州の間の気温が低下するという。
このことにより北東カナダ、グリーンランド、アイスランドなどに影響し米国東部の気温は下降する。気象専門家はこのことをシーソー現象パターンとよび、このことは2次的には水温にも影響するという。

ラニーニャとは通常は乾燥し温暖な気候を米国南部では意味するが「北大西洋振動が今年の場合はラニーニャにとって代わり、エルニーニョのような冬季の気温を米国南東部にもたらしている。ラニーニャは通常4月か5月には終わる。これは北大西洋振動が真冬の時期に負から陽へと位相を変えるためであるとBarnston氏は言う。北大西洋振動が終われば今年の今後は平年よりも暖かく乾燥するという。