言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

PPIPのスキーム

2009-11-11 | 日記
リチャード・クー&村山昇作 『世界同時バランスシート不況』 ( p.56 )

 三つ目の問題はガイトナー財務長官が〇九年三月末に発表した、官民が協力して銀行の不良資産を買い取るというPPIPのスキームにある。本当に銀行が売りたい価格で買い手が現れるかどうか、または買い手が買いたい価格で売り手が現れるのかどうかという点では依然として大きな疑問が残るからだ。
 もしもそのような価格が実際に存在するのなら、その価格で官民協同による不良資産処理を進めるという考えは悪くないが、二〇〇八年十月、ポールソン前財務長官が打ち出したTARP(不良資産救済プログラム)という不良資産買い取り案が結局、資本投入に衣替えしたのも、またそれ以前に提案された民間でこれらを買い取るスーパーSIV(ストラクチャード・インベストメント・ビークル)構想が頓挫したのも、この当事者全員が納得できる価格が見つかりそうもないということが原因だった。
 今回は、新たに設定される官民ファンドの借り入れを政府が保証するという "補助金" を出すことで、買い手ができるだけ高い買い値を出すことが期待されているようだが、そのインセンティブで売り値と買い値のギャップが本当に埋まるのかどうかはまだ不透明である。民間投資家からしてみれば、最終的に転売して利益を確定しなければならず、いくら借り入れに政府保証があっても、将来転売できると思う価格以上で買うわけにはいかないからだ。


 大きな問題の 3 つ目は、銀行の不良資産を買い取るスキームにある。売買が成立する価格が存在するのか、高い買い値を出す買い手が存在するのかが、問題である、と書かれています。



 「商業用不動産価格の暴落」 に続く、3 つ目の問題とは、銀行の不良資産を、高く買ってくれる買い手がいるかどうかである、とされていますが、



 「大恐慌時の対策」 でみたように、不良債権の買い取りには、金融システム安定化の効果がないのですから、

   「銀行の不良資産を買い取る」 発想そのものが、おかしい

のではないかと思います。

 不良資産の買い取りについては、著者 ( リチャード・クー ) 自身、否定的な見解を示しておられます。次に引用します。



同 ( p.46 )

 二〇〇八年十月に米議会を通過した「金融安定化法」に基づく公的資金七〇〇〇億ドルについても、当初はまだ資本投入という話ではなく、資産の買い取りという話であった。しかし、資産の買い取りでは何の解決にもならない。なぜなら一〇〇円のものが二〇円になっていて、その二〇円のものを政府が二〇円で買ったところで、これは二〇円の形が変わるだけで、銀行の損失問題には何一つメスが入ったことにならないからだ。




 もっとも、今回の場合は、米銀に対する資本投入を行ったうえで、「銀行の不良資産を買い取る」 スキームが出てきているのですが、「買取」 に効果があるのかどうか、それ自体が、疑問です。

 価格が折り合わない、という話以前の問題ではないかと思います。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 商業用不動産価格の暴落 | トップ | 「貸し渋り」 ではなく、「借... »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。