言語空間+備忘録

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東シナ海問題と国際ルール

2011-02-04 | 日記
櫻井よしこ 『異形の大国 中国』 ( p.308 )

 東シナ海問題について、日本側は中間線を以て日中の海の境界線とすべしとの立場だが、中国側は中国の大陸棚は沖縄トラフまで続いており、そこまでが中国の海だと主張する。中国説では、わが国固有の領土の尖閣諸島も中国領になる。

(中略)

 国際社会における海上境界の線引きを見れば、中間線を主張する日本のほうが圧倒的に正しい。1980年代から現在までの約30年間、国際社会は中間線を基本として係争海域の問題に決着をつけてきた。
 たとえば地中海に浮かぶ美しい島国マルタとリビアの海上境界線は1985年に「等距離原則」で決着した。このときの合意、国際司法裁判所による「リビア・マルタ大陸棚境界画定事件判決」では、「海底の地質学・地質構造学的特性は各国の権原の証明に無関係」とも定めた。つまり、大陸棚がずっと続いているから、大陸棚の端まで全てを自国の海とする中国式主張は認められないという判決だ。
 但し、調整の余地はある。それが海岸線の長さである。リビアの海岸線はマルタのそれよりもかなり長い。その分を配慮して、中間線を少し北に移動し両国の境界と定めた。同判決はその後の判例にも影響を与えた。以降の海域境界の画定は93年のデンマークとノルウェー、99年のエリトリアとイエメンなど、いずれも中間線を基本としてきた。
 境界線が画定出来ないときも、国際社会は係争海域での共同開発についての一般的ルールを築き上げてきた。原則は均等なる分配である。
 たとえばマレーシアとタイは1979年及び90年に係争海域での共同開発に合意し、利益は正しく二分すると合意した。89年にはオーストラリアとインドネシアが、92年にはマレーシアとベトナムが同様の合意をした。
 無論、"均等" ではないケースもある。02年のナイジェリアとサントメ・プリンシベの合意は6対4の分配だ。02年のオーストラリアと東ティモールは1対9だ。それでも、互いに分け合うことを基本にしているのが国際社会の現状である。中国には国際社会の主流を成すこの種の解決法を尊重する姿勢が見られない。


 中国には国際社会のルールに従おうという姿勢が見られない。東シナ海問題は、国際ルールに基づいて解決されるべきである、と書かれています。



 著者の主張はもっともだと思います。

 しかし、それならなぜ、日本は「国際司法裁判所」による判決を求めないのでしょうか。著者は「日本は国際司法裁判所に訴えて解決すべきである」と主張してもよいはずです。なぜ、著者はそれを主張しないのでしょうか。

 「話し合い」が進まない以上、日本としては「国際司法裁判所に訴える」ことが現実的な選択肢であるはずです。このまま、中国側が態度を変えるのを待ち続けるというのは、すくなくとも合理的ではありません。



 もちろん裁判をすれば、「新しい原則」が裁判所によって判示されることもあり得ます。したがって「日本の主張が通らず、中国の主張が正しいとされる可能性もある」わけですが、その可能性はかなり低いとみてよいと思います。

 というか、「次第に中国の国力が増しつつある」現状を考えると、「早く訴えなければ、ますます中国の主張が通りやすくなる」のではないでしょうか。裁判所の判決にも、そのときの国際情勢 (国家間の力関係) が影響してくるのではないかと思います。



 日本が訴えない理由は、おそらく、日本は中国に「配慮している」からだと思います。しかし、「日本国民の総意で」配慮を続けているのであればともかく、そうではない以上、「日本の国益を犠牲にして中国に配慮し続ける」のは、「おかしい」と考えなければならないと思います。

 昨年の尖閣諸島沖事件における日本国内の世論を考えれば、まず間違いなく、ほとんどの国民は中国に配慮し続けることは望んでいないと考えられます。中国側がガス田開発を続けているなか、無視されるとわかっていて「中止要請」を続け、日本側の資源までもが吸い取られてもなお、「話し合い」を求め続けることを望む日本国民は、「ほとんどいない」はずです。

 どうして日本は中国に「配慮し続けている」のでしょうか。おかしいと思いませんか?
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