言語空間+備忘録

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労働力不足の解決策

2010-11-29 | 日記
兵頭二十八 『「自衛隊」無人化計画』 ( p.61 )

〈日本の高齢者介護のサービス業労働者の成り手が無いというのなら、一人当たりGDPの小さい諸国から若い外国人労働力を日本へ一〇〇〇万人くらい移民させてくればよい〉――という甚だ (はなはだ) 無責任な意見が聞かれることがあります。読者のみなさんは、こんな話に騙されては (だまされては) いけません。

(中略)

 日本の近隣には「近代国家」がありません。これはどういうことかというと、周辺国の国民と政府のあいだには伝統的に信頼関係がないのです。人民が人民を幸せにする国家のために「国防の義務」を負うという近代的合意がありません。
 たとえば「華僑」は、戦前も戦後も、多くの地域で、住民暴動のさいの攻撃のターゲットにされてきました。華僑はどこでもカネだけを稼いで、その居住国家の福祉のためには貢献していないと見られているためです。もし華僑がその居住国の有事の国防のために命を捧げてきたという歴史があったら、暴動の的にされることはないでしょう。
 戦後の在日韓国人の多くは、韓国政府に徴兵されるのを忌避 (きひ) して日本に逃亡してきた若者です (中薗英助氏著『在日朝鮮人』昭和四十五年、財界展望新社) 。現に共産軍の脅威にさらされている本国での国民の義務を果たさず、徴兵制のない日本でカネだけ稼いで楽しく暮らしたいという外国籍人に、日本社会は何を期待できるでしょうか?
 彼らの多くが日本国籍を取ろうともしないのは、「国民」には「国防の義務」がともなうことを了解しているからです。
 近代国民の権利は、近代共同体の義務と一体不可分です。「国防の義務」を負わない外国人には、参政権も与えられないのは民主主義の常識にすぎません。
 古代、参政権がなかったアテネの中産住民に初めて参政権が与えられたのも、サラミス海戦で軍船の漕ぎ手として中産住民が大きく貢献したことが認められたからでした。
 日本の男子普通選挙も、日露戦争で下層階級が死闘をしてみせたおかげで、実現することになったのです。
 国籍がどこであれ居住者を徴兵登録してしまう米国政府や、外人部隊を使いこなせるスキルを有する英国やフランスの政府ならば、無責任な移民たちに好き勝手をさせるような心配はないでしょう。
 しかし、「国防の義務」を占領軍の押し付けによって成文憲法から削除したまま、それを自主的に復活させることもできない日本政府では、自由主義的な寛容の精神につけこまれ、移民に特権を渡してしまうことは目に見えています。
 特権は、「法の下の平等」を崩壊させます。法の下の平等なくして、民主主義も自由主義もあり得ません。その先に来るものは「日本のシナ化」でしょう。
 ですから、徴兵嫌いの特定アジア人の「特権よこせ運動」は、そのまま、特定アジア諸国の政府発の間接侵略の梃子 (てこ) にもなり得るのです。
 それに、若年移民も四十年すぎれば高齢者です。その医療保険料や年金保険料は、いったい誰が負担するというのでしょうか?
 移民の大量受け入れは、日本が抱える諸課題に、何の解決にもなりはしません。それどころか、三十代後半でまだ一度も正社員になったことのない日本人失業者の、社会人しての潜在的生産力を、生涯にわたって枯死させてしまうでしょう。それが国民の福祉になると、みなさんは思いますか?
 経済的には、国民一人ひとりの生産性が悪化するし、国際政治的には、東洋随一の近代国家・日本の壊滅が誘導されるばかりでしょう。
 財務省や厚生労働省や輸出企業が移民に期待しているような役割は、ロボットが、完全に果たすことができるようになるのです。


 労働力不足を解消するために、移民に期待してはならない。日本国籍を取ろうともしない特定アジア人の移民が増えれば、日本が間接侵略されてしまう。労働力不足の解消には、ロボットを活用するのがよい、と書かれています。



 著者の主張には考えさせられるものがあります。しかし、いくつか問題があることも、たしかです。列挙すれば、次のような問題があると思います。

   (1) 移民といっても、南米の日系人 (日本人移民の子孫) もいる。
     移民イコール特定アジア人ではない。
   (2) 華僑が暴動のターゲットにされる理由は、
     本当に福祉・国防に貢献しないからか?
     たんに「外国語を話す者」に搾取されることへの不満ではないか?
   (3) 在日韓国人には、
     韓国で徴兵されるのを忌避して日本にきた若者のほかに、
     戦時中に強制連行されてきた韓国人の子孫もいるのではないか?
   (4) 参政権といっても、
     実際に問題となっているのは地方参政権である。
     地方参政権であれば、「国防の義務」とは無関係だとも解しうる。
   (5) 労働力としては、日本人失業者がいるではないか、というが、
     給与水準が異なるので同列には論じられない。
     移民は安い労働力として期待されているのであって、
     日本人失業者でも給与水準を問わないなら、仕事はある。
   (6) ロボットを活用するといっても、
     実用化はいつになるかわからない。
     それに対し、労働力不足は今現在の問題である。



 しかし、このような問題点はあるものの、著者の主張には一考の価値があると思います。というか、すでにロボット開発は始められているのではないでしょうか。

 問題は、「いつ、実用化されるか」に尽きるのではないかと思います。



 引用部分には含まれていませんが、著者はロボットの実用化を早めるために、自衛隊を活用せよ、と説いています。自衛隊の防衛力の一部として「国家予算で」ロボットを開発し、そのロボットを民生用に転用すればよい。日本の防衛力は強化され、景気対策にもなる、というのが著者の主張です。

 著者の主張を全体的にみれば、説得力があると思います。この主張は、私の主張に通ずるものがあります (「私の政策」参照 ) 。



 そこで次は、この本を引用しつつ考えます。
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