言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

混合診療は解禁すべき

2009-10-17 | 日記
 混合診療とは、( 公的な ) 保険の対象になっていない医療を、保険の対象になっている一般的な医療と併用する ( 混合する ) ことです。

 現在、保険対象になっていない医療を受けると、保険対象になっている医療も含め、全額、患者の自己負担となっています。全額自己負担はおかしいのではないか、保険対象に含まれている医療については、保険の適用を認めるべきではないか、というのが、混合診療解禁論です。

 混合診療解禁論に対しては、全部保険対象にすればよい、などの批判がなされています。



紺谷典子 『平成経済20年史』 ( p.352 )

 混合診療の解禁は、「必要な医療を保障する」わが国の医療制度と抵触し、両立し得ないものである。有効であることが確認されている医療は、すべて保険対象とすべき必要な医療であり、混合診療の解禁は、差別的医療、効果が確認されない医療の存在、跋扈を許すものである。
 では必要な医療とは何か。その時点でやるべきことはやったと多くの専門家が合意できる医療ということになろうか。現状では、中央医療協議会がその役割を担っている。


 有効であることが確認されている医療は、すべて保険対象とすべき必要な医療であり、混合診療の解禁は、差別的医療や、効果が確認されない医療を許容することにつながる、と書かれています。



 医療といっても、費用を考えないわけにはいかないと思います。

 人の命は地球より重い、とは言うものの、現実には、かけられる金額には限度がある、と考えざるを得ないのが実情だろうと思います。

 そこで、「必要な」 医療、という言葉が出てくるのだろうと思います。「必要な」 医療という概念には、その裏に、「必要ではない」 医療がある、という暗黙の前提があります。



 それでは、「必要な」 医療とはなにか。それが重要になります。著者によれば、必要な医療とは、
  • 有効であることが確認されている医療であり、
  • その時点でやるべきことはやったと多くの専門家が合意できる医療

です。

 「有効であることが確認されている医療」 といっても、医療行為である以上、有効であるのは当たり前です。これでは、「必要性」 の限定になっていません。

 現実には、医療にかけられる金額には限度がある以上、なんらかのかたちで、「必要性」 を限定せざるを得ないからこそ、「必要な」 医療とは何か、を考えるのです。したがって、著者の定義は意味をもたないと思います。



 おそらく、「必要性」 を考える際には、治療を行ううえで必要不可欠なのか、あるいは、治療成績を上げるうえで、行ったほうが望ましい程度なのかが、ひとつの基準になると思います。また、行ったほうが望ましい行為について、ある程度治療成績を向上させる医療行為なのか、わずかに効果がみられる程度なのかも、問題になると思います。

 したがって、「わずかな効果しか見込めない」 医療を、かならずしも必要ではない医療、と定義したうえで、

   「必要な」 医療とは、それ以外 ( かならずしも必要ではない医療以外 )

と考えればよいのではないかと思います。

 もちろん、この ( 私の ) 定義によっても、「わずか」 とはどの程度か、などの問題は残るのですが、「有効」 な医療、「やるべきことはやったと多くの専門家が合意できる」 医療、とする著者の定義に比べれば、定義として、意味をもつのではないかと思います ( 別に私の定義である必要はありませんが、必要性を限定する定義でなければならない ) 。



 さて、「必要な」 医療と、「かならずしも必要ではない」 医療を分ける基準が成立すると、当然、
  • 「必要な」 医療はすべて、保険対象としなければならないが、
  • 「かならずしも必要ではない」 医療は、余裕のあるかぎりで、保険対象とすればよい

と考えることになると思います。

 その際、「かならずしも必要ではない」 医療について、患者が私費で治療を受けることを望むことを制限する必要はありません。「かならずしも必要ではない」 のですから、差別的医療と考える必要はないでしょう。また、効果が確認されない医療であっても、患者自身が望むのなら、なんの問題もないと思います。まず、治る見込みはないが、一縷の望みに賭けたい、という場合もあると思います。患者が、自分のお金でその可能性に賭けることを、禁止する必要はありません。というか、倫理的にみて、禁止しないほうがよいと思います。

 そしてその場合、わずかな可能性に賭けようとする以上、「必要な」 医療行為も含め、すべて保険の対象にならない ( 全額自己負担せよ ) 、とするのは、おかしいと思います。

 よって、混合診療を認めることに、なんの問題もないと思います。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 医師会の調査によれば、医療... | トップ | 全国健康保険協会 ( 協会けん... »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

関連するみんなの記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。