言語空間+備忘録

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「使命や責任」 を重視せずして、何を重視するのか

2009-11-14 | 日記
仙台 坂野智憲の弁護士日誌」 の 「日弁連法曹人口問題検討会議討議メモを読んで

 今日、仙台弁護士会の弁護士人口問題特別委員会が開かれた。そこで日弁連の法曹人口問題検討会議の討議メモが配布された。その討議メモは「適正法曹人口を考える際の要素」をピックアップして各要素の相関性を図示する内容のものだが、何故か末尾に(余事記載)として日弁連の方向性が書かれていた。
 そこには日弁連の方向性として、(X)-5万人到達後も増員を継続する(合格者数は現状2000~2100人で継続)、(Y)-5万人到達後現状維持を図る(5万人到達の数年前から合格者を暫減していく)、(Z)-5万人到達後弁護士人口を減らす(近い将来から現状より相当程度合格者を絞り込む)の3つを掲げた上で、Xの方向性を志向すべきと書かれている。
 その理由として、「現状において(Z)の方向性を打ち出すことは、責任を放棄することになる。何故なら、法的ニーズを発掘し潜在的ニーズを顕在化することこそ職能団体としての使命であり、司法基盤整備を確立していくことが司法の一翼を担う弁護士会の役割であり、増員の阻害要因を取り除く努力こそ本来の弁護士会の機能(行政機能・公共的機能)というべきである」とされている。

(中略)

 理由は耳にタコができるほど聞かされ続けた弁護士会の使命や責任といった空疎な精神訓話だ。

(中略)

 私はこれまで、日弁連執行部や弁護士増員を支持する会員について、本音では大増員は望ましくないと考えているのだが、歴代執行部への配慮や世論の反発を恐れて増員反対を打ち出せないでいるだけだと思っていた。しかしどうも違うようだ。この討議メモには、「弁護士マーケット」、「更なる成長戦略が描ける」、「弁護士会の行政的機能」といった、私のような頭の古い人間には理解しがたい表現が見られる。

(中略)

 司法や弁護士会の存在意義は、選挙制度の不平等などの政策形成過程それ自体に欠陥がある場合に正論を述べること、そして通常の政策形成過程から排除された少数者の権利、自由を世論に抗してでも擁護する点にあるのではないか。そのためには小さな司法、小さな弁護士会で構わないし、むしろプロフェッションとしての弁護士像を護るために必要な気がする。


 「日弁連法曹人口問題検討会議討議メモ」 には、弁護士会の使命・責任に応えるために、法曹人口 5 万人到達後も増員を継続する ( しかし合格者数は 2000 ~ 2100 人程度とする ) ことを志向すべきだと書かれている。しかし、弁護士会の使命や責任などは、「空疎な精神訓話だ」 から、増員には反対である、と書かれています。



 坂野弁護士の主張は 「おかしい」 と思います。

 「弁護士会の使命や責任」 が 「空疎な精神訓話」 だというなら、坂野弁護士は、何を重視しておられるのでしょうか? 重視するのは 「空疎な精神訓話」 ではなく、「現実、つまりカネだ」 ということなのでしょうか?



 「プロフェッションとしての弁護士像を護るために必要」 なのは、弁護士サイドの利害を離れて、「弁護士会の使命や責任」 をまっとうしようとする姿勢ではないかと思います。

 したがって、「弁護士会の使命や責任」 を 「空疎な精神訓話」 だと主張する坂野弁護士は、「プロフェッションとしての弁護士像」 を破壊していると思います。「プロフェッションとしての弁護士像を護るために必要」 なのは、弁護士・弁護士会の 「使命や責任」 を重視することではないかと思います。



 「弁護士会の行政的機能」 が何を意味しているのかはわかりませんが、「弁護士マーケット」 、「更なる成長戦略が描ける」 が意味しているのは、「弁護士需要はある」 という現実であり、

 「法的ニーズを発掘し潜在的ニーズを顕在化することこそ職能団体としての使命」 だと考えれば ( これは坂野弁護士の 「少数者の権利、自由を世論に抗してでも擁護する」 という主張と実質的に同じ。すくなくとも内容的に近いものを含んでいる ) 、普通は、

と考えることになるのではないかと思います。



 したがって、( 増員ペースは意見が分かれるところですが ) 上記、日弁連執行部の増員方針は、おかしくないと思います。
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