言語空間+備忘録

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日本は「何に」財政支出すべきか

2010-10-23 | 日記
三橋貴明 『高校生でもわかる日本経済のすごさ!』 ( p.60 )

 図1-13の通り、拡大を続けていた日本政府の支出は、1997年以降は横ばいになりました。さらに2003年以降に至っては、明らかに減っています。
 1997年から98年にかけて、日本政府は消費税アップにより景気を冷やし、同時に政府支出の伸びを押さえつけるという、どう考えても無謀としか表現しようがないことを実行してしまったのです。
 そして日本は、GDP成長率が低迷する中、ひたすら政府の借金の累積金額のみが増加するという、いや~な状態に陥りました。
 景気が低迷すると、当然ながら税収は落ち込みます。不況下において企業が設備投資を拡大するはずがありませんので、政府の支出を一気に削減することも、現実問題として不可能です。これまで説明してきた通り、政府の借金残高は好景気の環境下でなければ、まず減りません。
 すなわち、借金残高を気にして政府の支出を絞りこんだ結果、日本政府は却って財政を悪化させてしまった可能性が高いのです。

(中略)

 再び1997年の話に戻りますが、この時期における消費税アップと歳出削減開始がなければ、日本は政府の財政が開題視される状況には陥っていなかったかも知れません。景気の順調な拡大が続き、若干のインフレにより、名目GDPが実質GDP以上に成長すれば、公的債務対名目GDP比率の伸びは抑えられたはずなのです。
 ところが、現実には増税と歳出削減という最悪の組み合わせにより、1998年以降の日本の名目GDPは、実質GDPを大きく下回る成長に甘んじるしかありませんでした。名目GDPの成長率が、実質GDPのそれを下回る現象は、現在も変わらず継続しています。
 すなわち、日本はデフレーションに陥っていたわけです (今も陥っています) 。

(中略)

 さて、かつての日本政府は、増税と歳出削減を同時にやるというミスを犯しましたが、ここに現在の日本が抱える最大の課題「経済成長 (が高まらない)」を解決する、最大のヒントがあります。すなわち、単純に当時の逆をやればいいわけです。
 まず、消費税のアップはやらずに、政府の支出を増大させます。
 政府支出を増やすには、公共事業が最も効果的ですが、僻地のインフラなどに投資をすると、またマスメディアに盛大に叩かれてしまいます。そのため、今回の公共投資は主に都市圏の交通インフラや、耐震対策に重点を置くべきでしょう。
「子どもたちが通う学校や、病院の耐震性を強化するために、公共事業を増やします」
 と宣言すれば、マスメディアも表立っては非難しにくいのではないでしょうか。
 すでに具体的に動き出していますが、リニア新幹線やエコカー (電気自動車) 向けのインフラ整備も、大いにやるべきです。
 これら政府支出の財源は、もちろん国債の増発になります。長期金利が上昇しない以上、日本政府がどれだけ国債を発行しようとも、全く問題ありません。と申しますか、長期国債金利が、極めて低い状態に維持されているという事実は、金融市場が、
「まだ大丈夫ですよ」
 と、日本政府に向かって、こにやかに頷いてくれているようなものなのです。
 また、長期金利が上がり始めた場合は、今度は「四番目のキャッシュフロー」の出番になります。アメリカやイギリスに倣い、日本銀行も日本国債の買い取り枠を増やしていけばいいわけです (すでに日本銀行は規模限定ではあるものの、長期国債の買い取りは実行しています) 。
 中央銀行の国債買い取りが増大すれば、その金額分だけ日本円が市中に供給されていくことになります。日本国内の日本円が増えていけば、当然ながら徐々にインフレ傾向に向かい、厄介なデフレも解消されるでしょう。


 日本の景気をよくするには (デフレを終わらせるには) 、消費税をアップさせずに政府支出を増やせば (公共事業を増やせば) よい、と書かれています。



 この主張は、「バーナンキの背理法」に従い、金融緩和を行いつつ、同時に財政支出を増やせばよい、という私の主張と「おおむね」同じ「方向性」です (著者は金融政策には言及しておらず、私は消費税について考慮中です) 。

 「クルーグマンの比喩「子守協同組合」」で述べたように、金融政策のみで景気を上昇させることは困難だと思われますが、金融政策に財政政策を合わせれば、景気は上向くと考えます。金融緩和 (信用緩和) と財政出動で市中のお金の量を増やしつつ、(政府支出によって) 確実に消費を増やせばよい、というわけです。

 財源はあります。「日本は財政破綻しない」のですから、財源を問題にする必要はありません。



 そこで、財政政策として「何を」行うのか、「何に」財政支出すべきか、が問題になります。



 著者は、
 政府支出を増やすには、公共事業が最も効果的ですが、僻地のインフラなどに投資をすると、またマスメディアに盛大に叩かれてしまいます。そのため、今回の公共投資は主に都市圏の交通インフラや、耐震対策に重点を置くべきでしょう。
「子どもたちが通う学校や、病院の耐震性を強化するために、公共事業を増やします」
 と宣言すれば、マスメディアも表立っては非難しにくいのではないでしょうか。
 すでに具体的に動き出していますが、リニア新幹線やエコカー (電気自動車) 向けのインフラ整備も、大いにやるべきです。
と述べ、

   都市圏の交通インフラや耐震政策に重点を置けばよい、
   リニア新幹線やエコカー (電気自動車) 向けのインフラ整備もよい、

とされています。「政府支出を増やすには、公共事業が最も効果的ですが、僻地のインフラなどに投資をすると、またマスメディアに盛大に叩かれてしまいます」などと書かれているところからみて、著者の主張は、

   要は政府支出を増やすことが重要なのであり、
  「何を」行うのか「何を」造るのかは、あまり重要ではない。なんでもよい、

ということだと思います。社会的に反対意見の出にくい分野に支出すれば、もっともスムーズに、もっとも早く対策が打てるので、それを行えばよいが、有益な「何か」であるに越したことはない、ということだと思います。



 私はおおむね、著者の意見に賛成ですが、二点、付け加えたいことがあります。

 ひとつは、都市部でのインフラ整備は、既存施設の更新や、トンネル等地下構造物の建設に重点を置くべきである、というものです。その理由は、すでに「公共事業における 「ムダ」」に記述しています。

 ふたつ目は、国防分野の財政支出を増やすべきである、というものです。その理由は、「国家が財政破綻するための条件」に記述していますが、「国防分野の財政支出を増やさなければ、日本は財政破綻するかもしれない」というものです。また、「日本は軍備を増強すべきである」という危機感も、(私の主張の) 背景になっています。
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