言語空間+備忘録

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不祥事とインフォーマル・グループ

2009-06-26 | 日記
荒井一博 『終身雇用制と日本文化』 ( p.116 )

 日本の組織は全員参加の平等思想に基づいてつくられている、とよくいわれる。そのような組織も存在するかもしれない。しかし今日の実態はそうでない場合も多いであろう。形式的には全員参加の形をとっていても、運用はそうでない場合がある。

(中略)

 インフォーマル・グループとは組織の系統とは関係なく成員のなかに自然に発達する集団で、右でみた結託がその例にあたる。われわれがここで問題とするのは、主として、もともとは人間関係上の「好き嫌い」を基にして形成されるグループ(友好集団)である(しかもこの「好き嫌い」は、目上の者からみて目下の者が単にロボットのように従順かどうかに起因している場合が多い)。

(中略)

 しかしこの種のインフォーマル・グループも、その影響力が大きくなると、利益を求めて加入する者も出てこよう。そうすると、友好集団は次第に利害集団に変貌する。公式組織における個人の失敗や不正に対する他の成員の非難から身を守るために加入する誘因も生じてくる。困ったときには所属するインフォーマル・グループに庇護してもらおうという誘因である。このような理由で加入しても、人間の弱さといえようが、競争の激しい社会では庇護してくれる他者に個人が親しみを持つ場合は多いであろう。もちろん、個人がインフォーマル・グループから庇護してもらうためには、そのグループの他の成員の失敗や不正を隠蔽ないしは正当化するときに手助けをする必要がある。

(中略)

不祥事には、必ずインフォーマル・グループがかかわっているはずである。


 仲のよい者が集まった人々の集団が、次第に、利害集団になり、そこでは、「持ちつ持たれつ」 の関係が形成される。とりわけ、「グループの他の成員の失敗や不正を隠蔽ないしは正当化するときに手助けをする」 代償として、いつか自分が 「困ったときには所属するインフォーマル・グループに庇護してもらおう」 とする誘因がはたらく、と書かれています。


 「持ちつ持たれつ」 の利害集団ではあるが、もっとも重要な 「利害」 とは、保身であり、庇いあい ( かばいあい ) である。したがって、不祥事の隠蔽には、必ず、インフォーマル・グループがかかわっているはずである…。

 これ、当たっているような気がします。名前は出しませんが、とある弁護士に、この種の態度がみられ、なんだかなあ、と思ったことがあります。正義を追求すべき法律家に、この種の態度がみられるのですから、他の職業の人々であれば、なおさら、なのではないかと思います。


 ここで重要なのは、インフォーマル・グループ形成の動機です。いつか自分が 「困ったときには」 「庇護してもらおう」 とする誘因によって形成されるのですから、もともと、「組織全体の利益」 や 「正しさ」 は望んでおらず、「(自己の) 利害」 こそが、( 主要な ) 関心事なわけです。とすれば、不祥事を、「隠蔽ないしは正当化する」 のはわかりきった話です。

 したがって、「人間が、あくまでも自己の利益を優先しようとするかぎり、不祥事の隠蔽はなくならない」 といえるのではないかと思います。
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