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飼料用穀物の自給について

2009-09-09 | 日記
森谷正規 『戦略の失敗学』 ( p.273 )

 日本の畜産は、戦後しばらくして発展してきたが、当時の急速な所得向上による需要急増に応えるために、購入飼料に依存する「加工型畜産」になり、その購入先は外国であった。飼料の自給率は一九六〇年には六三%であったが、二〇〇六年には二五%にまで低下している。四分の三も外国に依存しているのであり、世界的な飼料高騰の影響は非常に大きい。

(中略)

 畜産業では、「加工型畜産」によって生産費に占める飼料費の比率が高く、肉用牛は三割ほどだが、酪農は五割に近く、養豚、ブロイラーは六割を超える。したがって飼料が高騰すれば、収入は激減し、廃業せざるをえなくなる。
 では、いかなる対応策があるのか。まず、増え続ける耕作放棄地を活用して、飼料用穀物を生産し、飼料の自給を進めることだ。いまは、耕作を放棄しながら土地が高く買われるのを待って貸しもしない農家が多いのだが、税を高くするなど何らかの罰則を設けて、耕作放棄農家が土地を提供せざるをえない制度を作ることが必要だ。一方で飼料用穀物を生産する農業企業体を数多く生み出して、経営が成り立つ制度を作る。つまり、企業体と畜産業にとっての適切な飼料価格にするための助成が不可欠である。


 畜産業においては、生産費の大部分が飼料費である。したがって、飼料の大部分を輸入に頼っている日本では、世界的な飼料価格高騰の影響が大きい。飼料の自給を進めるべきである、と書かれています。



 この部分、論理に飛躍があると思います。その根拠を述べます。

 世界的に飼料価格が高騰すれば、国内での飼料価格も高騰するはずです。とすれば、たとえ飼料用穀物を自給したところで、その価格は高騰します。生産費の大部分を占める飼料費が ( 大幅に ) 上昇することには変わりなく、( 飼料の自給をしたところで ) 畜産業が成り立たなくなる、という予想は変わらないはずです。



 それでは、飼料用穀物の自給について、どう考えるべきか。次に、それについて考えます。

 そもそも、畜産品は 「なければ困る」 というものではありません。食品としては、高級品の部類に入ると思います。その証拠に、「急速な所得向上による需要急増」 と書かれています。所得が向上しなければ、需要は増えないのであり、経済的な余裕が生じたときに、需要が高まる性質の食品なのです。

 したがって、

   畜産製品も、飼料用穀物も、手に入らなくなっても、とりたてて困ることはない

のであり、対策は急を要するものではありません。また、( 畜産品・飼料用穀物の ) 輸出国が、自国民への供給を優先して ( 畜産品・飼料用穀物を ) 輸出しないことも、考えられません。なぜなら、「なくても困らない」 からです。

 要は、「金があれば買える」 のであり、「 ( 高すぎて ) 買えなければ、それでよい」 と思います。

 日本に経済力があれば、なにもしなくとも、畜産品・飼料用穀物は手に入る。経済力がなければ、高級食品たる畜産品に需要はない。さらに、なくても困らない以上、食糧安保の観点も、とりたてて問題にはならない、と思います。



 もっとも、税制の変更 ( …に伴う農地提供 ) などによって、飼料用穀物・畜産製品を安く供給しうるなら、それに越したことはありません。したがって、上記は、その方向での対策を否定するものではありません。



■追記
 トウモロコシは人間も食べる、という批判はありうると思いますが、輸出国が輸出しなくなり、手に入らなくなったなら、それはそれでよい、と思います。
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1 コメント

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現状を直視せよ (佐藤勝代)
2014-02-03 23:54:07
森谷正規:飛躍しすぎの論法、何の仕事も止めたり始めたり簡単にできない、又農地が高く売れるのを待って・・・は都市部の農地1部のみ。以前の十分の一まで落ちてる現状が分っていない、机上の論理は値打ち0やめてほしい。

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