言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

全国健康保険協会 ( 協会けんぽ )

2009-10-18 | 日記
紺谷典子 『平成経済20年史』 ( p.353 )

 社保庁改革の一環として、これまで国が管理してきた政管健保が、非公務員型の法人、全国健康保険協会に組織変えされ、平成20年10月から「協会けんぽ」になる。今後は、都道府県単位で保険料が変わりうる。つまり、医療費を抑えることに成功した都道府県は保険料が低くなる、という趣旨のようだが、医療費は、すでに、これ以上削減できないところまで来ている。
 医療にまで、競争原理を導入するかのごとき、協会けんぽが、医療の改善に結びつくとは到底思えない。必要な医療の提供よりも、医療費の削減を目的としていることは明らかである。後期高齢者医療制度といい、協会けんぽといい、日本の医療には、医療財政の視点しかないようである。


 国が管理していた政管健保が全国健康保険協会 ( 協会けんぽ ) に変わり、保険料が都道府県ごとに変わりうる。医療にまで、競争原理を導入するかのごとき改革によって、医療が改善されるとは到底思えない。医療財政の視点しかないようである、と批判されています。



 医療をよりよいものに改善するには、お金をかけて、質のよい医療を提供すべきだと思います。どのくらいお金がかかるかは、本来、付随的な問題であり、「医療として、何が最善か」 を考えるべきであるのは、当然です。

 しかし、現実には、医療にかけられるお金には、かぎりがあります。使えるお金の総額が有限である以上、いかに効率的に医療を行うかを、考えざるを得ないと思います。



 ところが、「医療費は、すでに、これ以上削減できないところまで来ている」 とすれば、これまで試したことのない方法で、効率を高める工夫をしなければなりません。

 医療の効率を高めれば高めるほど、より多くの国民 ( 患者 ) に、より有効な医療を提供できるからです。



 それでは、効率を高めるうえで、有効な方法は何か。それを考えるとき、通常は、競争原理の導入を考えると思います。都道府県単位で ( 効率化の ) 競争を行えば、「すでに、これ以上削減できないところまで来ている」 医療が、さらに効率化される可能性があります。

 著者は、「医療費は、すでに、これ以上削減できないところまで来ている」 から、医療に競争原理を持ち込んでも、「医療の改善に結びつくとは到底思えない」 と批判しています。

 しかし、いままでの方法では、「すでに、これ以上削減できないところまで来ている」 からこそ、これまで試したことのない方法、すなわち、競争原理の導入を試みる必要があるのではないでしょうか。「すでに、これ以上削減できないところまで来ている」 と思っていたが、競争原理を持ち込めば、さらに効率化され、医療費が削減されるかもしれない。試してみる価値はあると思います。

 医療が効率化され、医療の質が高まるなら、これに越したことはありません。「協会けんぽが、医療の改善に結びつくとは到底思えない」 と著者は書いていますが、それは著者の 「思い込み」 かもしれません。実際には、協会けんぽによって ( 競争原理によって ) 、医療の改善に結びつくかもしれない。その可能性を排除すべきではないと思います。

 もしうまくいかなければ、元に戻せばよいだけです。試してみればよいと思います。



 なお、著者は、「日本の医療には、医療財政の視点しかないようである」 とも、批判されています。

 しかし、医療の効率を高めれば高めるほど、医療の単価が下がり、より多くの国民 ( 患者 ) に、より有効な医療を提供できます。

 また、「混合診療は解禁すべき」 であるという考えかたは、医療財政の視点のみからは出てきません。なぜなら、混合診療を解禁すれば、保険が適用される範囲が広くなり、財政的負担は増大するからです。

 著者の批判には、説得力がないと思います。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 混合診療は解禁すべき | トップ | 医療費増加対策 »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

関連するみんなの記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。