言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

司法修習生の給費制廃止

2010-05-20 | 日記
仙台 中堅弁護士のつぶやき」 の 「司法修習生給費制廃止反対署名運動

以前にも記事にしましたが、司法修習生の給料が11月からなくなることになっています。

(中略)

司法修習生は弁護士・裁判官・検察官になるため、実地で1年間研修を受ける人たちです。修習専念義務という義務があり、期間中はバイトをすることもできません。それなのに給料もなくなったら、どうやって暮らしていけというんでしょうか。余りにも酷い話だと思います。ただでさえ法科大学院に行くのにお金がかかるのに、これでは本当にお金持ちの子どもしか法律家になれなくなってしまいます。世の中そんな法律家だらけになっていいんでしょうか。


 11 月から、司法修習生の給料がなくなる。ところが、司法修習生には修習専念義務があり、バイトをすることもできない。どうやって暮らしていけばよいのか、お金持ちしか法律家になれなくなってしまう、と書かれています。



 私なりに、調べてみました。最初に、関連法規を引用します。



法令データ提供システム」 の 「裁判所法(昭和二十二年四月十六日法律第五十九号)

第六十六条 (採用)  司法修習生は、司法試験に合格した者の中から、最高裁判所がこれを命ずる。
○2  前項の試験に関する事項は、別に法律でこれを定める。

第六十七条 (修習・試験)  司法修習生は、少なくとも一年間修習をした後試験に合格したときは、司法修習生の修習を終える。
○2  司法修習生は、その修習期間中、国庫から一定額の給与を受ける。ただし、修習のため通常必要な期間として最高裁判所が定める期間を超える部分については、この限りでない。
○3  第一項の修習及び試験に関する事項は、最高裁判所がこれを定める。

第六十八条 (罷免)  最高裁判所は、司法修習生の行状がその品位を辱めるものと認めるときその他司法修習生について最高裁判所の定める事由があると認めるときは、その司法修習生を罷免することができる。


首相官邸」 の 「裁判所法の一部を改正する法律(平成十六年法律第百六十三号)

裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。
 第六十七条第二項中「国庫から一定額の給与を受ける」を「最高裁判所の定めるところにより、その修習に専念しなければならない」に改め、同項ただし書を削り、同条第三項中「第一項」を「前項に定めるもののほか、第一項」に改める。
 第六十七条の次に次の一条を加える。
第六十七条の二 (修習資金の貸与等) 最高裁判所は、司法修習生の修習のため通常必要な期間として最高裁判所が定める期間、司法修習生に対し、その申請により、無利息で、修習資金(司法修習生がその修習に専念することを確保するための資金をいう。以下この条において同じ。)を貸与するものとする。
  修習資金の額及び返還の期限は、最高裁判所の定めるところによる。
  最高裁判所は、修習資金の貸与を受けた者が災害、傷病その他やむを得ない理由により修習資金を返還することが困難となつたときは、その返還の期限を猶予することができる。この場合においては、国の債権の管理等に関する法律(昭和三十一年法律第百十四号)第二十六条の規定は、適用しない。
  最高裁判所は、修習資金の貸与を受けた者が死亡又は精神若しくは身体の障害により修習資金を返還することができなくなつたときは、その修習資金の全部又は一部の返還を免除することができる。
  前各項に定めるもののほか、修習資金の貸与及び返還に関し必要な事項は、最高裁判所がこれを定める。
   附 則
 (施行期日)
1 この法律は、平成二十二年十一月一日から施行する。
 (経過措置)
2 この法律の施行前に採用され、この法律の施行後も引き続き修習をする司法修習生の給与については、なお従前の例による。
 (裁判官の報酬等に関する法律の一部改正)
3 裁判官の報酬等に関する法律(昭和二十三年法律第七十五号)の一部を次のように改正する。
  第十四条ただし書を削る。


裁判所」 の 「司法修習生の修習資金の貸与等に関する規則

平成二十一年十月三十日最高裁判所規則第十号

 司法修習生の修習資金の貸与等に関する規則を次のように定める。
司法修習生の修習資金の貸与等に関する規則

(貸与申請の方式等)
第一条 裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号。次条第一項及び第六条第二号において「法」という。)第六十七条の二第一項に規定する申請(以下「貸与申請」という。)は、最高裁判所の定める事項を記載した申請書(以下この条及び次条第一項において「貸与申請書」という。)を最高裁判所に提出してしなければならない。
2 貸与申請書には、第四条第一項第一号に掲げる者を保証人に立てる場合にはその者の保証書を、同項第二号に掲げる金融機関を保証人に立てる場合には当該金融機関に保証を委託する旨を記載した書面を添付するほか、最高裁判所の定める書面を添付しなければならない。
3 貸与申請書の提出は、司法修習生の採用の申込みをした者もすることができる。

(修習資金の貸与の方法)
第二条 修習資金(法第六十七条の二第一項に規定する修習資金をいう。以下同じ。)は、貸与申請がされた日(貸与申請書を提出した日が同項に規定する修習のため通常必要な期間として最高裁判所が定める期間(以下この項及び第七条において「修習期間」という。)の開始の日前であるときは、当該開始の日に貸与申請がされたものとみなす。)の属する貸与単位期間(修習期間をその開始の日又は各月においてその日に応当する修習期間内の日(その日に応当する日がない月においては、その月の末日)から各翌月の修習期間の開始の日に応当する日(その日に応当する日がない月においては、その月の末日)の前日(当該前日が修習期間内にないときは、修習期間の末日)までの各期間に区分した場合における当該区分による一の期間をいう。以下同じ。)の次の貸与単位期間(貸与申請がされた日が貸与単位期間の初日であるときは、当該貸与単位期間)に係る分からこれを貸与する。
2 修習資金は、次条の規定により各貸与単位期間ごとに定められる額の修習資金を、最高裁判所の定める日までに、最高裁判所の定める方法により交付して貸与するものとする。ただし、貸与申請に係る事実を確認することができない等の事情があるため、修習資金をその日までに交付することができないときは、その日後に交付することができる。

(修習資金の額)
第三条 修習資金の額は、一貸与単位期間につき二十三万円(以下この条において「基本額」という。)とする。
2 修習資金の貸与を受けようとする者又は修習資金の貸与を受けている司法修習生が、次の各号に掲げる場合において、修習資金の額の変更を申請したときは、修習資金の額を一貸与単位期間につき当該各号に定める額に変更する。
一 基本額未満の額の修習資金の貸与を希望する場合 十八万円
二 配偶者(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)、満二十二歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある子又は一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)第十一条第二項に規定する扶養親族(同項第一号に掲げる配偶者及び同項第二号に掲げる子を除く。)がある場合 二十五万五千円
三 自ら居住するため住宅(貸間を含む。)を借り受け、家賃(使用料を含む。)を支払っている場合 二十五万五千円
四 前二号に掲げる場合のいずれにも該当する場合 二十八万円
3 前項の規定による修習資金の額の変更を受けた者が、更に同項各号に掲げる場合に該当するものとして修習資金の額の変更を申請したときは、修習資金の額を一貸与単位期間につき当該各号に定める額に変更する。
4 前二項の規定による修習資金の額の変更を受けた者が、修習資金の額の基本額への変更を申請したときは、修習資金の額を基本額に変更する。
5 前三項の規定による申請は、最高裁判所の定める事項を記載した申請書を最高裁判所に提出してしなければならない。
6 前条第一項の規定は、第二項から第四項までの規定による修習資金の額の変更の申請があった場合について準用する。
7 第二項各号(第一号を除く。)に定める額の修習資金の貸与を受けている司法修習生が、当該各号に掲げる場合に該当しないこととなったときは、当該該当しないこととなった日の属する貸与単位期間の次の貸与単位期間(その日が貸与単位期間の初日であるときは、当該貸与単位期間)以降に係る修習資金の額を基本額に変更する。ただし、同項第四号に掲げる場合に該当しないこととなった者が同項第二号又は第三号に掲げる場合になお該当するときは、当該各号に定める額に変更する。


 上記を読むと、たしかに、司法修習生の給与は 11 月からなくなることになっていますが、

 代わりに、「無利息で、修習資金(司法修習生がその修習に専念することを確保するための資金をいう。以下この条において同じ。)を貸与する」ことになっています (「裁判所法の一部を改正する法律(平成十六年法律第百六十三号)」によって改正後の裁判所法第六十七条の二 ) 。

 金額的にも十分であると考えられ ( 月額 23 万円前後の無利子貸与 ) 、給与制が廃止された後も、司法修習生は暮らしていけるのではないかと思います。



 したがって、「仙台 中堅弁護士」さんの「どうやって暮らしていけというんでしょうか」「これでは本当にお金持ちの子どもしか法律家になれなくなってしまいます」という意見は、やや誇張に過ぎると思います。

( なお、この問題を改善すべく活動されている弁護士さんが、無利子貸与制になることを知らなかったとは考え難く、おそらく意図的に誇張されたのだろうと思います。これについては、法律家が意図的に事実の一部を隠して誇張し、市民が誤解するように誘導してよいのか、という疑問がありますが、本題から外れるので、ここでは論じません。)



 私も、「本当に無利子貸与でよいのか、給与を支給すべきではないか」といった疑問は感じます。しかし、給費制廃止の是非は日本の財政状況を抜きにしては語れないと思います。したがって、とりあえず、

   給費制廃止後も、司法修習生は「暮らしていける」

と述べるにとどめたいと思います。
ジャンル:
ウェブログ
コメント (4)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 犯罪にあたる場合には | トップ | 中国人労働者に対する支援活動 »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご指摘ありがとうございました!! (bestsyot)
2010-05-24 11:46:39
はじめまして!!

この度は「一部、あなたは誤解されています。」「Re:一部、あなたは誤解されています。」の書き込みによる、ご指摘頂きありがとうございます。

確かに誤解を受けるような書き込みがありました事、お詫びいたします。
また、誤記載((誤)給費制廃止運動 (正)給費制廃止「反対」運動)へのご指摘にも感謝申し上げます。

この問題に関し、特別弁護士の皆さんからの指示で書き込んでるものではない事を一言申し添えておきますね。

給費制廃止の是非について、それぞれの考えがあると思います。
今後、誤解を与える事が無いよう一般市民の立場から書き込んで行きたいと思います。

この度は、ありがとうございました。!!

ご丁寧にありがとうございます。 (memo26)
2010-05-24 16:04:31
> この問題に関し、特別弁護士の皆さんからの指示で書き込んでるものではない事を一言申し添えておきますね。

それはわかっていますよ。

あなたのブログの記事をすべて読んだわけではありませんが、「不当労働撲滅」に向けた活動は支持します。あなたのブログに向けて、リンクを張っておきますね。

「不当労働撲滅 怒涛の戦い 泥沼の軌跡」
http://plaza.rakuten.co.jp/captainship/diaryall
Unknown (あ)
2010-06-29 19:12:57
貸与制によって、修習生が暮らしていけなくなるというのは不正確です。無利子で、修習後5年後からの返還開始なので、「5年目からの弁護士が困る」というのが正解です。
ご指摘ありがとうございます。 (memo26)
2010-07-05 04:44:39
この問題については、その後、記事を書いて意見を変えて(というか一歩進めて)います。

「なぜ司法修習生に給与を支払う必要があるのか」
http://blog.goo.ne.jp/memo26/e/e357d3f7c30df774b9a0f67dfaa2d167

なお、「5年目からの弁護士が困る」ので、それを回避するために、弁護士が「少額の事件も積極的に受任しようとする」流れになれば、市民にとっては好ましい状況になると思います。

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。