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総務省の「デマ削除要請」と「言論統制というデマ?」

2011-04-08 | 日記
 昨日、「ネット検閲があるらしい」という記事を書きましたが、ネット検閲を否定する報道がなされています。



J-CAST ニュース」の「総務省の「デマ削除要請」 「言論統制」というデマに?」( 2011/4/ 7 20:35 )

ネット上のデマについて、削除を含めた適切な対応を事業者に求めた総務省の要請が波紋を呼んでいる。どうやら、言論統制ではないかと拡大解釈されたらしいのだ。

「インターネット上の流言飛語について関係省庁が連携し、サイト管理者等に対して、法令や公序良俗に反する情報の自主的な削除を含め、適切な対応をとることを要請」


★総務省は「言論統制」の意図否定

総務省がサイト上で2011年4月6日に載せた文面には、こうある。ネット事業者らでつくる電気通信事業者協会など4団体にこの日要請した内容だ。その理由として、「東日本大震災後、地震等に関する不確かな情報等、国民の不安をいたずらにあおる流言飛語が、電子掲示板への書き込み等により流布している」ことを挙げている。

「表現の自由に配慮」とうたってあるものの、デマについての削除要請を含んでいたため、ネット上で大騒ぎになった。2ちゃんねるや情報サイトなどで、これが国の「言論統制」を意味するのではないかとの憶測も出ているほどだ。2ちゃんでは、「平成の治安維持法」「ネットの流言飛語を『取り締まり』」といった揶揄さえ出た。

これに対し、同省の消費者行政課では、そうした意図を全面的に否定する。

「ネット事業者には、ユーザーの方に注意喚起してもらい、約款で削除できる情報なら削除してほしいということです。例えば、業務妨害といった法令違反やプライバシー侵害などになる情報です。しかし、個別具体的な流言飛語の内容については、想定していませんし、触るつもりもありません。改めて、今まで通りの対応をするように呼びかけただけです」


★誤解されない、分かりやすい説明が必要

要請のきっかけになったのが、警察庁が2011年4月1日にサイト上などで明らかにしたデマの具体例だ。

「被災地では強盗や強姦が増えている」
「ナイフで武装した外国人窃盗グループが被災地を荒らし回っている」


総務省では、こうしたデマが流れているとのことから、政府として何かできないかと考え、ネット事業者らに対応の徹底を呼びかけたそうだ。

もっとも、こうした呼びかけが、結果として、表現の自由に抵触する可能性を指摘する向きもある。

日経の田原和政編集委員は、7日付記事で、国の要請が「情報統制につながる危うさ」も指摘した。「『自主的な』という断りが入っているが、行政の直接要請は事実上の介入効果を及ぼす」というのだ。

要請された各団体では、「約款などによる判断は難しいかもしれませんが、場合によっては削除もありえます」(テレコムサービス協会)「ガイドラインに基づいて、名誉毀損などの例があれば、削除していきます」(電気通信事業者協会)と言っている。

いずれにせよ、総務省によるデマ削除要請そのものが拡大解釈され、デマのように広がったのは皮肉なことだ。こうしたときこそ、誤解されないよう細心の注意を払った、分かりやすい説明が求められそうだ。


 総務省の「デマ削除要請」が、「言論統制」というデマに発展しかけたのではないか、と報じられています。



 しかし、上記引用文中にある総務省の説明には、「おかしな」ところがあります。

 総務省は、
「ネット事業者には、ユーザーの方に注意喚起してもらい、約款で削除できる情報なら削除してほしいということです。例えば、業務妨害といった法令違反やプライバシー侵害などになる情報です。しかし、個別具体的な流言飛語の内容については、想定していませんし、触るつもりもありません。改めて、今まで通りの対応をするように呼びかけただけです」
と主張しています。

 ところが、総務省は同時に、今回、要請のきっかけになったのは、警察庁が2011年4月1日にサイト上などで明らかにしたデマの具体例、すなわち
「被災地では強盗や強姦が増えている」
「ナイフで武装した外国人窃盗グループが被災地を荒らし回っている」
だと言っています。

 つまり、総務省は「個別具体的な流言飛語の内容については、想定していませんし、触るつもりもありません。改めて、今まで通りの対応をするように呼びかけただけです」と言いつつ、「個別具体的な流言飛語の内容について、想定していた」ことになります。



 もっとも、警察庁がサイト上などで明らかにしたデマの具体例は、総務省が「デマ削除要請」をする「きっかけ」になっただけで、削除要請そのものでは「個別具体的な流言飛語の内容については、想定していませんし、触るつもりもありません」ということなのかもしれません。

 しかしその場合には、「デマ削除要請」をする「きっかけ」になった種類の事柄に関して「削除要請」すればよいものを、「もっと広く、一般的な形で」削除要請していたことになります。

 これは「被災地では強盗や強姦が増えている」「ナイフで武装した外国人窃盗グループが被災地を荒らし回っている」といった種類の事柄について「デマ削除要請」をするよりも「広い制限」になりますから、
総務省が「個別具体的な流言飛語の内容について、想定していた」場合よりも、もっとまずい
ということにならないでしょうか?

 とすれば、「言論統制」だという「危惧」には合理的な理由があり、(根拠のない) デマだとはいえないことになります。



 そもそも、「被災地では強盗や強姦が増えている」「ナイフで武装した外国人窃盗グループが被災地を荒らし回っている」といった「デマ」が、なぜまずいのでしょうか?

   たんに警察が事実を把握していないだけで、
         「デマ」ではないかもしれないし、

   用心しておくに越したことはない

はずです。

 このように考えれば、そもそも「デマ削除要請」そのものが不要であった、ということになります。



 なお、
 要請された各団体では、「約款などによる判断は難しいかもしれませんが、場合によっては削除もありえます」(テレコムサービス協会)「ガイドラインに基づいて、名誉毀損などの例があれば、削除していきます」(電気通信事業者協会)と言っている。
と報じられていますが、

   名誉毀損にあたると判断して削除したところ、
     実際には名誉毀損にあたらない場合もある

ことは、どう考えるのでしょうか?

 ネットに書かれた内容が事実かどうかは、削除を要請された「ネット事業者」にはわからないはずです。

 これでは、「自分にとって都合の悪い事実をネット上に書かれた」者が「都合の悪い事実を隠すために」削除を求めた場合、つまり「虚偽の内容をネット上に書かれて名誉を毀損された」と「嘘をついて」削除を求めた場合に、

   ネット事業者が「不正を働いた者に協力する」ことになる

恐れがあります。

 この件に関しては、当ブログは関連記事が充実しています。よろしければご覧ください。



■関連記事
 「表現の自由と、個人情報保護・名誉毀損について
 「削除要求のあった事実の公表と、名誉毀損
 「こぐま弁護士を怒鳴りつけたのは誰か
 「「こぐま弁護士」 さんの主張について
 「「なにが中傷なのか」 が問題
 「中傷ではない場合もある
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