言語空間+備忘録

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社会資本の更新

2009-11-05 | 日記
安達誠司 『恐慌脱出』 ( p.181 )

 日本では、公共投資と言えば「無駄なもの」「非効率なもの」と考える向きが多いが、アメリカでは必ずしもそれは当てはまらない。アメリカでは、このような社会資本ストックの老朽化や整備不良が著しく進んでいると思わせる現象が多発しているからである。
 たとえば2007年には、アメリカでは橋の落下や道路の陥没などが各地で起こった。また、ハリケーン「カトリーナ」のもたらした甚大な被害も、ニューオーリンズの都市整備を怠ったことがその原因とされている。さらに、2000年前後にカリフォルニア州を中心に発電所の故障が相次ぎ、電力の安定供給に支障をきたしたことも記憶に新しい。
 クリントン、ブッシュ時代のアメリカは、たしかにITブームによって高成長を実現したものの、国内のインフラ整備を怠ってきた。これが、今後の成長の足枷になりつつある。それゆえ、経済危機への対応策という側面を抜きにしてもオバマ政権が公共投資を財政政策の主軸におくことには、何の違和感もない。
 たとえば、熱狂的な民主党支持者であるポール・クルーグマン・プリンストン大学教授(2008年のノーベル経済学賞受賞者)は、07年に出版した著書 The Conscience of the Liberal で、次期大統領は、道路や橋、発電所といったインフラ整備を重点的に行う必要性を指摘した。そして彼は、この公共投資を中心とした財政政策を、大恐慌期にTVAなどの大規模インフラ整備事業を展開したフランクリン・ルーズベルト大統領の「ニューディール政策」をもじって、「新ニューディール政策」と名づけた。

(中略)

 もしオバマ新大統領の下、クルーグマンが指摘するような国内インフラ投資の拡大を柱とする経済政策が実施されるとすれば、それはアメリカが国内の経済基盤を再構築する一方、むやみに経常収支赤字を拡大させるようなグローバル経済拡大戦略を抑制するという方針に転換することを意味する。
 この場合、これまでのように、貯蓄率をマイナスにしながら消費を拡大していくという消費主導の経済成長は、終焉を迎えるだろう。当面(2009年から3年間程度)は、国内投資(といっても前述のような公共投資)が主導する安定的な経済成長路線へ転換していくことになるだろう。


 アメリカは国内公共投資を中心とした経済成長路線、「新ニューディール政策」 を実施する可能性がある、と書かれています。



 わざわざ引用するまでもなく、当然に 「ありうる」 のですが、

   「老朽化した」 社会資本ストックの更新、

という側面があり、重要かと思います。



 日本にも、老朽化した橋や道路は、たくさんあるはずです。コンクリートにも寿命がありますし、「国債の 60 年償還ルール」 のところで見た、社会資本の平均耐用年数からも、そろそろ更新が必要な時期にきているのではないか、と思います。

 日本も民主党政権になり、ダムの工事中止などが発表されていますが、既存の社会資本の更新であれば、「ムダ」 にはならないと思います。橋は、いつ落ちるかわかりませんし、トンネルは、いつ崩落するかわかりません。新たに道路や橋を造るのとは異なり、既存の道路や橋を整備するのは、ある意味、人命にかかわることですから、積極的に行えばよいのではないかと思います。

 地方も、社会資本の更新需要によって、すこしは潤うのではないかと思います。地方経済が、公共工事に頼るばかりではいけない、とは思いますが、かといって、仕事が急に減ってしまうのも、厳しいのではないかと思います。その点に配慮して公共投資を行えば、「次もまたある」 と期待されても困る、ということにもなりますが、更新需要であれば、その種の 「期待」 は生じないと思います。
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