言語空間+備忘録

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円売り介入の効果

2010-09-20 | 日記
REUTERS」の「日銀は15日実施の為替介入資金を市場に放置、17日の吸収オペ見送り」( 2010年 09月 17日 13:13 JST )

 [東京 17日 ロイター] 日銀は17日、定例金融調節で資金吸収オペを見送った。これにより15日に政府・日銀が実施した円売り・ドル買い介入の資金が実質的に全額市場に残ることが確定した。

 15日の為替介入は決済日が17日となり、介入で売却した円が市場に供給される。日銀は16日午後、17日スタートの共通担保資金供給オペを通知したが、規模は17日に期日を迎える同オペ(8月16日スタート)と同額の1兆円で、市場では介入資金を吸収しない方針を明確にしたものと受け止められていた。17日午後の定例調節でも即日オペを見送り、介入に伴う資金を金融市場に放置する「非不胎化」を日銀が実施し、政府の為替介入に歩調を合わせるとともに、金融緩和に近い効果を目指したこととなる。

 非不胎化については、日々の国庫の資金の出入りは介入資金に限らず、さまざまなものがあることに加え、介入資金もいずれ政府が短期証券を発行して吸収することになるため、市場では「意味のない議論」との指摘が聞かれるほか、当局の間でも「神学論争の世界」という声もある。ただ、政府の介入に対して、日銀が資金吸収しない姿勢を明確にすることは、政府・日銀の協調をアピールする効果もあるとみられている。

 なお日銀は16日、金融機関の手元資金の総量を示す日銀当座預金残高が、17日は財政等要因で2兆2600億円の余剰となるとの見通しを公表。これは東京短資など民間短資会社3社が予想する余剰額4000億─5000億円と比べて1兆8000億円ほど多いため、為替介入は1兆8000億円規模にのぼったとみられる。


 15 日に実施された円売り介入の資金 ( 1 兆 8000 億円規模とみられる ) が全額市場に残ることが確定した、と報じられています。



 外国為替市場は大きいので、為替介入には効果がないという説もありますが、私は効果がある、とみています (「為替介入には効果がない?」参照 ) 。

 実際、今回の介入で、およそ 2 円 ~ 2 円 50 銭 ほど、円安に進みました。



 そこで問題は、今後、為替レートがどう動くか、になります。

 今回の報道によれば、介入資金を市場に残すことが確定した、というのですから、円安に進みやすくなる、すくなくとも円高を阻止する効果がある、と考えられます。

 為替介入には効果がないとみる論者も、金融緩和には (円安に誘導する) 効果があるとみているようですし、論理的にも、円安誘導効果があるとみるべきだと思います。



ある女子大教授の つぶやき」の「新米の大臣たち

為替介入で官房長官が82円台は防衛ラインと言ってしまった。アホな話だ。予定介入価格という手の内を相手に見せたことになる。これでは勝負にならない。介入価格は国際的な投機筋との勝負の重要な駆け引きのポイントだ。今回も政府が不意を打ったから効果がある程度はあった。首相も分かっていない。


 今回は不意打ちだったので、ある程度の効果があった。しかし予定介入価格を教えて、国際的な投機筋に手の内を見せてしまった。これでは勝負にならない、と書かれており、



 この見かたによれば、円高は依然として進む、とみることになると思います。

 たしかに、今回の為替介入は不意打ちでした。「為替介入についての日本のスタンス」を考えるかぎり、日本は為替介入しないのではないか、と考えられていましたし、意外感があります。

 しかし、「これでは勝負にならない」という状況判断には、疑問があります。



 かつて、ジョージ・ソロスなどの国際的投機筋がイングランド銀行と (為替市場で) 戦って勝利を収めたことがありました。上記見解はそれを踏まえて、のこととは思いますが、

 あのときは、英国がポンド安を阻止しようとしていた ( 英国の中央銀行は英ポンドを買っていた ) のに対し、今回は円高を阻止しようとしている ( 日本の中央銀行は日本円を売っている ) のであり、状況が決定的に違います。



 自国通貨が安くなるのを阻止しようとする場合、「外貨を売って自国通貨を買う」のであり、「手持ちの外貨」を売り切ってしまえば、それ以上、介入する手立てがありませんが、

 自国通貨が高くなるのを阻止しようとする場合、「自国通貨を売って外貨を買う」のであり、「売るための通貨」すなわち「円」は、自国通貨である以上、無限にあります ( 国内法上の制限があるなら、法改正してしまえばよいのです ) 。

 したがって、この事実 ( 日本の介入資金は理論上無限大 ) がある以上、予定介入価格を教えたことは、国際的投機筋に対し、予定介入価格に近づいたなら、さっさと円売りに転じたほうが得だよ、円買いを続けていると大損をするよ、というメッセージを発したことにほかならず、特段、円高阻止という目的にとって不利にはならないと思います。



 問題は、長期的なファンダメンタルズの観点で、日本円の適正為替レートが予定介入価格 82 円を越えて円高である場合、たとえば適正為替レートが 1 ドル= 70 円だった場合にどうなるか、ですが、

 理論的な適正為替レートがどのあたりなのか、(誰にも) わからない以上、たとえこのような場合であっても、日本円はドルに対し、しばらく円高にならず、現状の為替レートを維持すると考えられます。すなわち、

   当面、円安になるか、現在の為替レート近辺で立ち止まるか、のどちらか

であり、とりあえず、円高阻止という目標は達成されつつある (達成された) とみてよいのではないかと思います。



 なお、「為替介入についての日本のスタンス」の引用部、高橋洋一さんの解説によれば、かつては売りオペをしないことが非不胎化だったが、現在は買いオペをすることが非不胎化である、ということになると思います。とすると、上記報道にはやや疑問があることになりますが。。。 私が誤解しているのでしょうか?
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