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原発が「安くつく」理由がわからない

2011-04-17 | 日記
時事ドットコム」の「原子力頼みからは抜け出せない=与謝野経財相」( 2011/04/12-12:15 )

 与謝野馨経済財政担当相は12日の閣議後会見で、「日本が電力の生産を原子力に頼るという状況から抜け出すことはできない」と述べ、福島第1原発事故を踏まえても「原子力は引き続き重要なエネルギー源」との考えを強調した。
 また、「日本人の生活レベルをどんどん落としてもいいなら、江戸時代に戻ることもできるが、一定レベルの生活水準を維持するなら、エネルギー多消費社会をどう再構築していくかは、乗り越えないといけない問題だ」と語り、あくまでもエネルギー多消費社会の維持を前提に考えるべきだとの認識を示した。


 与謝野馨経済財政担当相は「日本人の生活レベルをどんどん落としてもいいなら」話は別だが、それが嫌なら「日本が電力の生産を原子力に頼るという状況から抜け出すことはできない」と述べた、と報じられています。



 大臣の発言は、「なるほど」と思ってしまいます。

 しかし、本当にこれは「当然の前提」なのでしょうか? つまり「原発をやめると、本当に生活水準が下がる」のでしょうか?



 以下では、本当にこの前提が正しいのかを、(すこし) 考えてみました。



東京新聞」の「ドイツ、原発早期全廃へ 福島事故で首相方針」( 2011年4月17日 )

 【ベルリン=弓削雅人】ドイツのメルケル首相は十五日、「脱原発」の見直しを進めてきた政策を転換、国内の原子炉全廃を早期に実現する方針を決めた。野党社会民主党(SPD)を含む国内十六州の州首相らと協議、連立与党が推進してきた既存原子炉の稼働延長を短縮することで合意。福島第一原子力発電所の事故を受け、原発政策が変更を余儀なくされた形だ。

 メルケル首相は、州首相らとの協議後に記者会見し「可能な限り早く、原子力エネルギーから脱却したいと思う」と述べ、風力などのクリーンエネルギーへの転換を早める考えを表明した。

 首相は昨秋、平均十二年間の延長を決めた原子炉の稼働期間を短縮するため、六月中旬までに関連法案を改正する意向。だが、連立与党内では、電力供給の20%余りを担う原発廃止による産業活動の停滞やクリーンエネルギー導入による国や各州の多大な経済負担に異論もある。首相は延長期間や財源については明言しなかった。

 メルケル首相は会見で、送電網の整備、電気料金の改定、核廃棄物処理場の点検などに関する包括的な法的措置が必要とし、「政策の転換は新しい挑戦だ」と強調した。

 ドイツは第一原発事故を受け、稼働中の原子炉十七基の延長を三カ月間凍結。一九七〇年代から稼働する七基は運転を停止した。

 根強い「反原発」の世論に、福島原発事故が追い打ちをかけ、連立与党は州議会選挙で環境政党に政権を奪われた。また、連立与党の自由民主党(FDP)が選挙後、脱原発に急転換し、エネルギー政策をめぐって大きく揺れていた。


 ドイツのメルケル首相は「可能な限り早く、原子力エネルギーから脱却したい」と述べ、風力などのクリーンエネルギーへの転換を早める考えを表明した、と報じられています。



 ドイツのメルケル首相は「ドイツ人の生活レベルをどんどん落としてもいい」と考えたのでしょうか? 「違う」はずです。

 とすると、最初に引用した与謝野馨経済財政担当相の発言、すなわち「日本人の生活レベルをどんどん落としてもいいなら」話は別だが、それが嫌なら「日本が電力の生産を原子力に頼るという状況から抜け出すことはできない」という話が本当なのか、すこしあやしくなってきます。



日本経済新聞」の「原発建設推進を維持 BRICS首脳会議が閉幕 新興国の発言力向上を宣言」( 2011/4/14 21:13 )

 【三亜(中国南部)=戸田敬久】ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国(BRICS)による首脳会議が14日、中国の三亜で開かれ、世界で新興国の発言力を高める方針を確認した「三亜宣言」を公表して閉幕した。原子力に関して「将来の新興国のエネルギー構成で重要な位置を占め続ける」と表明し、原子力発電所の建設を進める政策を維持する方針を示した。

 首脳会議は3回目で、今回新たに南アがメンバーとなった。次回は来年、インドで開く。

 宣言は日本の原発事故を踏まえながらも、高めの成長を続ける新興国の事情を反映し、原発が不可欠と認めた。ドイツなどの先進国で広がる「脱原発」の動きとは一線を画した。東日本大震災の犠牲者には弔意を表し、5カ国が共同で日本の復興を支援する意思を明確にした。

 世界経済については原油などの資源や食料を念頭に「国際商品価格の上昇や変動が新たなリスク」と警告した。

 先進国が主導してきた国際金融システムの改革論に対して積極的に関与する姿勢も打ち出した。ドル中心の通貨体制の見直しを視野に入れ、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の改革を支持することで一致した。金融支援を手掛けるIMFの準備資産であるSDRを巡っては、中国の人民元を構成通貨に組み込む構想が浮上している。

 宣言はカダフィ政権と反体制側の対立が続くリビアへの軍事行動に懸念を示したほか、貿易の拡大や保護主義の抑制なども盛り込んだ。


 日本と同様に、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国(BRICS)も原発推進を継続する政策を維持する方針を示した、と報じられています。



 ここで、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの特徴について考えてみると、

   広大な土地 (国土) がある

ことではないかと思います。この点が、日本やドイツとは決定的に異なるところです。



 ここでふと思いあたるのは、

   日本で、原発の発電コストが「安くつく」のは、
   使用済み燃料の処理費用が考慮に入れられていないから

ではないか、ということです。原発の燃料は、使用された後、きわめて長期間、場合によっては数百年間も管理し続けなければなりません。数百年間、放射能がなくならないからです。数百年間というと、気の遠くなるような期間です。そしてまた、

   数百年間、使用済み燃料を管理する費用

を考えると、これも気の遠くなるようなコストがかかるはずです。地中に埋めるから問題ない、いったん埋めてしまえばカネはかからない、とも考えられますが、本当に、いったん埋めてしまえば、あとは放っておいてもよいのでしょうか? なんらかの管理をし続けなければならないとすれば、(数百年間分の管理費用を合計すれば) 膨大なコストがかかることになります。



 広大な土地 (国土) を有する国家であれば、たとえば砂漠の真ん中に埋めるなどの方法があるでしょう。しかし、日本では狭い国土に、たくさんの人が住んでいます。したがって、

   日本の場合、使用済み核燃料は
    ( 外国が引き取ってくれないかぎり )
     人が住んでいる土地の下に埋めるほかない

と考えられます。とすれば、

   いったん地中に埋めたあとも、
   継続して管理が必要になる可能性が高い

と考えられます。このことは、

   日本の場合、
   数百年間、使用済み燃料を管理する費用が必要、

ということにほかなりません。



 このように考えてくると、本当に原発の維持が生活水準を落とさないために必要なのか、疑問が生じてきます。もしかすると、

   日本は原発を全廃したほうが、
   かえって生活水準が上がるかもしれない

ということです。したがって大臣の発言が本当に「正しい」のか、じっくり検討する必要があるのではないかと思います。



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