言語空間+備忘録

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北朝鮮の立場で考えれば

2009-06-11 | 日記
カレル・ヴァン・ウォルフレン 『世界が日本を認める日』 (p.218)

 追い詰められて存亡の危機に立たされたら、北朝鮮の体制は何をしでかすかわからない、どんな恐ろしい破壊行為に出るかわからないと日本人が恐れるのは無理もない。しかし、それを認めたうえで、ただちにこう付け加える必要があるだろう。世界のメディアでよく描き出されているように、北朝鮮の体制が無分別で自滅行為に走りやすいと考える根拠はない、と。
 北朝鮮の体制も、すべての体制と同じく生き延びたいと思っている。したがって、挑発されないかぎり、日本なり他の国なりを攻撃するのではないかと恐れる理由はないのである。そのような攻撃は、自らの消滅への引き金を引くことになるからだ。
 北朝鮮が威嚇の動きをしたり、核兵器開発計画があることを公然と認めたりするのは、彼の国が強請りを商売にしているからだ。必要だが得られないカネや品物がほしいのであり、それらを手に入れる従来の方法は機能しなくなっているからだ。
 ソ連がまだ存在していた間は、モスクワと北京の間に、ピョンヤンの忠誠を得ようとする一種の競争があったため、中国とロシアからさまざまな援助が与えられていた。それはアメリカからの攻撃の可能性を阻む一種の保障にもなっていた。
 金正日と彼のまわりの将軍たちが脅迫によって得ようとしているものは、アメリカが彼らを攻撃しないという保障、なんらかの不可侵条約なのだ。
 この体制がそのような保障を得ることになぜこれほど固執しているのかを理解するためには、北朝鮮が、核爆弾による攻撃の脅威に絶えずさらされてきた、世界でただ一つの国であることを思い出す必要がある。
 朝鮮戦争のあと、米軍は、ピョンヤンを空襲すると見せかけて北朝鮮の体制を恐れさせたし、それ以後ずっと、韓国の広大な米軍基地にピョンヤンに向けた核搭載ミサイルを配備してきた。
 北朝鮮の体制はたしかに非道なものであり、おそらく「悪」という言葉に値するものだろう。しかし、われわれは同時に、その体制がもっとも欲しがっているのは、アメリカが北朝鮮を武力攻撃したり、他の方法でその体制の転覆を試みたりしないという保障であることを認める必要がある。
 イラクの「体制転換」の後、北朝鮮の支配者たちにとって、アメリカ政府――イラン・イラクとともに北朝鮮を「悪の枢軸」の一角とした大統領が率いる政府――からのそうした約束に固執する理由が、それだけ大きくなっているのである。


 北朝鮮は、アメリカから攻撃されない、という保障を得ようとしている。その目的を達するため、そしてカネや品物を手に入れるために、他国 ( 日本など ) を威嚇している。したがって、挑発されないかぎり、北朝鮮の側から攻撃を開始することはありえない、と書かれています。

 説得力があります。


 この分析が正しければ、よほどのことがなければ、日本は北朝鮮から攻撃されないはずです。


 北朝鮮の立場で考えれば、目的を達するためには、資本主義化して自由貿易を開始すればよいのではないか、と思います。

 民主主義化するには、体制の転換を必要とするでしょうから、それは難しいかもしれませんが、資本主義化するには、中国の例が示すように、体制の転換を必要としません。北朝鮮の労働力は ( 中国などアジアの中でも ) 安いので、中国同様に、北朝鮮も経済発展するのではないかと思います。

 いまや、ソ連 ( ロシア ) も中国も資本主義化してきているのですから、北朝鮮が資本主義化することに、なんの問題もないでしょう。


 もっとも、資本主義化すれば民主化せざるを得なくなり、体制の維持が不可能になる可能性はありますから、中国の状況がどうなるのかを ( 北朝鮮が ) 観察したうえで、北朝鮮は資本主義化するのかもしれません。
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5 コメント

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北朝鮮の本音 (四葉のクローバー)
2011-05-27 14:23:43
>北朝鮮の立場で考えれば、目的を達するためには、資本主義化して自由貿易を開始すればよいのではないか、と思います。

私は、今回のブログには100%同意します。

北朝鮮にとって、最も大事な国は、中国でもロシアでも韓国でも、ましてや日本でもありません。

それは、米国です。

北朝鮮の本音はむしろ、米国の子分(同盟国)になりたいくらいだと思います。

民主化についても、意外と、中国よりも先に達成する可能性があります。

現在、ベトナムでは国会議員選挙が行われていますが、共産党以外からも、自薦の候補者が立候補できる点で、中国よりは民主化が進んでいます。

北朝鮮であれば、このレベル程度なら、上からの鶴の一声で、早期に実現出来ると思います。


Unknown (memo26)
2011-05-31 11:36:11
> 北朝鮮の本音はむしろ、米国の子分(同盟国)になりたいくらいだと思います。

 これには同意しますが、将軍様の地位の「保障」は欠かせないでしょう。
 米国がこれを認めるかどうかですね。
前途多難 (四葉のクローバー)
2011-05-31 11:47:18
>これには同意しますが、将軍様の地位の「保障」は欠かせないでしょう。

これは難しいです。
仮に米国に亡命したとしても、後になって、朝鮮(この時点では、統一国家かも)に戻して、裁判にかけろ、とかありえますしね。
最悪、チャウシェスクと同じ運命になりかもしれません。

>米国がこれを認めるかどうかですね。

ある程度、民主化しないと無理でしょうね。
せめて、今のベトナム程度までは。

金正日の地位が保証されても (四葉のクローバー)
2011-05-31 15:27:23
それと、仮に将軍様の地位が「保障」された(亡命しないで済んだ)としても、本人にとっては、厳しいと思います。

「謀略の中国、理念の日本」へのコメントでも書いたように、台湾の例を持ち出すまでもなく、北朝鮮が米国の庇護(覇権)の下に入った場合、金正日は、かなり窮屈な思いをしなければならないでしょう。

米国は、北朝鮮に対する領土的野心はない(他国の領土を奪ったりはしません)が、換わりに、北朝鮮の内政(経済と外交・安保)には、徹底的に干渉すると思います。

経済的にもグローバル・スタンダード(と言っても実態は米国式)を要求してくるでしょう。

結局は、小泉・竹中コンビのように、米国の支配(郵政民営化などは典型的な例)を受けざるを得ないと思います。

さらに、内政では、金正日の演説の原稿文まで、事前に米国が目を通し、 其の承諾を得なければならない、とか色々干渉するはずです。

また、安保面でも完全に、米軍の管理下に置かれることを覚悟しなければなりません。

しかし問題は、これを中国が指をくわえて見ているか、ですね。
Unknown (memo26)
2011-06-01 16:29:13
 忘れていましたが、米国は北朝鮮に「核の放棄」を要求してくるでしょう。これはかなり厳しい条件だと思います。

 北朝鮮が米国の覇権下に入ることは「当面、ありえない」と考えてよいのではないかと思います。

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