言語空間+備忘録

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北朝鮮崩壊時の米韓共同作戦行動計画

2012-01-12 | 日記
リチャード・L・アーミテージ ジョセフ・S・ナイJr 春原剛 『日米同盟 vs. 中国・北朝鮮』 ( p.147 )

春原 さて、北朝鮮という国家の将来を議論すると必ず出てくるのが、「ハード・ランディグ」と「ソフト・ランディング」という両論です。ルーマニアのチャウシェスク政権のように民衆の暴動が広がり、遂には独裁者も民衆によって処刑されるというパターンもあれば、そうではなくて段階的に経済の開放を進め、順を追って民主化の度合いを強めていくというシナリオも完全にないとは言い切れません。現時点でどちらの可能性が高いと踏んでいますか?

ナイ もし、金正日自身が経済を開放した中国モデルにならう決断をしたならば、北朝鮮の経済は段階的に開放され、民営化もされ、同時により多元的な社会へと変わっていくでしょう。その時、彼らは依然として自らをDPRK(朝鮮民主主義人民共和国)と呼ぶかもしれませんが、それはもう、かつての北朝鮮ではなくなっているはずです。ちょうど、中国が「中国共産党」と自らを呼んでいても多くの人はもはや、彼らを「共産主義者」とは見ていないのと同じことです。これは北朝鮮における「中国モデル」と呼べるでしょうね。

アーミテージ 北朝鮮の崩壊ということを考えた場合、ソフト・ランディングのシナリオはあり得ません。まず、国内が混乱し、それが軍部による冒険主義を助長するでしょう。それに難民もあふれだすでしょう。彼らは食糧を求めて走り回るでしょう。
 過去何年間にもわたって、米韓両国はこうした事態を想定し、いかに北朝鮮国民を国内にとどまらせるか、ということを考えてきました。具体的に言えば、いくつかの場所に配給所を設けて、そこで食糧や水、薬剤を分け与え、北朝鮮国民が他国になだれ込むことを防ぐのです。これもほんの少しの時間稼ぎしかできないかもしれませんが。本当に崩壊のシナリオが現実のものとなった場合、これは相当に大変なことになると思います。夥しい(おびただしい)ほどの死傷者が出るとまでは言いませんが、そこかしこである程度の暴力行為も散見されることでしょう。

春原 独裁者が民衆の手によって処刑されるというルーマニア・モデルもあり得ると見ているのですね?

アーミテージ もちろんです!

春原 米韓両国はこうした崩壊のシナリオに備えて、有事の共同作戦行動計画を随時、更新していると言われていますよね?

アーミテージ その通りです。

ナイ いつでも有事に備えた軍事行動計画は用意していますが、私自身は詳細にまで立ち入ったことはありません。しかし、軍部はいつもその計画を練っていると思います。軍部というものはあらゆる事態を想定して、それに対する方策を考えているものなのです。

春原 その際、米韓合同軍は軍事境界線から北上して、北朝鮮国内を鎮圧するのですか?

アーミテージ それはまあ、その時の状況次第でしょうね。

春原 「ケースA」、「ケースB」といった風に複数のプランニングを同時に進めていると聞いたことがありますが……。

アーミテージ まず、基本形があって、あとは色々な反復を繰り返しています。いずれのケースでも韓国が主導的な立場になるでしょう。彼らの言語、歴史、文化、そして(北朝鮮による)積年の対米嫌悪などを考えれば、それも当然のことだと思います。もちろん、韓国だけに任せるのではなく、我々もしっかりと参加し、手助けしますが。

春原 報道によると、中国人民解放軍も彼らなりの緊急対応策を検討しているようです。

アーミテージ 当然でしょう! 中国による「対応策」の一部についてはすでに指摘しましたよね。北朝鮮北部や東部の陸軍部隊や民間の指導者らとの関係を強化しているのです。

春原 北朝鮮崩壊のシナリオで最も懸念されるのは、彼らが保有しているであろう核爆弾を含め、核開発計画全般がどうなるのか、ということです。一九九四年の核危機の際、韓国内で「それほど心配しなくても(北朝鮮の崩壊後)、あれ(核爆弾)はいずれ韓国のものになる」と発言した人物がいて、日本でも相当、物議を醸しましたから。

ナイ ええ、そうでした。「我々のものになる」と(苦笑)。それについても確かな対応策はあると思いますよ。

春原 米韓合同の共同作戦計画と人民解放軍の緊急対応策。放っておくとかつての朝鮮戦争のように朝鮮半島を舞台に双方がぶつかり合うことにはなりませんか?

アーミテージ いいえ、そうはならないでしょう。これは私見ですが、米韓両国は中国に対して、我々がやろうとしていることを説明すべきだと思います。ある程度はね。これがある程度は中国を落ち着かせるはずです。米国は軍隊を中朝国境地帯にまで展開する考えがないと伝えるのですから。同時に、こうした(中国に対する)我々の行動は米韓両国がこうした事態に真剣に取り組む姿勢を如実に示す効果もあります。それは当然、平壌(金正日政権)にも伝わることでしょう。

春原 そうした緊急事態への対応策について、米中両国で意見交換がなされた形跡はあるのですか?

アーミテージ 知りません。政治レベルではないと思います。私が米中ハイレベル協議の一環として中国の戴秉国氏(現・国務委員=外交担当)と会った際も北朝鮮について話し合いましたが、そうしたことについては特段、意見を交わしていません。

春原 時期尚早ということですか?

アーミテージ ええ、時期尚早でしょう。それ以外にもまだ、沢山の問題を米中両国は抱えてしました。特に(アーミテージ氏が国務副長官だった)二〇〇一年から二〇〇三年にかけては(北朝鮮の)核問題に多くの時間を割いていましたから。


 北朝鮮崩壊時に米国・韓国はどうするのか、その共同作戦行動計画が「簡単に」説明されています。



 今回の私の意図は、(今後考察するための前提資料として)米韓の作戦行動計画の概要を示すことにあります。

 したがって、私の意見はとくにありませんが、難民対策の部分、
アーミテージ 北朝鮮の崩壊ということを考えた場合、ソフト・ランディングのシナリオはあり得ません。まず、国内が混乱し、それが軍部による冒険主義を助長するでしょう。それに難民もあふれだすでしょう。彼らは食糧を求めて走り回るでしょう。
 過去何年間にもわたって、米韓両国はこうした事態を想定し、いかに北朝鮮国民を国内にとどまらせるか、ということを考えてきました。具体的に言えば、いくつかの場所に配給所を設けて、そこで食糧や水、薬剤を分け与え、北朝鮮国民が他国になだれ込むことを防ぐのです。これもほんの少しの時間稼ぎしかできないかもしれませんが。本当に崩壊のシナリオが現実のものとなった場合、これは相当に大変なことになると思います。夥しい(おびただしい)ほどの死傷者が出るとまでは言いませんが、そこかしこである程度の暴力行為も散見されることでしょう。
という発想には、考えさせるものがあると思います。

 普通、難民対策というと、いかにして(日本海沿岸の)見張りを厳しくするか、などに注意がいくと思います。たとえば、(報道によれば)日本の自衛隊は見張り部隊の配置を「何メートル間隔にするか」まで研究しているようです。

 しかし、「やってくる難民を防ぐ」のではなく、「はじめから難民が来なければよい」に越したことはありません。この「はじめから難民が来なければよい」という発想には、とても考えさせられます。



 なお、引用文中には、中国による「対応策」の一部についてはすでに指摘しましたよね、とあります。該当部分は、「北朝鮮問題についての米中の基本スタンス」で引用しています。必要であれば、あわせてご覧ください。



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