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価格規制の評価

2011-07-06 | 日記
N・グレゴリー・マンキュー 『マンキュー入門経済学』 ( p.137 )

 第1章で論じた経済学の十大原理の一つによれば、「通常、市場は経済活動を組織する良策である」。この原理は、なぜ経済学者が通常、価格の上限と下限に反対するかを説明している。経済学者にとって、価格は何らかの偶然的な過程の結果ではない。経済学者は、価格は需要曲線と供給曲線の背後にある何百万もの企業と消費者の決定の結果であると主張する。価格は需要と供給を釣り合わせ、それによって経済活動を調整するという重要な仕事をもっている。政策立案者が法令によって価格を設定することは、社会のさまざまな資源の配分を正常に導くシグナルを不明確にすることになる。
 経済学の十大原理には他にも、「政府は市場のもたらす成果を改善できることもある」というものがある。実際、政策立案者は市場の成果を不公平とみなすために、価格規制に向かってしまう。価格規制は貧しい人を助けることを目的とすることが多い。たとえば、家賃規制法はすべての人が手ごろな家賃の住宅に住めるようにし、最低賃金法は人々が貧困から脱出するのを助けようとする。
 ところが、価格規制はしばしば彼らが助けようとしている人々に損害を与えることがある。家賃規制は家賃を低い水準に維持するかもしれないが、同時に家主が自分のアパートを維持・補修する意欲を阻害し、住宅をみつけにくくする。最低賃金法は一部の労働者の所得を増加させるかもしれないが、同時に他の労働者を失業させる原因にもなる。
 助けを必要としている人を助けることは、価格を規制する方法以外でも達成できる。たとえば、政府は貧しい家族の家賃の一部を補助することによって、住宅を入手しやすくさせられる。家賃規制とは異なり、家賃補助は住宅の供給量を減少させないので、住宅不足を起こさない。同様に、賃金補助は貧しい労働者の生活水準を高めるが、企業が彼らを雇う意欲を低下させない。賃金補助の例としては、勤労所得税額控除(EITC:earned income tax credit)という低賃金労働者の所得を補助する政府の政策がある。
 これらの代替的な政策は、価格規制よりもすぐれていることが多いが、それでも完全ではない。家賃補助や賃金補助は、政府からみるとお金がかかり、したがってより多くの税金を必要とする。次節でみるように、課税にはそれ自体の費用がかかるのである。


 貧しい人々を助けるために、家賃規制(価格の上限を規制)や最低賃金規制(価格の下限を規制)を行えば、かえって彼らに不利益になりかねない。したがって、価格規制ではなく、家賃補助や賃金補助といった代替的な政策を行うのがよい、と書かれています。



 価格規制は規制の目的を達成しえないとするなら、どうすればよいのかが問題になりますが、

 家賃補助・賃金補助など、政府がお金を支給すればよいというのが経済学の帰結のようです (今回は経済学による帰結を示すために引用しています) 。



 市場価格が「適切」であるとすれば、大家や雇用主に対し、市場価格に比べ割安または割高な契約を強要し「損をさせる」のではなく、社会全体で負担すればよい、という方向性は (経済学的にはもちろん) 倫理的にも正しいと思います。



 そこで問題になるのが、費用を捻出するために税金が必要になるということです。次回は税金が市場価格にもたらす効果の話です。



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