言語空間+備忘録

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農作業の効率化

2009-11-27 | 日記
リチャード・クー&村山昇作 『世界同時バランスシート不況』 ( p.227 )

 これまでの日本の常識は、農業は遅れた産業で、先進国に仲間入りするには工業化しかない、というものであった。また、こうした考え方は日本特有のものではなく、中国もインドも同じ常識に沿って急ピッチで工業化を進めている。このままでは世界中工業国になってしまい、農業国がなくなりそうな勢いである。しかし、既に述べたように大量生産・大量消費を前提とする工業化は結局のところ過剰供給に陥り、期待されたほどバラ色のものではない可能性が高い。
 しかし、本当に先進国イコール工業化なのか。そう単純ではなく、先進国らしい農業もあってしかるべきと思われる。そういう意味では、世界的に農業にはまだまだ技術革新の可能性があり、投資の機会もあるのではないか。
 たとえば、中国の農業は、あいかわらず大量生産型の農業で、農薬を非常にたくさん使わなければいけないため、その安全性が問題になっている。このような後進国型の農業に対し、日本がもっときめ細かな栽培方法で農薬を使わない安全な野菜を作ることができれば、品質面で十分競争できる可能性がある。
 そのためには、様々な工夫で生産性を上げコストも下げる必要がある。筆者は農業の門外漢であるが、生産性向上のヒントとして、たとえば分業をとりあげてみたい。農業の特色の一つとして、あまり分業が発達せず、基本的には一人の人がほとんどの作業を全部やるのが基本となっているように思えて仕方がない。
 もちろん地域共同体としての助け合いはあるが、基本的には土を作ることから始めて、田植えから農薬散布、借り入れまでほとんどを一人でやるのが基本である。このようなやり方は工業生産ではあまりない。自分で原料を作って、それを加工することから何から何まで全部やる工場は少ない。なぜ農業では分業しないのかかねがね疑問に感じている点である。「土を作るだけで一〇年かかる。これはたいへんでとても年寄りにはできない」 とよく言われる。これが年寄り中心の日本の農業のネックとなっており、化学肥料や農薬を多く使うことにつながっているのではないか。たしかに土を作るのは大変なこととと ( 引用者註:原文ママ ) 思うが、土作りがそんなに大切でかつたいへんなものであれば、土をつくることだけを行う農家があってもいいのではないか。そういう土作り専門の農家がいい土を供給できれば、生産性は飛躍的に上がるはずである。土を作る体力のない老人でも、いい土さえあれば農業を続けられるかもしれない。そして化学肥料や農薬を使わずにもっといい作物ができるかもしれない。
 また、田植えや稲刈りを専門にする企業を作り、日本が南北に長い列島であることを活かして、南から北に順々に田植えや稲刈りを請け負って歩くことも考えられる。このようにすれば農機具も効率的に使えるはずである。
 さらには日本の農地に適した農作業ロボットの導入も考えられる。日本の農地の特色として平地が少なく耕地も少規模であることが言われている。いずれも米国やオーストラリアのような大規模な機械化には不利な点である。こうしたところに外国製の大型機械を導入しようとしても無理がある。この解決策として、農地を集約化して大規模にする方法が一般的であるが、発想を変えて機械を農地に合わせることも考えられていいのではないか。具体的には日本の農業の実態に合った小型の農作業ロボットに期待したい。「農業=過去の産業」 という発想からは最新のロボット技術を農業にも応用することは考えにくいかもしれないが、小型で汎用性のある農作業補助ロボットを使って雑草抜きが自動的にできれば、農薬を使わなくとも能率よく安全な作物を作れる可能性がある。こういうことを考えただけでも、まだまだ農業に技術革新の可能性があり、投資の機会もありそうである。


 世界中の国が工業化を進めているが、それでは過剰供給に陥ってしまう。工業にではなく、農業にこそ、可能性があるのではないか。農業を効率化する工夫として、農作業を分業化したり、農作業ロボットの導入が考えられる、と書かれています。



 次の成長産業は農業である、という話があります。著者 ( 村山昇作 ) も、同様の考えかたをされているようです。

 著者による、( 成長分野である農業の ) 農作業効率化のアイデアは、

  1. 分業の推進 ( たとえば土作り専門の農家があってよい )
  2. 南北差の活用 ( 分業によって専門分化した農家が、南から北へ移動しつつ農作業を行う )
  3. ( 小型の ) 農作業ロボットの導入 ( たとえば自動で雑草を抜くロボット )

です。



 このアイデア、いけるのではないかと思います。とくに、分業の推進、南北差の活用、については、すぐにでも実現可能ではないかとも思われます。

 しかし、おそらく、現行制度の下では、不可能でしょう。阻んでいるのは、「耕作者が土地を所有するのを基本とする農地法」 です ( 「農業への参入促進策」 参照 ) 。

 したがって、農地法の改正、すなわち規制緩和 ( または撤廃 ) が必要だと思います。

 規制緩和の結果、農産物の価格が下がり、農家への補助金も不要になるなら、それに越したことはありません。



 なお、農作業ロボットの導入については、すでに研究がなされていると思います。

 たしか、カーナビや携帯に使われている GPS ( Global Positioning System = 全地球測位システム ) を使って、無人で動く自動田植機が開発されていたはずです。

 したがって、農業用ロボットの開発は、進められているといってよいと思いますが、

 問題は、価格だと思います。( ロボットの ) 価格が高すぎれば、導入したところで、農家の利益はなくなってしまいます。

 しかし、分業の推進・南北差の活用がなされるならば、農業用ロボットの価格が高くとも、ロボットがフル稼働に近くなり、( 農家の ) 採算が合うのではないかと思われます。

 すくなくとも、いまの、年に一回しか使わない農業用機械を、一軒一軒の農家が所有している状況に比べれば、はるかに採算に合うのではないかと思います。



 したがって、農業 ( 農作業 ) を効率化するうえで、農地法の改正が有益である、と考えてよいのではないかと思います。
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