言語空間+備忘録

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製造業の効率向上には、サービス業の効率向上も重要

2009-10-12 | 日記
 私は昨日、「需要不足だとしても、規制緩和は必要」 で、「サービス業の非効率・高価格が、製造業の足を引っ張っている面もあるのではないでしょうか。日本が生き残るには、サービス業の規制緩和も必要不可欠だと思います。」 と書きました。

 以下は、その補足です。



製造業の地位向上

製造業は日本を支える重要な産業です。しかし、製造業は、中国、韓国など外国と厳しい国際競争を強いられています。そのため、一部の非製造業と比べると年収が低くなる傾向があります。

製造業の志望動機は物作りの楽しさですが、年収が低ければ製造業離れは防げません。さらに技能の伝承など日本の製造業の強みが終身雇用の崩壊とともに、失われつつあります。 日本の製造業の今後の崩壊の兆しは、人材面にあるのです。

日本は、高い品質のものを限界までコストを削減して作っています。コスト削減のために、技術者、技術職人など理工系の年収は、低く抑えています。理工系の待遇を限界まで切り詰めることによって、日本の製造業がやっと生きていけるのです。

しかし、一部非製造業との年収格差は拡大し、製造業離れが起こりました。製造業離れが起これば、日本の製造業は、中国、韓国等との競争において、人材面でハンディを負うことになります。安い年収で何とかして製造業に向かわせるという手法は、理系離れにより限界に達しています。

そこで、政府が、理工系に直接お金を支払うようにして、日本の製造業の地位向上を図る必要があるのです。


I.日本の製造業の重要性と崩壊の兆し

  1. 日本は製造業なしで生きていけない
     日本は、製造業なしでは生きていけません。日本は資源がないので外貨を稼がなれば、資源や食料にも困るようになるのです。
     現在の豊かな日本からは想像できないかもしれませんが、製造業、輸出産業がだめになれば、日本は終わります。
     製造業は、輸出によって外貨を獲得するのに、最も有効な産業なのです。だから、日本の製造業、物作りの重要性は、多く語られています。
     このように、製造業は、日本の生命線ともいえる産業なのです。
  2. 日本の製造業は、毎年厳しくなる激烈な国際競争にさらされているる 
     しかし、アジアの国などが発展するにつれ、製造業の競争者が増えてきました。日本の製造業は、激烈な国際競争に巻き込まれ、生き残るために必死です。
     中国、韓国等の技術者は、安い年収で長い時間働きます。
     競争に勝つためには、日本の技術者等も、安い年収で長い時間働くことになるのです。正社員ではなく、派遣を使うことになるでしょう。リストラもたくさんするようになるでしょう。
     競争者が増えるにつれて、製造業はどんどん割が悪くなっていきます。欧米は金融業など割の良い非製造業に切り替えていきます。
     日本は、非製造業では食べていけません。そこで、製造業の割が悪くなった分は、技術者等の年収を下げることで対処します。技術者以外にも、非正社員、派遣を使うなど、血のにじむようなコスト削減がなされるのです。
     中国、韓国等の製品も品質、コストとも毎年良くなっていきます。品質、コストの競争をすれば、技術者等の年収は下げざるを得ません。
  3. 日本の製造業の崩壊の兆し(理系、理工系離れ) 
     しかし、製造業の志望動機は物作りの楽しさにあるとはいっても、年収の格差が広がると、いわゆる「理系離れ、理工系離れ」が生じます。
     製造業に興味があっても、一生涯、中国、韓国等の技術者と命を削るようなコスト削減競争を続けなければならないことを喜んで受け入れる人は、減っていくのです。年収の低さで勝負しても、たとえば年収100~200万円で働くアジアの国の技術者と勝負するのはきついからです。
     命を削るコスト競争を避けるためには、日本は高付加価値な製品にシフトし、知的財産を強力に保護する必要があります。しかし、現状では対策は十分ではなく、多くの場合、価格競争に巻き込まれているのです。
     そのため、製造業では、技術者等の年収を低くします。正社員を減らし、派遣にします。リストラも行ない、人を育て、職人の技能を伝承することにはコストをかけなくなります。人材の使い捨てを余儀なくされるのです。
     理工系の多くは製造業に就職します。よって、製造業の地位低下により、理工系の地位は全体的に下がります。そして、理系離れ、理工系離れが起こります。また、理工系の中でも、製造業離れにより非製造業に行く人が多くなります。
     アジアの国では、最も優秀な人たちが製造業に行くのに、日本は優秀な人材が製造業から逃避するようになるのです。このような傾向が続けば、日本の製造業は、人材不足により、崩壊することになります。日本の製造業の崩壊の兆しは、すでに人材面に現れているのです。



 日本は製造業がなければ、生きていけない。その製造業は、いまや、激烈な国際競争にさらされており、崩壊の兆しが現れている。政府は、理工系に直接、お金を払う ( 理工系企業の従業員に援助を行い、年収を増やす ) 必要がある、と書かれています。



 日本は、石油などの資源を輸入しています。国内に、資源が存在しないからです。資源を輸入するためには、外貨を稼がなければなりません。外貨を稼ぐうえで、製造業は決定的に重要だと思います。

 ところが、製造業を志望する者 ( 学生 ) が減っている。研究開発に従事したり、製造現場で効率化の工夫をしたりした場合、収入が低くなる傾向にあるからです。現状では、製造業に就職せず、( たとえば ) テレビ局など、もっぱら国内専門の企業に就職したほうが高収入が得られます。また、出世し、高収入になるのは、多くが法学部などを出て文系就職をした者です。

 しかし、それでは優秀な人間が製造業に行こうとしなくなります。

 日本にとって、製造業は外貨を稼ぐうえで、( おそらく ) 必要不可欠です。製造業は、日本の生命線だと言ってよいと思います。



 それでは、製造業を、いかにして守るか。それが問題になります。

 上記サイトは、製造業の従業員 ( の給与 ) に政府が補助をすべきである、と主張しています。たしかに、それもひとつの方法だとは思います。

 しかし、日本の国家財政を考えれば、その方法は、いまひとつ、現実的ではありません。



 それでは、どうすべきか。

 私は、非製造業の競争力強化を図るべきだと思います。日本では、製造業の効率は高いが、サービス業の効率は低い、と言われています。「サービス業における競争の特殊性」 に書いた事情によって、一般に、サービス業では効率が低くなりがちです。サービス業の非効率・高価格が、製造業の足を引っ張っている面もあるのではないか、と思います。



 要は、規制に守られたサービス業が、( 日本の生命線ともいえる ) 製造業の足を引っ張っている面もあるのではないか。したがって、

 製造業自身も、さらなる効率向上に向け、努力しなければならないことはもちろんですが、製造業が効率を向上させるうえで、サービス業の効率向上も、重要な要素だと思います。サービス業の規制緩和・競争政策も、必要不可欠だと思います。
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4 コメント

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理系と文系という分け方 (ヨッシー)
2009-10-12 13:02:28
こんにちは。年収の格差が広がるから「理系離れ、理工離れになる」という考え方については個人的には賛成できません。本当にモノづくりが好きな学生なら(本来であれば)会社での対価は高収入でなくてよいはずです。LEDのような劇的な発明に対する報酬システムの確立は別としても、世の中で仕事をする=好きなことができる+生計を立てる、という図式が一番の理想ですから。そこに理系も文系もないと私は考えます。
製造業を志望する者が減っている原因は低収入だからなのでしょうか。その部分の根拠(意識調査等)が出ているのでしょうか。
また「出世し高収入になるのは、多くが法学部などを出て文系就職をした者です」というのも裏づけ(確率ではない)があれば知りたいです。多い少ないは別として稲盛和夫氏、原田泳幸氏などりっぱな理系の経営者はいますし、製造業に限らず少なくとも長きに働くのであれば、出世し管理者として経営に携わる時、文系出身より理系出身の方が物事を論理的に考えている人が多いと感じてます。
長くなってすみません。製造業は日本の生命線だということには、かなりの危機感を抱いている一人ではあります。

理工系離れの原因 (memo26)
2009-10-13 03:17:43
こんにちは。コメントありがとうございます。

> 製造業を志望する者が減っている原因は低収入だからなのでしょうか。その部分の根拠(意識調査等)が出ているのでしょうか。

 私は、意識調査等のデータに基づいて書いたのではありません。引用元が、データに基づいて書いていたのかどうかはわかりませんが、私には、低収入が原因、という主張は違和感がありませんので、そのまま鵜呑みにしていました。本当にモノづくりが好きな学生は、低収入もいとわず、製造業に行くと思いますが、それほどでもない学生は、製造業には行かない ( =志望者が減る ) と思います。
 ヨッシーさんは、理工系離れ ( 製造業離れ ) の原因を、どうお考えなのでしょうか? さしつかえなければ、教えてください。

> また「出世し高収入になるのは、多くが法学部などを出て文系就職をした者です」というのも裏づけ(確率ではない)があれば知りたいです。

 現に、高級官僚や大企業の社長は、法学部・経済学部を出た人が多いのではないですか? これは裏づけ ( 証拠 ) にはならない、とお考えでしょうか? 経済学部は理系だと考える余地もあるかとは思いますが、通常は、文系に分類されると思います。
 なお、「文系出身者と理系出身者、どちらが管理者・経営者として優秀か」 は、「文系出身者と理系出身者、どちらが出世し高収入になるか」 とは、別の問題です。個人的には、理系出身者がもっと管理者的立場に就くのが好ましいと思います。
根拠のない分析 (ヨッシー)
2009-10-13 23:43:21
返信ありがとうございます。

理工系離れ(製造業離れ)の原因について私なりの考えですが、人には「根拠を」と言っておきながら推測で書くことをお許し下さい。
個人的にはこの問題は根深いと思っています。今の学生達が多感に育った時代は私にすればほんの10数年位前の事で、ビデオ、PC、ゲーム機器、携帯電話など、ある意味生活には不自由なく育ってきており、そこにある自由や利便性は彼らにとって普通なことです。社会的には、モノが壊れても修理に出すより買ったほうが安い仕組みでもあります。一方、私が育った時代は、壊れたものは修理をする。修理に出すのも高いので見よう見まねで分解し自分で組み立ててみる(成功失敗は別として)。目覚まし時計やステレオのカセットデッキ等、よく分解したものです。
つまり、全てではないにしても私はこの、モノを分解したり組み立てたりする「興味」の人数が昔に比べると劇的に減ったのではないかと考えています。
それは、贅沢な国(語弊があれば豊かな国)になってしまった戦後の時代背景が大いに関与していると思っています。
私が考える原因は以上です。
ここからは全く根拠はありませんが、
モノ作りに興味がなくても、理数が得意であれば文系の学部にいく人達は殆どいないと思います。いざ就職活動をするときの求人に製造業が多くても、モノ作りも生業にするまで興味がなければ製造業に就職しなくてもいいと考えても不思議じゃないような気がします。これは文系の学生も同じで就職口の大半は営業職なのに営業は嫌だと思ってる人もかなりいるはずです。


>現に、高級官僚や大企業の社長は、法学部・経済学部を出た人が多いのではないですか? これは裏づけ ( 証拠 ) にはならない、とお考えでしょうか? 

結果としてはそうだと考えます。
高級官僚は別として大企業の社長が法学部や経済学部を出た人が多いのは、彼らの殆どの就職部署が営業で、モノを第一線で販売することが使命だったと思います。つまり文系卒は表舞台、理工系は縁の下の力。そういう人達の何十名が各エリアで支店長を経験し、一握りが役員になり、そのうち1人が社長になる。
作ったものを売る人が花形だという、日本古来の企業の仕組みがそうさせているのだと私は思っています。近年もその仕組みに変わりませんが、ここにきて製造工場長が営業部長に抜擢され手腕を発揮する例も見られ、今後垣根はなくなってくる気配は感じてます。


実感も大事だと思います。 (memo26)
2009-10-14 22:43:05
ご返事ありがとうございます。「興味」が薄れたことが、が理工系離れの原因。モノがあふれているのが原因、ということですね。

今日は、ほしいものがない、モノが売れない、の線で、新しい記事 「ほしいものがない」 を書きました。理工系離れとも、どこかでつながっていると思います。

修理に出すより買ったほうが安い。「興味・関心」 以外に、分解したり組み立てたりする動機がないですね。自分で修理するほうが安ければ、そこで分解してみようと思い、そこから分解・組み立てそのものに興味が芽生えるのかもしれません。コンピュータ雑誌に書かれていましたが、いまや、部品を集めてパソコンを自作するより、デルで買ったほうが安いらしいです。これでは、「モノづくり」 に関心をもつ 「きっかけ」 がないに等しい、とも言えそうです。

だけど、「修理・自作するより買ったほうが安い」 って、「モノづくりには、マイナスの付加価値がある」 と言っているに等しいですよね。なんだかなあ、と思います。

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