言語空間+備忘録

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「正しい」戦争には勝たなければならない

2010-12-21 | 日記
西部邁・宮崎正弘 『日米安保50年』 ( p.185 )

(西部) たとえば今後の民主党政権で、インド洋沖の石油給油を中止することになりましたが、これなど論理的におかしい。これまでもずっと、PKO(国連平和維持活動)論議の時もそうだったし、イラク戦争での対米協力もそうですが、「戦争の前線には行かない。しかし後衛であれば石油も運ぶし、包帯とか水も運ぶ」といういつもながらの論法について、この国で議論が起こったことは一度もありません。
 その戦争を肯定するならば、もちろん前線にすっ飛んでいくのは愚か者の軽率な所行ですけども、考え方からいって、正当な戦争ならば、場合によっては前線に行ってしかるべきです。正当な戦争は勝たなければいけないのですから。それに協力するというのなら、勝つためには前線に行くこともあり得べしとしなければならないのに、「前線に行くことは憲法で禁じられています」と勝手な憲法解釈を持ち出して、しかし後衛ならば、後衛部隊にいて何か運搬するくらいなら辛うじて合憲であると称して、そんなことを続けています。


 正当な戦争は勝たなければならない。勝つためには、場合によっては前線に行ってしかるべきである。それにもかかわらず、日本では「憲法で禁じられている」ので「戦争の前線には行かない」、「後衛部隊にいて何か運搬するくらいなら辛うじて合憲である」などと、論理的におかしな論法がまかり通っている、と書かれています。



 著者は「勝手な憲法解釈」と述べていますが、これはちがうでしょう。「勝手な憲法解釈」であるというためには、「憲法の条文が正当な戦争への参加を肯定している」にもかかわらず、その条文を「参加を禁じた規定である」と解釈していなければなりません。しかし日本は、このような状況ではありません。したがって、「勝手な憲法解釈」であるとは言えないと思います。

 おそらく日本は、(正当な戦争に協力するための)「ギリギリの憲法解釈」を行ってきたのではないかと思います。したがって問題は「憲法の条文」にあるのであり、「憲法の解釈」にあるのではありません。



 しかし、たしかに著者の言うように、「正しい」戦争には「勝たなければならない」と思います。「正しい」戦争に負けてしまっては、「正義が通らない」世界になってしまうからです。

 したがって当然、論理的に「おかしな」憲法(条文)は変えなければならないと思います。すくなくとも、憲法改正の是非について、議論しなければならないと思います。



 その場合、「正しさ」とは何か、「正義」とは何か、が問題になります。

 戦後の日本は、この問題を避けてきたのではないかと思います。いまの日本には、「正しさ」とは何か、「正義」とは何か、といった哲学的・根本的な議論をしている人は、ほとんどいないと思います。憲法改正に向けた議論がなされないのも、このあたりに原因があるのかもしれません。

 私は個人的な理由で、「正しさ」「正義」について長い間考えてきました。いろんな本も読みました。けれども私は、まだ答えには到達していません。つまり、はっきり言って (私には) わからない、ということです。とはいえ、ある程度の方向性は出してきています。機会をみて、(いつもの引用のスタイルで) すこしずつ書きつつ、さらに考えたいと思います。



 なお、「正しい」戦争には勝たなければならないのですが、「正義の押しつけ」になってはいけないこと、もちろんです。しかし、かといって「一切、外国には関与しない」というのもまた、おかしいでしょう。「関与しない」とはすなわち、「強者に味方すること」であり「強者の主張を正義と認める」ことと事実上、同じになってしまうからです (「「正義の押しつけ」と一神教・多神教」参照 ) 。
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