言語空間+備忘録

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科学技術関連予算の必要性

2010-11-30 | 日記
兵頭二十八 『「自衛隊」無人化計画』 ( p.65 )

 米国の産業競争力は、自由な証券金融や民間金融によって、民間主導で育っているのでしょうか?
 工業技術に関しては、あきらかにアメリカ合衆国連邦政府が、税金で育成をしています。
 米国が世界の警察官の仕事を果たすために必要となる高度技術は、まぎれもなく、連邦政府からの巨額の投資によって、はぐくまれているのです。
 とくに国防総省が、伝統的に「太っ腹インキュベーター」の機能を果たしてきました。
 本書執筆中の二〇〇九年四月に米政府公表のPDF資料をのぞいてみたところでは、米国の二〇〇八年度 (二〇〇七年十月一日~二〇〇八年九月三十日) の国防総省分の予算は、四五九七億五四〇〇万ドルです。
 これを感覚的に把握しやすいように「一ドル=一〇〇円」として便宜的に換算しますと、約四六兆円。円とドルの為替相場が多少変動をしても、ざっと、自衛隊をまるごと一〇セットも抱えられるぐらいの巨費だと考えられるでしょう。
 この総額の中から、二〇〇八年度に米国防総省は、作戦および管理費として一六兆九二五四億円、調達のために八兆八九一五億円、研究開発向けに六兆六九四〇億円、人件費で一一兆九〇九六億円を、支出できることになっています。
(なお、米政府に批判的であるチャルマース・ジョンソンのような評論家たちに言わせますと、他省庁の費目の中に巧みに隠された実質上の国防費があるので、米国の真実の防衛関連支出は二〇〇八年度にはこの二倍の一兆ドルにも達するのだそうです)
 ともかくも、調達費だけで日本の防衛省総予算の二倍、研究開発費だけでも防衛省予算の一・五倍くらいもあることは疑う余地がありません。
 最大手の軍需企業であるロッキード・マーチン社は、一年で一兆円以上の仕事契約を、米国防総省と結びます。それらは調達費としてカウントされはしますが、少なからぬ部分が、本社や下請けメーカーの社内研究開発を潤すでしょう。
 また国防総省の研究開発費のうち、毎年三〇億ドル (つまり三〇〇〇億円) ていどは、DARPA (Defense Advanced Research Projects Agency =国防高等研究計画局) という、先端的防衛研究推進機関によって、最も野心的な二百数十件のプロジェクトに分配されているといいます。
 その中には、たとえば、昆虫の脳にチップとセンサーを埋め込むサイボーグ化手術をほどこして、生きた偵察機に仕立てあげる実験ですとか、兵士が連続何晩も眠らないで戦闘できる薬物の開発……なんてのまで、普通に混じっています (二〇〇五年頃から、なかば面白ネタとして、科学技術ジャーナリズムが、そうしたDARPAの珍奇なプロジェクトの数々を、取り沙汰するようになりました) 。
 およそ、無名の若い工学博士たちが、設立したての零細ベンチャー企業の代表者として、町の銀行の融資係に申し込んだところで、まず審査は通らないであろうような「思いつき」に対するリスク・マネーが、DARPAを通じて合衆国の国庫から、ふんだんに供給されているわけです。
 日本では昨今、景気後退から銀行が不良債権を抱えたというので、それを理由に銀行が中小企業から貸し剥がしをしています。銀行が中小企業への融資を渋るから、また景気も悪くなる……という悪循環ですね。
 しかし米国には、国防総省もしくはDARPAという「太っ腹銀行」がある。中でもDARPAは、モノにならぬ可能性も有意に高い研究のために、返さなくてもよいカネを、数千万円、数億円と、手渡してくれるのです。
 またトータルの規模では国防総省にはるかに及ばないものの、NASA (航空宇宙局) 、CIA、エネルギー省 (核兵器開発を分担) 、気象局なども、それぞれ独立に、あるいはDARPAと協力するなどして、野心的なハイテク研究に予算をつけています。

(中略)

 米国の技術的な競争力は、米国防総省やDARPAといった「プロジェクト・マネーの出し手」によって支えられてきているのです。
 何か変わったことを思いついた若い技術者の前には、ベンチャー資本市場で出資金を募るという手段の他に、DARPAに売り込んで仕事を取るという道が開かれています。「親方星条旗」との取り引きなら、来期の配当を気にかけて悩む必要もありません。
 過去、自動車や工作機械等の対米輸出の突出ぶりが槍玉にあげられるたびに、〈日本の産業が不公正な政府保護を受けている〉と米国内ロビイストが騒いだものでしたが、当時も、またその以前も、米国政府こそが、日本とは桁違いの政府補助金を「軍需かけながし」の形で私企業に対して投入し続けていると申せましょう。


 米国の先端的な科学技術は、政府の軍事予算によって開発され続けている、と書かれています。



 うらやましい話です。

 日本では、「一番じゃなきゃダメですか?」などと大臣が言い、科学技術関連予算を削減しようとしているようですが、

 それでは国防上、問題が生じてしまうのではないかと思います (「武器輸出三原則の見直し」参照 ) 。



 また、経済的な観点でみても、国費を投入しなければ日本は没落してしまうのではないかと思います。

 日本が経済大国でいられるのは技術力が支えになっているからであり、日本から技術力が失われてしまえば、日本は経済的に立ち行かなくなるのではないかと危惧されます (「資本財中心の輸出と、日本の技術力」参照 ) 。

 日本が繁栄し続けるためには、政府が科学技術関連予算を増やす必要があるのではないでしょうか。「予算を増やす」ことには抵抗があるかもしれませんが、それによって長期的に「税収が増える」のであれば、なんら問題はないと思います。



 もちろん、研究開発は「お金があればよい」というものではないとは思いますが、「お金がないと始まらない」部分があるのも、たしかだと思います。

 アイデアなら、私もたくさんあります。しかしアイデアを「かたち」にするには、やはり、お金が制約になってしまうのが現実だと思います。



ある女子大教授の つぶやき」の「スパコン トップを目指して

スパコン

  次世代スーパーコンピューター「京(けい)」の組み立てが、神戸市の理研施設内で始まった。来秋の稼働時には計算速度で世界トップとなる見込みだが、その座は瞬間的なものだろう。10年前にはトップだった日本だったが、近年、スパコンは国力そのものを表すから、米国と中国は開発に必死になっているからだ。最新のスパコン性能ランキングでは、トップ10のうち8機種を米国勢が占める。その中で中国勢の躍進が目覚ましく、専業メーカー「曙光」のスパコンが初登場で2位に付けたほか、7位にも中国製品が入った。

富士通と理化学研究所との共同開発であるが、稼働時に「世界トップの性能」となり、計算速度は、現在の最速機種の5倍超に当たる1秒間に1京回(1京は1兆の1万倍)の実現を目標としている。費用は施設なども含め1000億円である。

ゲリラ豪雨のように短時間で変化する気象状況の予測や、最先端となる半導体材料や安価なバイオ燃料の開発、新薬の開発、ミサイルの軌道計算など幅広い分野で活用される計画である。理研は「日本の科学技術や産業の底上げにつながる」としているが、これまでに、どのような成果が出ているのか公表すべきである。そうしないから「どうしてトップを目指すのか」という疑問が出てくる。


 スパコン性能ランキングでは、近年、中国勢の躍進が目覚ましい。理研は「これまでに、どのような成果が出ているのか」公表すべきである。そうしないから「どうしてトップを目指すのか」という疑問が出てくる、と書かれています。



 べつにスパコンの分野にかぎらないと思いますが、

 「公費を受け取っているなら」研究者・研究機関の側も、もっと成果を公表して社会の理解を得る努力をすべきだと思います。それこそが、公費を受け取った者の責任ではないでしょうか。

 日本の科学技術、および日本経済の発展のためにも、成果の公開が望まれます (もちろん軍事関連の研究であれば、かならずしもこのかぎりではありません) 。



 なお、近年中国は分子生物学 (医療関連) の分野に米国を凌ぐ数のスパコン (というか、遺伝子配列解析機) を投入しているようです。そして出されつつある研究成果が……、

   日本人の先祖は中国人である!!

らしいです。最悪の場合、中国はこの研究成果をもとに、「日本 (全土) は中国の一部である」などと主張し始めるかもしれません。
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