たかが内輪のボーリング大会に
わざわざ夕張から重たい思いをして
マイボール、マイシューズを運び、意気揚々と参戦した私。
始まる前に言いだしっぺである私が
皆にルール説明と開会宣言を元気一杯にし(こうゆうのは大好きだ)、
いよいよ戦いの火ぶたが切って落とされた。
まずは右端のレーンで
怪力のカシが豪快に玉を勢いよくぶん投げた。
ピンが壊れるんじゃあないかとばかりに凄い音をたてて弾け飛ぶ。
よく呑んだ時にジキルとハイドのように大魔神に変身する恐ろしいカシジジ。
その怪力は高校時代、体育の柔道授業にもかかわらず気にいらない奴を
殺人鬼のごとく凄まじい形相で絞め落とし、見ていた者を震撼させたほどだ(ハットリ談)。
豪快なピンアクションで宙に舞うピンが、可哀想になるくらいだ。
しかし、端のピンが3本残る。
威力はあるが
精密なコントロールがないなと横目で見ていた私は博士のようにすぐ様分析し、脳にインプットする。
次にキンコ。
ジジのように
豪快さはないが流石に
”オレとノハラ(キンコの親友)はプ、プロだぞ~~!!”と
やる前から豪語してただけあって、
固まったフォームで真っ直ぐに年季を感じさせるいい球を投げる。
が、
これもレーンの油のひき方に合わないのか、
若干だけキンコが思うよりも左に流れ惜しい所でスペアがとれない。
女子は女なので最初から眼中にない(だから表彰は男子の部と女子の部に分けた)。
タニツちゃんも普段それほどやらないのか普通だ。
ざっとみんなの様子を見て、
” ヨシッ!!この勝負いただきだ。”
と、内心密かに思った。
そして・・・
いよいよ私の記念すべきマイボールでの第一投。
私は大事なボール(500円)を丹念にタオルで拭き、
後ろのみんなの視線を感じつつ助走レーンの前に立ち赤く光るボールを胸の前に構えた。
足元はゴールドと黒のコンビのビカビカのマイシューズ。
”右手首に巻く黒いグローブも買っとけば完璧だっあな・・・”
と、
頭の隅を一瞬過(よぎ)ったが
そんなことはどうでもいい(アホだ)。
後はレーンの向こう側にある10本のピンを残らず倒すだけ。
ネットで勉強したボーリングフォームを思いだし、
私は助走に入った。
ちょっと膝を曲げた状態から左足から出て、左手は真横に伸ばしバランスを取る。
ボールの位置は左胸前から真っ直ぐ前に出し、そのまま後ろに振り子のように跳ね上げ
投げると同時に前に出した左足とクロスするように
右足を左斜め後ろに真っ直ぐピーンと伸ばし、ボールを放る。
レーン上の三角のスパットの目安は真ん中から右2つと3つ目の間を狙う。
狙い通り見事にそこをボールがいい回転で通る。
手ごたえは充分だった。
投げた後もそのままの体制で余韻を残し、満足げにボールの行方を追う。
そのまま自然にフックが掛かり、
ボールは1番ピンと3番ピンの間、通称ポケットに吸い込まれるようにいく
はずだった。
そして絵に描いたような綺麗なストライクをとり、
私はみんなの方を振り返り
右手拳(拳)を揚げ満面の笑顔でガッツポーズ。
”さ~~すがーーっ!!”と、みんなの大きな拍手が湧き起こり
それにまたさらなる光輝く笑顔で選挙に出馬した政治家のように両手を広げ応える
はずだった・・・。
だが、
だが、
そこまで完璧なシュミレーションが出来上がっていたのにもかかわらず
ボールはなんと
ピンの手前で
突如として駄半をこく様に急激に左に進路変更をし、
私の意志とは裏腹に
大きく
大きくグンニャリぶん曲り
”やめてくれーーっ!!”という私の心の叫びを
嘲笑うかのように中古で買った500円のマイボールは
左端の7番ピンだけをかする様にかろうじて倒し
暗いレーン奥に
無慈悲に吸い込まれていった。
私は何が起こったのか解らず
呆然と立ち尽くした。
静まり返る応援席。
”あれだけ自信満々で登場したのに・・・”
”これまでの練習は何だったんだ・・・”
私は
後ろを振り返るのが
嫌だった・・・
続く
うんうん、
気持ち分かるよ~~~
気になります
オチじゃないかなぁ。。
気になるなぁ~(^。^;)
マイボールが言うこと聞かない?
思い通りにピンが倒れない?
さあ、どうなるのでしょう!!!
つづく
シリーズものはキーちゃんやキミちゃんらに「長い!!長過ぎる!!」
と、いつも苦言を言われるので南さんにそう言ってもらえると勇気が湧きます。
この先も楽しみにしていてくださいね
今日は心置きなく呑み、騒ぎましょうね
続きが楽しみでまだまだ死ねません
元気なうちに早く続きを、、、