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ネットだけどリアル ①リアルに進出 リアルを強化

2017-10-13 06:15:00 | 経済フロントライン

9月23日 経済フロントライン


東京銀座の裏通りにあるビルの3階。
この店で売られているのは1枚8千円のTシャツや4万5千円のカーディガン。
高級な素材を使った品質の良さが売りですべて日本製である。
独特なのはその売り方である。
売場にレジはなく
顧客は端末を使ってこの店のサイトから購入。
商品は後日宅配便で自宅に届けられる。
こうした店を全国で4店舗展開するファクトリエ社長の山田敏夫さん。
山田さんの会社はかつて店舗を持たずネット販売を専門としてきた。
ホームページには作り手の顔を載せるなど工夫を重ねてきた。
しかし山田さんは
ネットだけでは製品の良さが十分に伝わっていないのではないかと考え
この店をオープンした。
(ファクトリエ社長 山田敏夫さん)
「何が素晴らしいのか伝え続ける場が必要だと思っていて
 店舗は試着室であり
 熱狂的なファンを作っていく場。」
店を訪れた人の間で評判が高まり
売り上げは大幅に増加。
今では購入する人の3割近くが店舗を経由しているという。
(常連客)
「ホームページが素敵だったので興味をもって
 こちらの店舗に来た。
 自分で見て触って買うのを決めたい。」
顧客との接点があるリアルな店舗を持つことには別の狙いもある。
(客)
「私が持っているのはしわになりやすかったから
 電車に乗るときは脱いで座る。
 しわになっちゃうから。
 しわにならないならうれしいな。」
客の好みやニーズを具体的に聞き取ることができ
商品開発に生かすことができるのである。
こうしたニーズは社長の山田さんが自ら契約している工場をたびたび訪れ伝えている。
たとえばトレンチコート。
以前は肩に飾りがついていたが
最新作は客の声をもとに飾りを外した。
(縫製工場 社長)
「客の声は
 ショルダーバッグをかけたときちょうど当たったりして違和感がある。」
さらには“もっと軽くしてほしい”という声に応え
裏地を外して軽量化して発売。
売り上げはすでに以前のコートの2,6倍に伸びている。
(ファクトリエ社長 山田敏夫さん)
「リアル店舗の強みという意味で
 心と心でつながって感じてもらいやすいことが一番の強みなのではないかと思う。」
ネットに進出したものの
最近になってリアルな店舗での売り方を強化している企業もある。
フランスの高級調理器具メーカー ル・クルーゼである。
日本に進出して26年。
デパートやショッピングモールなどに出店してきたが
先行きには危機感を持っている。
(ル・クルーゼ ジャポン 社長 モニカ・ピントさん)
「あなたが最後にデパートに買い物に行ったのはいつ?
 今ではデパートに行く必要はありません。
 夜ベッドでネット通販で買えばいいのです。」
8年前には独自のネット通販サイトを起ち上げた。
自慢の鍋が映えるレシピの掲載など
客の取り込みを図ってきた。
さらにアマゾンや楽天といったサイトにも出店。
ところが
ちょっと良い鍋が欲しいと考えて
“高級 鍋 ブランド”と検索すると
先に出てくるのは競合他社の商品である。 
この会社の商品は遅れて登場。
しかも鍋ではなく鍋敷き。
多くの製品の中で埋もれてしまう難しさを感じていた。
(ル・クルーゼ ジャポン 社長 モニカ・ピントさん)
「ネット通販の場合は自分たちのサイトを見てもらわなければなりません。
 サイトがあれば成功するというわけではないのです。
 サイトを見てもらえなければ悲惨なことになるんです。」
どうすればネットでも商品の価値をアピールできるのか。
新たに打ち出したのが
デパートなどよりも目立つところにリアルな店舗を出す戦略だった。
今年4月
東京六本木の人通りの多い場所にこれまでで最も規模の大きな店舗をオープン。
さらに創業以来の歴史がわかる展示もした。
この会社ではリアルな店舗でブランドをアピールすることで
ネットでも関心を持ってもらえるようにしたいと考えている。
(ル・クルーゼ ジャポン 社長 モニカ・ピントさん)
「店舗がそこにあることで足を止めて商品を見てもらうことができるんです。
 お客さんにより多くの機会を作っているんです。」




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